数値解析セミナー

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開催情報 火曜日 16:30~18:00 数理科学研究科棟(駒場) 002号室
担当者 齊藤宣一、柏原崇人
セミナーURL https://sites.google.com/g.ecc.u-tokyo.ac.jp/utnas-bulletin-board/

過去の記録

2014年06月09日(月)

16:30-18:00   数理科学研究科棟(駒場) 056号室
及川一誠 氏 (早稲田大学理工学術院)
弱安定化ハイブリッド型不連続Galerkin法について (JAPANESE)
[ 講演概要 ]
ハイブリッド型不連続Galerkin(HDG)法とは、要素内部の未知量に加え、要素間境界上の未知量を導入して定式化を行うという、新しいタイプの不連続Galerkin法である。本講演では、従来のHDG法の安定化項を弱めることによって得られる新手法(弱安定化HDG法)を紹介する。 弱安定化HDG法の理論誤差解析や、ガウス型数値積分公式による実装法、数値計算結果などについて示す。非適合有限要素法との関連性についても述べる。
[ 参考URL ]
http://www.infsup.jp/utnas/

2014年05月12日(月)

16:30-18:00   数理科学研究科棟(駒場) 002号室
Chien-Hong Cho 氏 (National Chung Cheng University)
On the finite difference approximation for blow-up solutions of the nonlinear wave equation (JAPANESE)
[ 講演概要 ]
We consider in this paper the 1-dim nonlinear wave equation $u_{tt}=u_{xx}+u^{1+\\alpha}$ $(\\alpha > 0)$ and its finite difference analogue. It is known that the solutions of the current equation becomes unbounded in finite time, a phenomenon which is often called blow-up. Numerical approaches on such kind of problems are widely investigated in the last decade. However, those results are mainly about parabolic blow-up problems. Compared with the parabolic ones, there is a remarkable property for the solution of the nonlinear wave equation -- the existence of the blow-up curve. That is, even though the solution has become unbounded at certain points, the solution continues to exist at other points and blows up at later times. We are concerned in this paper as to how a finite difference scheme can reproduce such a phenomenon.
[ 参考URL ]
http://www.infsup.jp/utnas/

2014年04月21日(月)

16:30-18:00   数理科学研究科棟(駒場) 056号室
中澤嵩 氏 (東北大学大学院理学研究科)
人工血管の最適設計を目的としたNavier-Stokes方程式の周期解に対する形状最化問題 (JAPANESE)
[ 講演概要 ]
Stokes方程式やNavier-Stokes方程式の定常解に対する形状最適化問題は,これまで多く行われてきた.しかし, Navier-Stokes方程式の周期解に対しては十分に行われていない.本講演では,安定性理論を活用することで,Navier-Stokes方程式の周期解に対する形状最適化問題を人工血管の最適設計という現実の問題を通して考察する.
[ 参考URL ]
http://www.infsup.jp/utnas/

2014年02月13日(木)

16:00-17:30   数理科学研究科棟(駒場) 056号室
いつもと,開催曜日,開催時刻,教室が異なっております.ご注意ください.
Mitchell Luskin 氏 (University of Minnesota)
Numerical analysis of atomistic-to-continuum coupling methods (ENGLISH)
[ 講演概要 ]
The building blocks of micromechanics are the nucleation and movement of point, line, and surface defects and their long-range elastic interactions. Computational micromechanics has begun to extend the predictive scope of theoretical micromechanics, but mathematical theory able to assess the accuracy and efficiency of multiscale methods is needed for computational micromechanics to reach its full potential.

Many materials problems require the accuracy of atomistic modeling in small regions, such as the neighborhood of a crack tip. However, these localized defects typically interact through long range elastic fields with a much larger region that cannot be computed atomistically. Materials scientists have proposed many methods to compute solutions to these multiscale problems by coupling atomistic models near a localized defect with continuum models where the deformation is nearly uniform on the atomistic scale. During the past several years, a mathematical structure has been given to the description and formulation of atomistic-to-continuum coupling methods, and corresponding numerical analysis and benchmark computational experiments have clarified the relation between the various methods and their sources of error. Our numerical analysis has enabled the development of more accurate and efficient coupling methods.
[ 参考URL ]
http://www.infsup.jp/utnas/

2014年01月28日(火)

