今後の予定
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2025年12月26日(金)
代数幾何学セミナー
13:30-15:00 数理科学研究科棟(駒場) 118号室
森山奈緒 氏 (京都大学)
Remarks on the minimal model theory for log surfaces in the analytic setting
森山奈緒 氏 (京都大学)
Remarks on the minimal model theory for log surfaces in the analytic setting
[ 講演概要 ]
In 2022, Fujino introduced a complex analytic framework for discussing the minimal model theory, in particular the minimal model program for projective morphisms of complex analytic spaces.
In this talk, I will discuss the minimal model theory for log surfaces in this setting. More precisely, I will show that the minimal model program, the abundance theorem, and the finite generation of log canonical rings hold for log pairs of complex surfaces that are projective over complex analytic varieties.
In 2022, Fujino introduced a complex analytic framework for discussing the minimal model theory, in particular the minimal model program for projective morphisms of complex analytic spaces.
In this talk, I will discuss the minimal model theory for log surfaces in this setting. More precisely, I will show that the minimal model program, the abundance theorem, and the finite generation of log canonical rings hold for log pairs of complex surfaces that are projective over complex analytic varieties.
談話会・数理科学講演会
15:30-16:30 数理科学研究科棟(駒場) NISSAY Lecture Hall (大講義室)号室
河上 龍郎 氏 (東京大学大学院数理科学研究科)
正標数の特異点と微分形式 (日本語)
河上 龍郎 氏 (東京大学大学院数理科学研究科)
正標数の特異点と微分形式 (日本語)
[ 講演概要 ]
代数多様体上の微分形式について,その局所的側面に焦点を当ててお話しします.まず,反射的微分形式が特異点解消などの双有理モデルへ持ち上がるかを問う「拡張問題」について,標数 0 における先行研究を振り返ります.そのうえで,Cartier作用素を用いた正標数における拡張問題への新しいアプローチをご紹介します. さらに,時間が許せば,Cartier作用素により定義される正標数の新しい特異点クラスについても触れる予定です.
代数多様体上の微分形式について,その局所的側面に焦点を当ててお話しします.まず,反射的微分形式が特異点解消などの双有理モデルへ持ち上がるかを問う「拡張問題」について,標数 0 における先行研究を振り返ります.そのうえで,Cartier作用素を用いた正標数における拡張問題への新しいアプローチをご紹介します. さらに,時間が許せば,Cartier作用素により定義される正標数の新しい特異点クラスについても触れる予定です.
2026年01月05日(月)
複素解析幾何セミナー
10:30-12:00 数理科学研究科棟(駒場) 128号室
新田 泰文 氏 (東京理科大学)
Fano許容多様体の満渕定数 (Japanese)
https://forms.gle/gTP8qNZwPyQyxjTj8
新田 泰文 氏 (東京理科大学)
Fano許容多様体の満渕定数 (Japanese)
[ 講演概要 ]
満渕ソリトンとは満渕氏が導入したFano多様体上の標準Kähler計量であり,Kähler-Einstein計量の一般化として知られるものである.Kähler-Einstein計量は満渕ソリトンでもあるが逆は一般には成り立たない. また, 満渕ソリトンを持つがKähler-Einstein計量を持たないFano多様体も存在する. 満渕ソリトンの存在に対しては満渕定数と呼ばれるFano多様体の正則不変量が知られており, 満渕ソリトンを許容するには満渕定数が1未満である必要がある.本講演ではFano許容多様体と呼ばれるFano多様体のクラスを取り上げ, その満渕定数の明示公式を紹介する. さらに, それを用いて具体的なFano許容多様体に対する満渕定数の計算及び満渕ソリトンの存在/非存在について説明したい.
本講演の内容は村山庄太郎氏(東京理科大学)との共同研究に基づく.
