複素解析幾何セミナー

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開催情報 月曜日 10:30~12:00 数理科学研究科棟(駒場) 128号室
担当者 平地 健吾, 高山 茂晴

過去の記録

2024年12月02日(月)

10:30-12:00   数理科学研究科棟(駒場) 128号室
オンライン開催です. 対面での実施はありません.
宮地 秀樹 氏 (金沢大学)
Dualities in the $L^1$ and $L^\infty$-geometries in Teichm\”uller space (Japanese)
[ 講演概要 ]
種数$g$のタイヒミュラー空間は種数$g$の標識付きリーマン面の変形空間である。種数$g$のタイヒミュラー空間は複素多様体であり,その正則接空間と正則余接空間は各点に対応する閉リーマン面上の微分形式を用いて表すことができる。余接空間上のノルムは余接ベクトルを表す微分形式の$L^1$-ノルムにより与えられ,タイヒミュラー計量は接ベクトルを表す微分形式の余接空間の$L^1$-ノルムの双対として与えられる。これらの幾何学をタイヒミュラー空間の$L^1$, $L^\infty$-幾何学と呼ぶ。定義から,余接空間上の$L^1$-ノルムと接空間上のタイヒミュラー計量は双対の関係にある。この講演では,タイヒミュラー計量の性質を述べた後,タイヒミュラー空間上の2次の接構造を用いて,$L^1$-ノルムとタイヒミュラー計量の間の新しい双対性を与える。
[ 参考URL ]
https://forms.gle/gTP8qNZwPyQyxjTj8

2024年11月18日(月)

10:30-12:00   数理科学研究科棟(駒場) 128号室
千葉 優作 氏 (お茶の水女子大学)
Polarizations and convergences of holomorphic sections on the tangent bundle of a Bohr-Sommerfeld Lagrangian submanifold (Japanese)
[ 講演概要 ]
単位円周上の連続関数が三角多項式で近似されるように, 複素多様体において総実 (totally real) なコンパクト部分多様体上の連続関数はその近傍上の正則関数によって一様に近似される. 正則線束においても同様の近似定理が次のように考えられる. ケーラー多様体上の前量子化束 $L$ と, そのボーア・ゾンマーフェルト ラグランジュ部分多様体 $X$ 上の滑らかな関数 $f$ をとる. $f$ は $L^k|_{X}$ の自然な自明化のもと, $L^k|_{X}$ の切断とみなせる. $f$ を $L^k$ のベルグマン核により射影した正則切断を $s_{f, k}$ とおく. $s_{f, k}$ は $X$ の量子化と考えられており, $k$ を大きくすると $X$ 上 $f$ へと収束することが知られている. より強く, $s_{f, k}$ は $X$ の法ベクトル方向に定数な関数へと超局所的に収束することも示される. このような収束は, ソボレフノルムに条件を課すことで一般の正則切断列にもみられることを, 幾何学的量子化, 特に偏極の収束と関連づけて紹介したい.
[ 参考URL ]
https://forms.gle/gTP8qNZwPyQyxjTj8

2024年11月11日(月)

10:30-12:00   数理科学研究科棟(駒場) 128号室
稲山 貴大 氏 (東京理科大学)
Singular Nakano positivity of direct image sheaves (Japanese)
[ 講演概要 ]
本講演では特異計量の中野正値性について考察する.現状,特異計量の中野正値性については,(i)滑らかな中野正値計量によるDemailly型の近似列が存在する,という特徴付けと,(ii)計量に関してヘルマンダー型のL^2評価式が成り立つ,という特徴付けが存在することが知られている.本講演ではまずこれら二つの定義を比較し,(i)の条件から(ii)の条件が従うことを説明する.その後,複素多様体X,Y間の適当なファイブレーションf: X→Y及びX上の半正値特異計量を持つ直線束(L, h)から自然に定まる順像層上に,どのようなとき(i)及び(ii)の意味で中野正値な特異計量が構成されるかということを考察する.応用として,種々の消滅定理が従うことを証明する.本講演は,松村慎一氏(東北大学)と渡邊祐太氏(中央大学)との共同研究に基づく.
[ 参考URL ]
https://forms.gle/gTP8qNZwPyQyxjTj8

2024年10月28日(月)