16:30-18:00   数理科学研究科棟(駒場) 118号室
教室がいつもと異なっていますので、ご注意ください
村川秀樹 氏 (九州大学大学院数理学研究院)
細胞接着の数理モデルについて (JAPANESE)
[ 講演概要 ]
多細胞生物のからだを構成する細胞は独立に存在するのではなく、細胞同士が接着したり、細胞外基質に接着して存在している。細胞同士の接着は細胞接着または細胞間接着と呼ばれる。Armstrong、Painter、Sherratt (2006)は細胞集団の挙動を理解するために、細胞接着を考慮した数理モデルを提案した。そのモデルは多くの研究者の興味を引き、精力的に研究が進められているが、数値実験の結果からはそのモデルが現象を記述しているとは言い難い。その数理モデルの問題点を精査し、現象を記述する新たな数理モデルを提案する。
[ 参考URL ]
http://www.infsup.jp/utnas/

2013年11月12日(火)

16:30-18:00   数理科学研究科棟(駒場) 002号室
http://www.infsup.jp/utnas/
柏原崇人 氏 (東京大学大学院数理科学研究科)
``method of numerical integration''による摩擦型境界条件問題の数値解析について (JAPANESE)
[ 講演概要 ]
摩擦型境界条件を課したStokes方程式(もしくはPoisson方程式・線形弾性体方程式)の数値解析を紹介する.摩擦型境界条件問題は,非線形項が境界上のL1ノルムで表される楕円型変分不等式として定式化される.本研究では,この非線形項を適切な数値積分公式で近似した有限要素スキームを提案する.そのような数値積分近似の導入により,(i)変分不等式が方程式に書き換えられること,(ii)相補性条件,というPDEのレベルで成り立つ2つの性質が離散化後も保たれることを示す.さらに,離散版の相補性条件にもとづいた実装法(Active/Inactive集合法)を提案し,その有効性を数値実験で確かめる.時間があればSignorini境界条件・多角形以外の領域・時間非定常問題への応用についても紹介したい.
[ 参考URL ]
http://www.infsup.jp/utnas/

2013年10月29日(火)

16:30-18:00   数理科学研究科棟(駒場) 002号室
名古屋靖一郎 氏 (アーク情報システム)
数式処理ソフトを用いた多次元コンパクト差分公式の導出 (JAPANESE)
[ 講演概要 ]
多次元のテーラー展開から多次元のステンシルを用いたコンパクト型の差分公式を導出する.コンパクト差分公式は,陰的な自由度を持たせることによって,少ないステンシルで高い精度を達成する.その導出および検証の際,数式処理ソフトを用いた.数式処理ソフトを
利用したものづくりを話題にする.多次元のテーラー展開は,高精度な補間公式として見ることができる.この補間公式を用い,移流方程式に特性曲線法を適用した差分スキームを提案する.この特性曲線差分スキームに,回転コーン問題の数値実験を適用して,時間空間4次精度であることを検証する.
[ 参考URL ]
http://www.infsup.jp/utnas/

2013年07月23日(火)

16:30-18:00   数理科学研究科棟(駒場) 002号室
笹本明 氏 ((独)産業技術総合研究所)
亀裂を有する2次元Laplace方程式の境界積分法による解法例 (JAPANESE)
[ 講演概要 ]
伝導体の表面/内部の亀裂に関する特徴を非破壊で推定したい。その検査法として表面の2点から電流を伝導体に流し、計測可能な表面電位の情報から推定することを考える。空間を2次元とし、表面/内部の垂直な亀裂であれば、下半平面における電位のLaplace方程式で電流の流入出の2点のNeumann境界条件、亀裂上では電流が流れないとしてNeumann=0と定式化されるが、この解は(境界要素法で間接法と呼ばれるアプローチによって)陽的な表現を得ることができる。講演では解の導出過程と、そこで必要な古典的なポテンシャル理論・特異積分方程式論などを説明し、解の数値計算結果を示すとともに、この解の表現が深さ/長さ推定に有用であることを述べる。さらにこれらの理論を亀裂の両側境界値の差が関数で定義されるLaplace問題の解の存在証明に用いた最近の報告の概要に触れる。
[ 参考URL ]
http://www.infsup.jp/utnas/

2013年07月16日(火)