[ 参考URL ]満渕ソリトンとは満渕氏が導入したFano多様体上の標準Kähler計量であり,Kähler-Einstein計量の一般化として知られるものである.Kähler-Einstein計量は満渕ソリトンでもあるが逆は一般には成り立たない. また, 満渕ソリトンを持つがKähler-Einstein計量を持たないFano多様体も存在する. 満渕ソリトンの存在に対しては満渕定数と呼ばれるFano多様体の正則不変量が知られており, 満渕ソリトンを許容するには満渕定数が1未満である必要がある.本講演ではFano許容多様体と呼ばれるFano多様体のクラスを取り上げ, その満渕定数の明示公式を紹介する. さらに, それを用いて具体的なFano許容多様体に対する満渕定数の計算及び満渕ソリトンの存在/非存在について説明したい.
本講演の内容は村山庄太郎氏(東京理科大学)との共同研究に基づく.
https://forms.gle/gTP8qNZwPyQyxjTj8
2026年01月07日(水)
代数幾何学セミナー
10:30-12:00 数理科学研究科棟(駒場) 122号室
いつもと曜日・時間が異なります。
Jun-Muk Hwang 氏 (IBS Center for Complex Geometry)
Fundamental forms and infinitesimal symmetries of projective varieties
いつもと曜日・時間が異なります。
Jun-Muk Hwang 氏 (IBS Center for Complex Geometry)
Fundamental forms and infinitesimal symmetries of projective varieties
[ 講演概要 ]
We give a bound on the dimension of the linear automorphism group of a projective variety $Z \subset P^n$ in terms of its fundamental forms at a general point. Moreover, we show that the bound is achieved precisely when $Z \subset P^n$ is projectively equivalent to an Euler-symmetric variety. As a by-product, we determine the Lie algebra of infinitesimal automorphisms of an Euler-symmetric variety and also obtain a rigidity result on the specialization of an Euler-symmetric variety preserving the isomorphism type of the fundamental forms. This is a joint work with Qifeng Li.
We give a bound on the dimension of the linear automorphism group of a projective variety $Z \subset P^n$ in terms of its fundamental forms at a general point. Moreover, we show that the bound is achieved precisely when $Z \subset P^n$ is projectively equivalent to an Euler-symmetric variety. As a by-product, we determine the Lie algebra of infinitesimal automorphisms of an Euler-symmetric variety and also obtain a rigidity result on the specialization of an Euler-symmetric variety preserving the isomorphism type of the fundamental forms. This is a joint work with Qifeng Li.
2026年01月09日(金)
日仏数学拠点FJ-LMIセミナー
10:00-12:00 数理科学研究科棟(駒場) 056号室
日程:1月9日 (金) 056号室 10:00--12:00(第1講、第2講) 1月13日(火) 128号室 15:15--17:15 (第3講、第4講) 1月14日(水) 056号室 15:00--17:00 (第5講、第6講)1月15日(木) 056号室 15:00--17:00 (第7講、第8講)
Thomas Karam 氏 (上海交通大学)
情報理論から純粋数学への寄与 (英語)
https://fj-lmi.cnrs.fr/seminars/
日程:1月9日 (金) 056号室 10:00--12:00(第1講、第2講) 1月13日(火) 128号室 15:15--17:15 (第3講、第4講) 1月14日(水) 056号室 15:00--17:00 (第5講、第6講)1月15日(木) 056号室 15:00--17:00 (第7講、第8講)
Thomas Karam 氏 (上海交通大学)
情報理論から純粋数学への寄与 (英語)
[ 講演概要 ]