10:30-12:00   数理科学研究科棟(駒場) 128号室
松本 佳彦 氏 (大阪大学)
双曲円板からの固有調和写像とCR球面のhorizontal circles (Japanese)
[ 講演概要 ]
Poincaré-Einstein空間$X$の無限遠境界としてあらわれる共形多様体については、その共形測地線を、双曲円板から$X$への固有調和写像に関する無限遠境界値問題をもちいて特徴づける方法がある(Fine–Herfrayによる固有極小曲面をもちいた特徴づけ(2022年)を、松本がそのように書き換えた)。
同じことをCR幾何学において考えたい。本講演ではその第一歩として、複素双曲計量を備えた単位開球$B^{2n+2}$とその無限遠境界である標準CR球面$S^{2n+1}$の場合について述べる。双曲円板を定義域とする$B^{2n+2}$への固有調和写像について、それが無限遠で2次のオーダーで全測地的となるために境界値がみたすべき条件として、「horizontal circles」を含む$S^{2n+1}$の曲線群を与えるような常微分方程式がえられることを説明する。必要な計算手法の基礎は、Donnellyによる1994年の論文で与えられている。
[ 参考URL ]
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2024年10月21日(月)

10:30-12:00   数理科学研究科棟(駒場) 128号室
林本 厚志 氏 (長野工業高等専門学校)
固有正則写像の連続的拡張性と正則的拡張性 (Japanese)
[ 講演概要 ]
2つの有界領域があったときに, その間の固有正則写像が, ある滑らかさで定義域を拡張できるか, もし拡張できるなら, そこからどういう結論が導き出せるか, という問題を考える. 2つの領域が$m$次元球と$n$次元球で, $m$が$n$より真に小さい場合には, 連続的に拡張できない場合があることが知られている. $n \le m \le 2n-2$の場合には, もし$C^2$級に境界を越えて拡張できたら, そのような固有正則写像は自己同型写像の差を省いて分類することができ, その結果, 正則的にも拡張できることがわかる. これはgap定理からの結論であり次元の差がさらに大きい場合にも類似の結果が知られている. これが球でない場合にはどういうことが成り立つかを調べたい. 一般複素擬楕円体は, 実解析的境界を持つ擬凸領域の代表例である. ここで話す内容は次の2つである.
1. 次元の異なる一般複素擬楕円体の間の固有正則写像で, 境界を越えて連続的に定義域を拡張できない場合がある.
2. もし, 正則的に拡張できたとしたら, 自己同型写像の差を省いてそのような写像が分類できる.
[ 参考URL ]
https://forms.gle/gTP8qNZwPyQyxjTj8

2024年10月07日(月)

10:30-12:00   数理科学研究科棟(駒場) 128号室
田島 慎一 氏 (新潟大学)
非孤立特異点を持つ超曲面の代数解析と計算複素解析 (Japanese)
[ 講演概要 ]
Bernstein-Sato多項式(b-関数)は、超曲面のvanishing cycleやmultiplier idealとも関係する重要な不変量として知られている。b-関数の根に付随して定められるホロノミーD-加群は、豊かな複素解析幾何的構造を持つ。例えば、ホロノミーD-加群の特性多様体は特異点集合のWhitney stratificationと直接係わる。またその解層のなすperverse sheafは、monodromy (D. Siersmaのvertical monodromyに対応)という複素解析的構造を有する。
 本講演では、これらホロノミーD-加群の構造を解析するための数学的枠組みを紹介する。準素イデアルに付随したlocal chomologyに対しネター作用素の概念を導入し、可換代数の世界と複素解析の世界を結ぶ懸け橋として用いる。これらを用いることで、(Whitney stratification)の各stratum上でホロノミーD-加群を解析することが可能となる事を示す。
 応用として, monodromy構造やmicrolocal b-関数を求めるこ都が出来ることを紹介する。また、Newton 非退化な孤立特異点をもつ超曲面のb-関数の計算、map germの複素解析への応用などについても紹介したい。
[ 参考URL ]
https://forms.gle/gTP8qNZwPyQyxjTj8

2024年07月08日(月)

10:30-12:00   数理科学研究科棟(駒場) 128号室
久本 智之 氏 (東京都立大学)
ネフ反標準束に対する宮岡-Yau型不等式について (Japanese)
[ 講演概要 ]
今回の講演では、まずKähler-Einstein計量に対する変分法的アプローチの近年における発展について概観し、その系としてネフ反標準束に対する宮岡-Yau型の不等式が導かれることを紹介する。
次いで、等号成立条件や、接束のスロープ安定性、定スカラー曲率Kähler計量の漸近的存在について議論する。
[ 参考URL ]
https://forms.gle/gTP8qNZwPyQyxjTj8