16:30-18:00   数理科学研究科棟(駒場) 002号室
Karel Svadlenka 氏 (金沢大学理工研究域)
界面ネットワークの運動の数値計算について (JAPANESE)
[ 講演概要 ]
複数の界面から成りジャンクションを含むネットワークが表面エネルギーの勾配流に従って運動する現象を、数値計算により再現する方法について紹介する。それぞれの界面の表面張力により決まるジャンクションの角度の正しい表現、そして界面で囲まれるそれぞれの領域の体積が時間とともに変化しないという非局所的な制約条件の正しい組み込み方に着目する。主なツールとして半線形な熱方程式の解の等高面を追跡するアルゴリズムを用いて、アルゴリズムの形式的な数学解析と計算結果の数値解析を行う。
[ 参考URL ]
http://www.infsup.jp/utnas/

2013年07月02日(火)

16:30-18:00   数理科学研究科棟(駒場) 002号室
宮下大 氏 (住友重機械工業(株))
反応性プラズマ蒸着装置中のプラズマ数値シミュレーション (JAPANESE)
[ 講演概要 ]
反応性プラズマ蒸着法はイオンプレーティング法の一種であり,低基板温度(~200℃)条件下で高透過率・低抵抗率の透明導電膜を成膜できる.計測が困難である装置中のプラズマを調査するために,我々は電子を流体モデル,イオン・中性粒子を粒子モデルでとり扱うハイブリッド法を研究している.電子の支配方程式である定常異方性(移流)拡散方程式は,標準的な有限体積法・有限要素法を用いて離散化を行った場合,導出される行列の対角成分に対して非対角成分の絶対和が大きくなり,得られる解も離散最大値原理を満たさなくなることが知られている.現在,離散最大値原理・擬似流束の保存等いくつかの法則を満たすように行列を変換し近似解を構成する手法を提案している.本講演では,シミュレーション結果の定性的な検討および実験結果と比較により提案手法の有効性を示す.
[ 参考URL ]
http://www.infsup.jp/utnas/

2013年06月25日(火)

16:30-18:00   数理科学研究科棟(駒場) 002号室
皆本晃弥 氏 (佐賀大学大学院工学系研究科)
ウェーブレット変換と区間演算に基づく電子透かし法 (JAPANESE)
[ 講演概要 ]
電子透かし法とは,紙幣の透かしのようにデジタルコンテンツへ第三者に分からない情報(透かし)を埋め込み,それを基に著作権を保護するための技術である.電子透かし法の多くは,何らかの方法で原信号の冗長部分を探し,そこへ透かしを埋め込んでいる.これに対し、我々はこの冗長部分を探すのではなく、ウェーブレット変換と区間演算を用いて冗長部を作り出す、という立場で電子透かし法を開発した。
この方法は、精度保証付き数値計算の分野で主に使われてきた区間演算が、電子透かしに利用された初めての例でもある。本講演では,今まで開発してきたデジタル画像の電子透かし法とこれを音声信号へ適用する方法、さらには改ざん検知への応用について述べ,実験結果により提案方法の有効性を示す.
[ 参考URL ]
http://www.infsup.jp/utnas/

2013年06月04日(火)

16:30-18:00   数理科学研究科棟(駒場) 002号室
谷口隆晴 氏 (神戸大学大学院システム情報学研究科)
離散微分形式とそれに基づく構造保存型数値解法について (JAPANESE)
[ 講演概要 ]
近年,様々な分野で微分形式の離散化法に関する研究が発展してきている.本講演では,そのうち,Bochev-Hyman による離散微分形式と,Arnold–Falk–Winther による有限要素外積解析の2つの理論について紹介する.また,これらの方法の構造保存型数値解法への応用と,その問題点についても議論する.
[ 参考URL ]
http://www.infsup.jp/utnas/

2013年05月07日(火)

16:30-18:00   数理科学研究科棟(駒場) 123号室
土屋卓也 氏 (愛媛大学大学院理工学研究科)
有限要素解析の諸問題について (JAPANESE)
[ 講演概要 ]
1968年のZlamalの論文以来、有限要素法の数学的基礎理論は急速に発展し、40年後の今日では、少なくとも基礎的な部分は、完全に理解されていると思っている(若い)研究者が多いと思われる。しかし、最近発見された「外接半径条件」(circumradius condition)は、この認識に修正が必要なことを強く示唆している。