講義の内容:1948年にシャノンによって創始された情報理論は、当初は通信工学を動機としていたが、その後、機械学習やニューラルネットワークなどを含む人工知能の主要なアプローチにおいて重要な役割を占めるまでに発展した。講義1では、シャノンエントロピーの起源と定義、およびその定義へと自然に導く2つのアプローチについて論じる。講義2では、ランダム変数のシャノンエントロピー以外の主要な中心的情報量の定義と、それらが満たす主要な恒等式と不等式を扱う。講義3では、これらの結果を特殊化することで、群の次元、線形空間の次元、集合の大きさに関する標準的な恒等式および不等式の多くを導く。
その後、講義4・5・6・7では、基本的な情報理論が純粋数学の各分野におけるいくつかの結果に対し、初めての証明や新たな示唆に富む証明を与えた方法をそれぞれ紹介する。確率論では、中心極限定理のエントロピーによる証明と、シャノンエントロピーと熱力学的エントロピーの根底にある類似性を取り上げる。
幾何学では、特にShearerの補題(1986)および射影による集合の大きさの制御を通じ、高次元幾何学への応用を探る。純粋組合せ論では、集合族の和集合閉性をめぐる有名なFrankl(1979)の予想に対するGilmer(2022)のブレークスルーに焦点を当てる。組合せ数論では、この分野の中心的問題の一つであるMartonの予想に対するGowers, Green, Manners, Tao(2024)による解決を概説する。
2025年の京都賞の対象となった「情報幾何」は第8講で触れます。そして、シャノン氏もおそらくそうしたであろうように、ニューラル ネットワークへのその実際的な応用をいくつか紹介して締めくくります。
[ 参考URL ]講義の内容:1948年にシャノンによって創始された情報理論は、当初は通信工学を動機としていたが、その後、機械学習やニューラルネットワークなどを含む人工知能の主要なアプローチにおいて重要な役割を占めるまでに発展した。講義1では、シャノンエントロピーの起源と定義、およびその定義へと自然に導く2つのアプローチについて論じる。講義2では、ランダム変数のシャノンエントロピー以外の主要な中心的情報量の定義と、それらが満たす主要な恒等式と不等式を扱う。講義3では、これらの結果を特殊化することで、群の次元、線形空間の次元、集合の大きさに関する標準的な恒等式および不等式の多くを導く。
その後、講義4・5・6・7では、基本的な情報理論が純粋数学の各分野におけるいくつかの結果に対し、初めての証明や新たな示唆に富む証明を与えた方法をそれぞれ紹介する。確率論では、中心極限定理のエントロピーによる証明と、シャノンエントロピーと熱力学的エントロピーの根底にある類似性を取り上げる。
幾何学では、特にShearerの補題(1986)および射影による集合の大きさの制御を通じ、高次元幾何学への応用を探る。純粋組合せ論では、集合族の和集合閉性をめぐる有名なFrankl(1979)の予想に対するGilmer(2022)のブレークスルーに焦点を当てる。組合せ数論では、この分野の中心的問題の一つであるMartonの予想に対するGowers, Green, Manners, Tao(2024)による解決を概説する。
2025年の京都賞の対象となった「情報幾何」は第8講で触れます。そして、シャノン氏もおそらくそうしたであろうように、ニューラル ネットワークへのその実際的な応用をいくつか紹介して締めくくります。
https://fj-lmi.cnrs.fr/seminars/
2026年01月13日(火)
解析学火曜セミナー
16:00-17:30 数理科学研究科棟(駒場) 002号室
ザンペイソフ エルボル 氏 (東北大学)
Blow-up rate for the subcritical semilinear heat equation in non-convex domains (Japanese)
ザンペイソフ エルボル 氏 (東北大学)
Blow-up rate for the subcritical semilinear heat equation in non-convex domains (Japanese)
[ 講演概要 ]
We study the blow-up rate for solutions of the subcritical semilinear heat equation. Type I blow-up means that the rate agrees with that of the associated ODE. In the Sobolev subcritical range, type I estimates have been proved for positive solutions in convex or general domains (Giga–Kohn ’87; Quittner ’21) and for sign-changing solutions in convex domains (Giga–Matsui–Sasayama ’04). We extend these results to sign-changing solutions in possibly non-convex domains. The proof uses the Giga-Kohn energy together with a geometric inequality that controls the effect of non-convexity. As a corollary, we obtain blow-up of the scaling critical norm in the subcritical range. Based on joint work with Hideyuki Miura and Jin Takahashi (Institute of Science Tokyo).