2024年06月24日(月)

10:30-12:00   数理科学研究科棟(駒場) 128号室
成田 知将 氏 (名古屋大学)
コンパクトケーラー多様体のラプラシアン固有値の最大化問題 (Japanese)
[ 講演概要 ]
与えられたコンパクト多様体$M$において,体積が1となるようなリーマン計量全体を考える.このとき,計量から定まるラプラシアンの最小正固有値は,そのような計量全体の上の汎関数とみなせる.Nadirashvili(1996)とEl Soufi-Ilias(2000)は,計量$g$がそのような固有値汎関数の臨界点であるとき,ラプラシアンの固有関数たちが$(M, g)$の球面への等長極小はめ込みを与えることを示した.Apostolov-Jakobson-Kokarev(2015)は,リーマン計量全体ではなく,コンパクトケーラー多様体においてケーラー類を固定して固有値汎関数の臨界点を調べた.本講演では,コンパクト複素多様体において,体積が1となるようなケーラー計量全体を考え,固有値汎関数の臨界点について考察する.Apostolov et al.の結果との比較を行い,また例として平坦な複素トーラスについて述べる.本講演はプレプリント arXiv:2304.06261の内容に基づく.
[ 参考URL ]
https://forms.gle/gTP8qNZwPyQyxjTj8

2024年06月17日(月)

10:30-12:00   数理科学研究科棟(駒場) 128号室
日下部 佑太 氏 (九州大学)
Oka tubes in holomorphic line bundles (Japanese)
[ 講演概要 ]
自身を値域とする正則写像の拡張・近似問題に関して、岡の原理が成り立つような複素多様体を岡多様体と呼ぶ。岡多様体は、複素Euclid空間から多くの支配的正則写像を持つという楕円性によって特徴付けられ、小林双曲性に代表される複素幾何学的双曲性とは真逆の性質を持つことが知られている。本講演では、コンパクト複素多様体上の負直線束の零切断が擬小林双曲近傍基を持つという事実を一つの背景として、どのような場合に直線束の零切断が岡近傍基を持つかという問題を考える。本講演の内容は、Franc Forstnerič氏との共同研究に基づく。
[ 参考URL ]
https://forms.gle/gTP8qNZwPyQyxjTj8

2024年06月10日(月)

10:30-12:00   数理科学研究科棟(駒場) 128号室
鍋島 克輔 氏 (東京理科大学)
Computing Noetherian operators of polynomial ideals
--How to characterize a polynomial ideal by partial differential operators -- (Japanese)
[ 講演概要 ]
Describing ideals in polynomial rings by using systems of differential operators in one of the major approaches to study them. In 1916, F.S. Macaulay brought the notion of an inverse system, a system of differential conditions that describes an ideal. In 1937, W. Groebner mentioned the importance of the Macaulay's inverse system in the study of linear differential equations with constant coefficient, and in 1938, he introduced differential operators to characterize ideals that are primary to a rational maximal ideal. After that the important results and the terminology came from L. Ehrenpreise and V. P. Palamodov in 1961 and 1970, that is the characterization of primary ideals by the differential operators. The differential operators allow one to characterize the primary ideal by differential conditions on the associated characteristic variety. The differential operators are called Noetherian operators.
In this talk, we consider Noetherian operators in the context of symbolic computation. Upon utilizing the theory of holonomic D-modules, we present a new computational method of Noetherian operators associated to a polynomial ideal. The computational method that consists mainly of linear algebra techniques is given for computing them. Moreover, as applications, new computational methods of polynomial ideals are discussed by utilizing the Noetherian operators.
[ 参考URL ]
https://forms.gle/gTP8qNZwPyQyxjTj8

2024年05月27日(月)

10:30-12:00   数理科学研究科棟(駒場) 128号室
丸亀 泰二 氏 (電気通信大学)
Hyperkähler ambient metrics associated with twistor CR manifolds
(Japanese)
[ 講演概要 ]
アンビエント計量は,CR多様体に付随する(漸近的)Ricci平坦不定値Kähler計量である.Feffermanは,複素多様体の非退化実超曲面に対し,複素Monge-Ampère方程式の近似解となる局所定義関数を用いてアンビエント計量を構成したが,(対数項を導入することなく)厳密にRicci平坦方程式を満たす計量が構成できるCR多様体の例はあまり知られていない.この講演では,3次元実解析的共形多様体上の球面束として定義されるツイスターCR多様体に対して,アンビエント計量がスピノル束上のhyperkähler計量として具体的に構成できることを説明する.
[ 参考URL ]
https://forms.gle/gTP8qNZwPyQyxjTj8