この講演では、まず外接半径条件とそれに関する数値実験の結果を示し、「外接半径条件によりわかったこと」、「外接半径条件でも説明がつかないこと」を説明する。さらに、外接半径条件の発見から派生した諸問題、あるいは有限要素解析の数学的基礎理論において、現在においても未解決な問題について解説し、特に若い研究者の注意を喚起したい。
[ 参考URL ]
http://www.infsup.jp/utnas/

2013年04月23日(火)

16:30-18:00   数理科学研究科棟(駒場) 002号室
野津裕史 氏 (早稲田大学高等研究所)
流れ問題のための圧力安定化特性曲線有限要素スキーム (JAPANESE)
[ 講演概要 ]
特性曲線法は流体粒子の軌跡に沿った離散化手法であり,上流化のアイデアが自然に入るため流れ問題に強靭である.さらに,大規模連立一次方程式の係数行列が対称という固有の長所をもつ.特性曲線法と有限要素法を組み合わせた特性曲線有限要素法は,それぞれの特徴を併せ持っており流れ問題の有力な数値解法である.我々は3次元問題をより簡便に行うことを念頭に圧力安定化特性曲線有限要素スキームを開発した.その理論解析および 2,3 次元数値計算の結果を示す.本講演では理論面に重点をおく予定である.特に,安定性評価における定数の拡散係数(Reynolds 数)依存性に注目して話したい.
[ 参考URL ]
http://www.infsup.jp

2013年03月15日(金)

10:00-12:15   数理科学研究科棟(駒場) 056号室
本セミナーは、グローバルCOE事業「数学新展開の研究教育拠点」(東京大学)の援助を受け、GCOEセミナーして行われています。
https://www.ms.u-tokyo.ac.jp/gcoe/index.html

Irene Vignon-Clementel 氏 (INRIA Paris Rocquencourt )
Complex flow at the boundaries of branched models: numerical aspects (ENGLISH)
[ 参考URL ]
http://www.infsup.jp/utnas/

2013年01月15日(火)

16:30-18:00   数理科学研究科棟(駒場) 002号室
本セミナーは、グローバルCOE事業「数学新展開の研究教育拠点」(東京大学)の援助を受け、GCOEセミナーして行われています。
https://www.ms.u-tokyo.ac.jp/gcoe/index.html

松江要 氏 (東北大学大学院理学研究科)
Saddle-saddle connectionの精度保証付き数値検証について (JAPANESE)
[ 講演概要 ]
不動点間の, あるいは一般の力学系の不変集合の間のコネクティングオービットは一般にその構造不安定性より大域的な分岐現象を引き起こすため, 力学系の構造解析のために非常に重要な位置を占める.

本講演では力学系のコネクティングオービット、特に不安定不動点間のコネクティングオービット(saddle-saddle connection)のシンプルな数値検証法を紹介する. 必要な道具は微分方程式の精度保証付き積分(例えばLohner法)とリャプノフ函数の構成のみである。リャプノフ函数はその定義域における力学系の振る舞いを非常にシンプルに記述し、精度保証計算と組み合わせる事で様々な応用が期待される。時間が許せば現在考察中であるリャプノフ函数の特性を生かしたコネクティングオービットの代数トポロジー的応用への私見も論じてみたい。

なお、この研究は電気通信大学の山本野人教授との共同研究である。
[ 参考URL ]
http://www.infsup.jp/utnas/

2012年12月04日(火)

16:30-18:00   数理科学研究科棟(駒場) 002号室
本セミナーは、グローバルCOE事業「数学新展開の研究教育拠点」(東京大学)の援助を受け、GCOEセミナーして行われています。
https://www.ms.u-tokyo.ac.jp/gcoe/index.html