We study the blow-up rate for solutions of the subcritical semilinear heat equation. Type I blow-up means that the rate agrees with that of the associated ODE. In the Sobolev subcritical range, type I estimates have been proved for positive solutions in convex or general domains (Giga–Kohn ’87; Quittner ’21) and for sign-changing solutions in convex domains (Giga–Matsui–Sasayama ’04). We extend these results to sign-changing solutions in possibly non-convex domains. The proof uses the Giga-Kohn energy together with a geometric inequality that controls the effect of non-convexity. As a corollary, we obtain blow-up of the scaling critical norm in the subcritical range. Based on joint work with Hideyuki Miura and Jin Takahashi (Institute of Science Tokyo).
日仏数学拠点FJ-LMIセミナー
15:15-17:15 数理科学研究科棟(駒場) 128号室
Thomas Karam 氏 (上海交通大学)
情報理論から純粋数学への寄与 (英語)
https://fj-lmi.cnrs.fr/seminars/
Thomas Karam 氏 (上海交通大学)
情報理論から純粋数学への寄与 (英語)
[ 講演概要 ]
講義の内容:1948年にシャノンによって創始された情報理論は、当初は通信工学を動機としていたが、その後、機械学習やニューラルネットワークなどを含む人工知能の主要なアプローチにおいて重要な役割を占めるまでに発展した。講義1では、シャノンエントロピーの起源と定義、およびその定義へと自然に導く2つのアプローチについて論じる。講義2では、ランダム変数のシャノンエントロピー以外の主要な中心的情報量の定義と、それらが満たす主要な恒等式と不等式を扱う。講義3では、これらの結果を特殊化することで、群の次元、線形空間の次元、集合の大きさに関する標準的な恒等式および不等式の多くを導く。
その後、講義4・5・6・7では、基本的な情報理論が純粋数学の各分野におけるいくつかの結果に対し、初めての証明や新たな示唆に富む証明を与えた方法をそれぞれ紹介する。確率論では、中心極限定理のエントロピーによる証明と、シャノンエントロピーと熱力学的エントロピーの根底にある類似性を取り上げる。
幾何学では、特にShearerの補題(1986)および射影による集合の大きさの制御を通じ、高次元幾何学への応用を探る。純粋組合せ論では、集合族の和集合閉性をめぐる有名なFrankl(1979)の予想に対するGilmer(2022)のブレークスルーに焦点を当てる。組合せ数論では、この分野の中心的問題の一つであるMartonの予想に対するGowers, Green, Manners, Tao(2024)による解決を概説する。
2025年の京都賞の対象となった「情報幾何」は第8講で触れます。そして、シャノン氏もおそらくそうしたであろうように、ニューラル ネットワークへのその実際的な応用をいくつか紹介して締めくくります。
[ 参考URL ]講義の内容:1948年にシャノンによって創始された情報理論は、当初は通信工学を動機としていたが、その後、機械学習やニューラルネットワークなどを含む人工知能の主要なアプローチにおいて重要な役割を占めるまでに発展した。講義1では、シャノンエントロピーの起源と定義、およびその定義へと自然に導く2つのアプローチについて論じる。講義2では、ランダム変数のシャノンエントロピー以外の主要な中心的情報量の定義と、それらが満たす主要な恒等式と不等式を扱う。講義3では、これらの結果を特殊化することで、群の次元、線形空間の次元、集合の大きさに関する標準的な恒等式および不等式の多くを導く。
その後、講義4・5・6・7では、基本的な情報理論が純粋数学の各分野におけるいくつかの結果に対し、初めての証明や新たな示唆に富む証明を与えた方法をそれぞれ紹介する。確率論では、中心極限定理のエントロピーによる証明と、シャノンエントロピーと熱力学的エントロピーの根底にある類似性を取り上げる。
幾何学では、特にShearerの補題(1986)および射影による集合の大きさの制御を通じ、高次元幾何学への応用を探る。純粋組合せ論では、集合族の和集合閉性をめぐる有名なFrankl(1979)の予想に対するGilmer(2022)のブレークスルーに焦点を当てる。組合せ数論では、この分野の中心的問題の一つであるMartonの予想に対するGowers, Green, Manners, Tao(2024)による解決を概説する。
2025年の京都賞の対象となった「情報幾何」は第8講で触れます。そして、シャノン氏もおそらくそうしたであろうように、ニューラル ネットワークへのその実際的な応用をいくつか紹介して締めくくります。
https://fj-lmi.cnrs.fr/seminars/
2026年01月14日(水)
代数幾何学セミナー
13:30-15:00 数理科学研究科棟(駒場) 122号室
いつもと曜日が異なります.いつもと部屋が異なります.