2024年05月20日(月)

10:50-12:20   数理科学研究科棟(駒場) 128号室
いつもより20分遅れて開始します。
孫 立杰 氏 (山口大学)
Kähler metrics in the Siegel domain (Japanese)
[ 講演概要 ]
The Siegel domain is endowed with an intrinsic Kähler structure, making it an exemplary model for the complex hyperbolic plane. Its boundary, characterized as the one-point compactification of the Heisenberg group, plays an important role in studying the geometry of the Siegel domain. In this talk, using the CR structure of the Heisenberg group we introduce a variety of Kähler structures within the Siegel domain. We conclude by demonstrating that all these metrics are PCR-Kähler equivalent, that is, essentially the same when confined to the CR structure. This talk is based on a joint work with Ioannis Platis and Joonhyung Kim.
[ 参考URL ]
https://forms.gle/gTP8qNZwPyQyxjTj8

2024年05月13日(月)

10:30-12:00   数理科学研究科棟(駒場) 128号室
川上 裕 氏 (金沢大学)
Bloch-Ros principleとその曲面論への応用 (Japanese)
[ 講演概要 ]
有理型関数の値分布論と正規族の理論との間には,Bloch principleと呼ばれるある種の双対性が存在する.講演者は笠尾俊輔氏との共同研究で,ZalcmanとRosの研究をもとに,この双対性を曲面のGauss写像の値分布にまで拡張した"Bloch-Ros principle"と呼ぶ理論的枠組みを発見した.本講演では,笠尾氏との共著論文(arXiv:2402.12909)で記した"Bloch-Ros principle"の詳細を解説する.
[ 参考URL ]
https://forms.gle/gTP8qNZwPyQyxjTj8

2024年04月22日(月)

10:30-12:00   数理科学研究科棟(駒場) 128号室
小池 貴之 氏 (大阪公立大学)
Neighborhood of a compact curve whose intersection matrix has a positive eigenvalue (Japanese)
[ 講演概要 ]
Let $C$ be a connected compact complex curve of a non-singular complex surface. We will show that, if the intersection matrix of the curve $C$ has a positive eigenvalue, then there is a neighborhood $V$ of $C$ and a strictly plurisubharmonic function on $V\setminus C$ which increases logarithmically near $C$.
As an application, we show that the complement of $C$ is a proper modification of an affine variety under the additional assumption that the surface is connected and compact.
This talk is based on a joint work with Tetsuo Ueda.
[ 参考URL ]
https://forms.gle/gTP8qNZwPyQyxjTj8

2024年04月15日(月)

10:30-12:00   数理科学研究科棟(駒場) 128号室
竹内 有哉 氏 (筑波大学)
Kohn-Rossi cohomology of spherical CR manifolds (Japanese)
[ 講演概要 ]
The Kohn-Rossi cohomology is a CR analog of the Dolbeault cohomology and is one of fundamental invariants in CR geometry. In this talk, we prove some vanishing theorems for the Kohn-Rossi cohomology of some spherical CR manifolds. To this end, we use a canonical contact form defined via the Patterson-Sullivan measure and Weitzenböck-type formulae.
[ 参考URL ]
https://forms.gle/gTP8qNZwPyQyxjTj8

2023年12月11日(月)

10:30-12:00   数理科学研究科棟(駒場) 128号室
松田 凌 氏 (京都大学)
On Partial deformations and Bers embedding (Japanese)
[ 講演概要 ]
The Teichmüller space of the Riemann surface S is the space of deformations of the complex structure of S. For complex analysis on Teich(S), it is biholomorphic embedded into a bounded set of the space of complex Banach spaces, denoted as B(S). This embedding is known as the Bers embedding. Additionally, when S is of infinite type, considering partial deformations can reveal properties of Teich(S). Earle-Gardiner-Lakic prove that asymptotically conformal deformations correspond to subspaces where the norm of the embedding decays at infinity. In this talk, we generalize this result, showing that deformations that become asymptotically conformal at some end correspond to spaces where the norm decays at that end. Finally, using this result and the David map, a generalization of quasiconformal maps, I’ll give that in the Bers boundary of infinite-type Riemann surface satisfying the Shiga condition, Maximal cusps are not dense.
[ 参考URL ]
https://u-tokyo-ac-jp.zoom.us/meeting/register/tZEqceqsrTIjEtRxenSMdPogvCxlWzAogj5A