金山寛 氏 (九州大学大学院工学研究院)
Tsunami simulation of Hakata Bay using the viscous shallow-water equations (JAPANESE)
[ 講演概要 ]
The tsunami caused by the great East Japan earthquake gave serious damage in the coastal areas of the Tohoku district. Numerical simulation is used for damage prediction as disaster measures to these tsunami hazards. Generally in the numerical simulation about the tsunami propagation to the coast from an open sea, shallow-water equations are used. This research focuses on viscous shallow-water equations and attempts to generate a computational method using finite element techniques based on the previous investigations of Kanayama and Ohtsuka (1978). First, the viscous shallow-water equation system is derived from the Navier-Stokes equations, based on the assumption of hydrostatic pressure in the direction of gravity. Next the numerical scheme is shown. Then, tsunami simulations of Hakata Bay and Tohoku-Oki are shown using the approach. Finally, a stability condition in L2 sense for the numerical scheme of a linearized viscous shallow-water problem is introduced from Kanayama and Ushijima (1988-1989) and its actual effectiveness is discussed from the view point of practical computation. This presentation will be done in Japanese.
[ 参考URL ]
http://www.infsup.jp/utnas/

2012年10月30日(火)

16:30-18:00   数理科学研究科棟(駒場) 002号室
本セミナーは、グローバルCOE事業「数学新展開の研究教育拠点」(東京大学)の援助を受け、GCOEセミナーして行われています。
https://www.ms.u-tokyo.ac.jp/gcoe/index.html

川中子正 氏 (東京工業大学大学院理工学研究科)
半線形偏微分方程式に対するガレルキン法の誤差解析 (JAPANESE)
[ 講演概要 ]
半線形偏微分方程式への応用を目的として、ヒルベルト空間上の抽象的非線形方程式に対するガレルキン近似解の存在および誤差解析に関する結果を紹介する。誤差解析に関する主な結果は次のようである:
真の解とガレルキン近似解との誤差は、ガレルキン近似解の残差と同位の無限小である。
真の解のガレルキン近似部分空間への直交射影とガレルキン近似解との誤差は、 真の解とガレルキン近似解との誤差より高位の無限小であり、また、前者の有用な減衰評価式を紹介する。
上述の結果は、半線形偏微分方程式の解の数値的検証アルゴリズムの品質を調べることに応用できる。
[ 参考URL ]
http://www.infsup.jp/utnas/

2012年10月09日(火)

16:30-18:00   数理科学研究科棟(駒場) 002号室
本セミナーは、グローバルCOE事業「数学新展開の研究教育拠点」(東京大学)の援助を受け、GCOEセミナーして行われています。
https://www.ms.u-tokyo.ac.jp/gcoe/index.html

木村拓馬 氏 (早稲田大学理工学術院)
放物型初期値境界値問題に対する精度保証付き数値計算 (JAPANESE)
[ 講演概要 ]
本講演では,中尾充宏校長(佐世保工業高等専門学校),木下武彦研究員(京都大学RIMS)と講演者による,放物型初期値境界値問題に関する共同研究の成果を発表する.特に,熱方程式に対する時間方向に補間を用いた近似の誤差評価, その応用による線形放物型問題に解を与える作用素のノルム評価, 及びこれらの応用による非線形問題の解の存在に対する計算機援用証明について述べる.
[ 参考URL ]
http://www.infsup.jp/utnas/

2012年06月19日(火)

16:30-18:00   数理科学研究科棟(駒場) 002号室
本セミナーは、グローバルCOE事業「数学新展開の研究教育拠点」(東京大学)の援助を受け、GCOEセミナーして行われています。
https://www.ms.u-tokyo.ac.jp/gcoe/index.html

緒方秀教 氏 (電気通信大学大学院情報理工学研究科)
代用電荷法とその発展
(JAPANESE)
[ 講演概要 ]
代用電荷法は偏微分方程式の数値解法のひとつである。元来は電気力学の問題の解法であり、電位ポテンシャルを複数の点電荷ポテンシャルの重ね合わせで近似するという素朴な方法である。計算は簡単であるが、ある条件のもとでは高精度を達成する(指数関数的収束する)ことが知られており、流体力学、波動問題、弾性問題など数多くの分野で応用されている。今回の講演では、代用電荷法に関する基礎事項を俯瞰して、講演者の代用電荷法に関する研究結果を紹介する。具体的には、周期的場の問題に対する代用電荷法、波動問題(ヘルムホルツ方程式境界値問題)に対する代用電荷法の理論誤差評価、双極子を用いた代用電荷法などを予定している。
[ 参考URL ]
http://www.infsup.jp/utnas/

2012年05月22日(火)

16:30-18:00   数理科学研究科棟(駒場) 002号室
本セミナーは、グローバルCOE事業「数学新展開の研究教育拠点」(東京大学)の援助を受け、GCOEセミナーして行われています。
https://www.ms.u-tokyo.ac.jp/gcoe/index.html

小山大介 氏 (電気通信大学大学院情報理工学研究科)
多重散乱問題に対するDtN有限要素法とSchwarz法 (JAPANESE)
[ 講演概要 ]
物体(散乱体)による音波の散乱現象を記述する外部Helmholtz問題に対する数値解法について考える.特に,散乱体が複数ある場合について考える.

Grote [J. Comput. Phys. 201, 630--650 (2004)]は,各散乱体を囲む複数の人工境界を導入し, その上で多重DtN(Dirichlet-to-Neumann)写像を定式化し,その写像を用いた境界条件を人工境界上で課し, 元の問題を人工境界で囲まれた複数の互いに素な有界領域における問題に帰着させ,有限要素法で解くという方法を見出した.

本講演では,この方法の事前誤差評価を与える.問題は正定値性を持たないので,誤差評価の導出にはSchatzの方法を用いる.その際,共役問題の解の正則性が必要になるが,問題は非対称なので,その正則性に関する考察もあらたに必要になる.また,この方法で用いられる領域分割に基づく並列Schwarz法を紹介し,その収束性などについても述べる.
[ 参考URL ]
http://www.infsup.jp/utnas/

2012年05月08日(火)

16:30-18:00   数理科学研究科棟(駒場) 002号室
本セミナーは、グローバルCOE事業「数学新展開の研究教育拠点」(東京大学)の援助を受け、GCOEセミナーして行われています。
https://www.ms.u-tokyo.ac.jp/gcoe/index.html

服部元史 氏 (神奈川工科大学情報メディア学科)
非圧縮性 Navier-Stokes方程式を 粒子法の時間発展スキームで数値解析した時に圧力の計算結果が振動する理由 (JAPANESE)
[ 講演概要 ]
飛び散る飛沫(しぶき)や砕ける波など複雑に変形する液体の運動をシミュレーションするべく、Lagrange 物質座標で表わされた Navier-Stokes 方程式を (その自由境界を捕捉する事なく) 数値解析する手法が、Moving Particle Semi-implicit (MPS) 法や Smoothed Particle Hydrodynamics (SPH) 法など粒子法という枠組みで研究されている。Navier-Stokes方程式の解を一意に定めるべく 非圧縮性を連立させて数値解析シミュレーションするにあたり、MPS法で空間離散化しようと SPH法で空間離散化しようと、時間発展スキームとしては、

「 Step 1 : 流体粒子の仮の位置を計算する陽解法 Step 」と

「 Step 2 : 陽解法で計算された粒子配置に基づいて Poisson 方程式から圧力分布を計算し粒子の位置を更新する半陰解法 Step 」

と、2つの Step を交互に繰り返すアルゴリズムが広く採用されている。ところが、この時間発展スキームで計算される圧力は時間的にも空間的にも振動してしまうという欠点が、幾つかの研究で報告されている。 この圧力振動問題の理由を、上記の時間発展スキームを 数学的に定式化し直すプロセスを通じて明らかにしながら、粒子法の今後の改善に関して考察を行う。なお本講演は、神奈川工科大学における服部元史(情報メディア学科)、藤井みゆき(情報教育研究センター)、田辺誠(機械工学科)の共同研究の成果である。
[ 参考URL ]
http://www.infsup.jp/utnas/

2012年04月24日(火)

16:30-18:00   数理科学研究科棟(駒場) 002号室
本セミナーは、グローバルCOE事業「数学新展開の研究教育拠点」(東京大学)の援助を受け、GCOEセミナーして行われています。
https://www.ms.u-tokyo.ac.jp/gcoe/index.html