2023年11月27日(月)

11:00-12:30   数理科学研究科棟(駒場) 128号室
小川 智史 氏 (大阪公立大学)
On a holomorphic tubular neighborhood of a compact complex curve and Brjuno condition (Japanese)
[ 講演概要 ]
Let $C$ be a compact complex curve holomorphically embedded in a non-singular complex surface $M$ with a unitary flat normal bundle $N_{C/M}$ and let $\mathcal{U}$ be a finite open cover of $C$. Gong--Stolovitch posed a sufficient condition for the existence of a holomorphic tubular neighborhood of $C$ in $M$ expressed with operator norms of Čech coboundary maps $\delta$ on $\check{C}^0(\mathcal{U}, \mathcal{O}_C(N_{C/M}^\nu))$ and $\check{C}^0(\mathcal{U}, \mathcal{O}_C(T_C \otimes N_{C/M}^\nu))$.
In this talk, we introduce some estimates of the operator norms of $\delta$. As a result, we see the Brjuno condition appears as a sufficient condition for the existence of a holomorphic tubular neighborhood.
[ 参考URL ]
https://u-tokyo-ac-jp.zoom.us/meeting/register/tZEqceqsrTIjEtRxenSMdPogvCxlWzAogj5A

2023年10月30日(月)

10:30-12:00   数理科学研究科棟(駒場) 128号室
松村慎一 氏 (東北大学)
The Nonvanishing problem for varieties with nef anticanonical bundle
[ 講演概要 ]
一般化された極小モデル理論(generalized MMP)の枠組みではアバンダンス予想は成立しない. しかし, 一般化された非消滅予想(generalized nonvanishing conjecture)の成立は期待されている. この予想は適切な標準因子の数値的同値類が有効因子で代表できるかを問う予想である. 本講演では3次元の一般化されたLC対に対する非消滅予想について議論し, ネフ反標準因子に対して予想が正しいことを証明する.
この講演はV. Lazic, Th. Peternell, N. Tsakanikas, Z. Xieとの共同研究に基づく.
[ 参考URL ]
https://u-tokyo-ac-jp.zoom.us/meeting/register/tZEqceqsrTIjEtRxenSMdPogvCxlWzAogj5A

2023年10月16日(月)

10:30-12:00   数理科学研究科棟(駒場) 128号室
辻 元 氏 (上智大学)
The limit of Kähler-Ricci flows
[ 講演概要 ]
In this talk, I would like to present the (normalized) limit of Kähler-Ricci flows for compact Kähler manifolds with intermediate Kodaira dimesion under the condition that the canonical bundle is abundant.
[ 参考URL ]
https://u-tokyo-ac-jp.zoom.us/meeting/register/tZEqceqsrTIjEtRxenSMdPogvCxlWzAogj5A

2023年07月10日(月)

10:30-12:00   数理科学研究科棟(駒場) 128号室
吉川謙一 氏 (京都大学)
リーマン面の退化とラプラシアンの小さい固有値 (日本語)
[ 講演概要 ]
この講演では、非特異射影曲面からコンパクトなリーマン面への正則写像を考える。特異ファイバーの近くでは、これをコンパクトなリーマン面の一変数退化とみなすのとができる。この族の全空間である非特異射影曲面にケーラー計量を一つ固定し、各ファイバーにそれから誘導されるケーラー計量が与えられているとする。この設定で、各ファイバーに対して、各ファイバー上の関数に作用するラプラシアンを考えることができる。各kに対して、ラプラシアンの第k固有値は底空間上の連続関数に拡張することが知られている。特に、特異ファイバーが既約でない場合、通常ファイバーが特異ファイバーに近づくとき、通常フィバーのラプラシアンの固有値のいくつかは0に収束する。このような固有値を小さい固有値と呼ぶ。この講演では、特異ファイバーが被約な場合に、ラプラシアンの小さい固有値すべての積の漸近挙動について説明する。
[ 参考URL ]
https://u-tokyo-ac-jp.zoom.us/meeting/register/tZEqceqsrTIjEtRxenSMdPogvCxlWzAogj5A

2023年07月03日(月)

10:30-12:00   数理科学研究科棟(駒場) 128号室
山ノ井 克俊 氏 (大阪大学)
準射影多様体の擬双曲性と基本群の非可換性について
[ 講演概要 ]
この講演ではB. Cadorel, Y. Deng両氏との共同研究で、最近得られた結果についてお話しします。論文についてはarXiv:2212.12225をご覧ください。
準射影多様体Xの基本群が、半単純代数群の中へザリスキー稠密かつbigな表現をもつとき、Xは幾つかの擬双曲性を持つことをお話しします。また、時間が許せば、準射影多様体Xがspecialであるとき、Xの基本群の線形表現の像は(指数有限で)ベキ零であることをお話しします。
[ 参考URL ]
https://u-tokyo-ac-jp.zoom.us/meeting/register/tZEqceqsrTIjEtRxenSMdPogvCxlWzAogj5A

2023年06月26日(月)

10:30-12:00   数理科学研究科棟(駒場) 128号室
岩井雅崇 氏 (大阪大学)
Miyaoka type inequality for terminal weak Fano varieties
[ 講演概要 ]
In this talk, we show that $c_2(X)c_1(X)^{n-2}$ is positive for any $n$-dimensional terminal weak Fano varieties $X$. As a corollary, we obtain some inequalities (Miyaoka type inequalities) with respect to $c_2(X)c_1(X)^{n-2}$ and $c_1(X)^{n}$. This is joint work with Chen Jiang and Haidong Liu (arXiv:2303.00268).
[ 参考URL ]
https://u-tokyo-ac-jp.zoom.us/meeting/register/tZEqceqsrTIjEtRxenSMdPogvCxlWzAogj5A

2023年06月19日(月)

10:30-12:00   数理科学研究科棟(駒場) 128号室
本多 宣博 氏 (東京工業大学)
3次元不定値Zoll多様体の新しい構成方法
[ 講演概要 ]
ペンローズ対応は多様体上の特殊な幾何構造と複素多様体の間の対応関係を与えるものであるが、その一つとして、3次元多様体上のEinstein-Weyl構造と複素曲面の間の対応がある。後者の複素曲面をミニツイスター空間という。本講演では、任意種数の超楕円曲線から自然な方法でコンパクトミニツイスター空間が構成できることと、それから得られる3次元実Einstein-Weyl多様体がZoll性とよばれる顕著な幾何的性質をもつことを示す。Zoll性とはすべての測地線が閉じているというものであり、その代表的な例は球面である。今回得られた3次元Einstein-Weyl多様体は不定値であり、考える測地線は空間的なものである。これらのEinstein-Weyl多様体は arXiv:2208.13567 で与えられたものの一般化とみなすことができる。
[ 参考URL ]
https://u-tokyo-ac-jp.zoom.us/meeting/register/tZEqceqsrTIjEtRxenSMdPogvCxlWzAogj5A

2023年05月29日(月)

10:30-12:00   数理科学研究科棟(駒場) 128号室
ハイブリッド形式
上原 崇人 氏 (岡山大学)
On dynamical degrees of birational maps
[ 講演概要 ]
A birational map on a projective surface defines its dynamical degree, which measures the complexity of dynamical behavior of the map. The set of dynamical degrees, called the dynamical spectrum, has properties similar to that of volumes of hyperbolic 3-manifolds, shown by Thurston. In this talk, we will explain the properties of the dynamical spectrum.
[ 参考URL ]
https://u-tokyo-ac-jp.zoom.us/meeting/register/tZEqceqsrTIjEtRxenSMdPogvCxlWzAogj5A

2023年05月22日(月)

10:30-12:00   数理科学研究科棟(駒場) 128号室
ハイブリッド形式
足立真訓 氏 (静岡大学)
A residue formula for meromorphic connections and applications to stable sets of foliations
[ 講演概要 ]
We discuss a proof for Brunella’s conjecture: a codimension one holomorphic foliation on a compact complex manifold of dimension > 2 has no exceptional minimal set if its normal bundle is ample. The main idea is the localization of the first Chern class of the normal bundle of the foliation via a holomorphic connection. Although this localization was done via that of the first Atiyah class in our previous proof, we shall explain that this can be shown more directly by a residue formula. If time permits, we also discuss a nonexistence result of Levi flat hypersurfaces with transversely affine Levi foliation. This talk is based on joint works
with S. Biard and J. Brinkschulte.
[ 参考URL ]
https://u-tokyo-ac-jp.zoom.us/meeting/register/tZEqceqsrTIjEtRxenSMdPogvCxlWzAogj5A

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