石川英明 氏 (半導体先端テクノロジーズ)
量子力学と数値解析 (JAPANESE)
[ 講演概要 ]
量子力学は、粒子が粒子性と波動性の両方を持つ現象を扱う力学である。運動す
る粒子はde Broglie波長$\\lambda=h/p$($h$はPlanck定数、$p$は運動量)
を持ち、その運動は確率 振幅に対するSchr{\\" o}dinger方程式に従う。
粒子の波動性は、粒子のde Broglie波長と同程度のサイズを持つ系
で顕著に表れる。そうした系の例は、原子や分子内の電子、半導体
超格子内の電子や正孔、等である。量子力学は物質の構造と性質を
ミクロな階 層で理解し、利用するための基礎を与える。
Schr{\\" o}dinger方程式の解法には、特殊関数を使って解析的に解く方
法や近似法がある。これらは量子力学の理解や定性的な議論に有用
である。しかしながら、解析解が得られる例は限られており、近似
法の適用範囲は意外と狭い。このため、数値解析が不可欠である。
ところで、世の中で扱われている現実の物質系に量子力学を適用し
て知見を得るためには、高い数値計算精度が必要である。高精度が
得られなかった既存の数値解析の手法を見直すことで、我々は、高
精度かつ単純、高速な新しい計算手法を発展させてきた。本講演で
は、これらの発展を述べる。始めに、量子力学の概要、量子力学と
数値計算との関係、数値計算への要請と課題を述べる。次に、高精
度な補間、数値微分、数値積分の計算手法を述べる。更に、一次元
の固有値問題と中心力場の動径固有値問題では、ポテンシャルを与
えてSchr{\\" o}dinger方程式の固有値と固有関数を計算するための高精
度数値解法とその応用例を述べる。原子構造計算では、多体系の
Schr{\\" o}dinger方程式に平均場近似 (Hartree近似等)を導入して得
られる2階連立非線形常微分方程式を解くために、ポテンシャル計
算とセルフ・コンシステント計算を高精度に行う方法とそれらの結
果について述べる。
[ 参考URL ]
http://www.infsup.jp/utnas/

2012年01月24日(火)

16:30-18:00   数理科学研究科棟(駒場) 002号室
本セミナーは、グローバルCOE事業「数学新展開の研究教育拠点」(東京大学)の援助を受け、GCOEセミナーして行われています。
https://www.ms.u-tokyo.ac.jp/gcoe/index.html

高石武史 氏 (広島国際学院大学情報学部)
フェーズフィールドモデルによるき裂進展シミュレーションとその応用について (JAPANESE)
[ 講演概要 ]
九州大木村と講演者は,Francfort-Marigoの提唱したき裂を含む物質のエネルギーに関する表式を基に,システムのエネルギーの時間緩和からき裂の時間発展を表現する反応拡散型の方程式を導出した.このモデルではき裂進展に伴う数値計算の難点を解消しているため,大きな計算負荷無く,より複雑なき裂の進展を調べることができる.また,エネルギー勾配流によるシンプルなモデル導出を用いているため,様々な効果を含む拡張が容易となっている.本講演では,モデルの導出の概要とシミュレーション結果について述べるとともに,その応用について展望する.
[ 参考URL ]
http://www.infsup.jp/utnas/

2012年01月17日(火)

17:00-18:00   数理科学研究科棟(駒場) 123号室
本セミナーは、グローバルCOE事業「数学新展開の研究教育拠点」(東京大学)の援助を受け、GCOEセミナーして行われています。
https://www.ms.u-tokyo.ac.jp/gcoe/index.html

田上大助 氏 (九州大学マス・フォア・インダストリ研究所)
ある面積保存スキームを用いた移動境界を持つ流れ問題の数値計算 (JAPANESE)
[ 講演概要 ]
考える流体領域が時間に依存して変化するような移動境界を持つ流れ問題に対し, 様々な数値計算手法が提案されているが, 我々の知る限り, その数理的正当化などが十分に確立されたと言える状況ではない. 近年, Bene\\v{s}--Kimura--Yazaki (2009) によって, 曲率項や面積保存性の自然な取り扱いが可能な移動境界を持つ多角形領域上の流れ問題に対して, 界面追跡法に基づく時間2次精度の数値計算手法が提案されている. そこで本講演では, Bene\\v{s}--Kimura--Yazaki らの結果の発展の一つとして, 移動境界を持つ多角形領域上の Hele--Shaw 流れやStokes 流れで支配される流れ問題に対して, 界面追跡法に基づく時間2次精度の数値計算手法を提案する. さらに, 提案する手法に基づく数値計算から, 領域の面積保存性などに関する計算結果を報告する. なお, 本講演は九州大学の古田氏, 木村氏との共同研究である.
[ 参考URL ]
http://www.infsup.jp/utnas/

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