Radu Laza 氏 (Stony Brook University)
TBA
いつもと曜日が異なります.いつもと部屋が異なります.
Radu Laza 氏 (Stony Brook University)
TBA
[ 講演概要 ]
TBA
TBA
日仏数学拠点FJ-LMIセミナー
15:00-17:00 数理科学研究科棟(駒場) 056号室
Thomas Karam 氏 (上海交通大学)
情報理論から純粋数学への寄与 (英語)
https://fj-lmi.cnrs.fr/seminars/
Thomas Karam 氏 (上海交通大学)
情報理論から純粋数学への寄与 (英語)
[ 講演概要 ]
講義の内容:1948年にシャノンによって創始された情報理論は、当初は通信工学を動機としていたが、その後、機械学習やニューラルネットワークなどを含む人工知能の主要なアプローチにおいて重要な役割を占めるまでに発展した。講義1では、シャノンエントロピーの起源と定義、およびその定義へと自然に導く2つのアプローチについて論じる。講義2では、ランダム変数のシャノンエントロピー以外の主要な中心的情報量の定義と、それらが満たす主要な恒等式と不等式を扱う。講義3では、これらの結果を特殊化することで、群の次元、線形空間の次元、集合の大きさに関する標準的な恒等式および不等式の多くを導く。
その後、講義4・5・6・7では、基本的な情報理論が純粋数学の各分野におけるいくつかの結果に対し、初めての証明や新たな示唆に富む証明を与えた方法をそれぞれ紹介する。確率論では、中心極限定理のエントロピーによる証明と、シャノンエントロピーと熱力学的エントロピーの根底にある類似性を取り上げる。
幾何学では、特にShearerの補題(1986)および射影による集合の大きさの制御を通じ、高次元幾何学への応用を探る。純粋組合せ論では、集合族の和集合閉性をめぐる有名なFrankl(1979)の予想に対するGilmer(2022)のブレークスルーに焦点を当てる。組合せ数論では、この分野の中心的問題の一つであるMartonの予想に対するGowers, Green, Manners, Tao(2024)による解決を概説する。
2025年の京都賞の対象となった「情報幾何」は第8講で触れます。そして、シャノン氏もおそらくそうしたであろうように、ニューラル ネットワークへのその実際的な応用をいくつか紹介して締めくくります。
[ 参考URL ]講義の内容:1948年にシャノンによって創始された情報理論は、当初は通信工学を動機としていたが、その後、機械学習やニューラルネットワークなどを含む人工知能の主要なアプローチにおいて重要な役割を占めるまでに発展した。講義1では、シャノンエントロピーの起源と定義、およびその定義へと自然に導く2つのアプローチについて論じる。講義2では、ランダム変数のシャノンエントロピー以外の主要な中心的情報量の定義と、それらが満たす主要な恒等式と不等式を扱う。講義3では、これらの結果を特殊化することで、群の次元、線形空間の次元、集合の大きさに関する標準的な恒等式および不等式の多くを導く。
その後、講義4・5・6・7では、基本的な情報理論が純粋数学の各分野におけるいくつかの結果に対し、初めての証明や新たな示唆に富む証明を与えた方法をそれぞれ紹介する。確率論では、中心極限定理のエントロピーによる証明と、シャノンエントロピーと熱力学的エントロピーの根底にある類似性を取り上げる。
幾何学では、特にShearerの補題(1986)および射影による集合の大きさの制御を通じ、高次元幾何学への応用を探る。純粋組合せ論では、集合族の和集合閉性をめぐる有名なFrankl(1979)の予想に対するGilmer(2022)のブレークスルーに焦点を当てる。組合せ数論では、この分野の中心的問題の一つであるMartonの予想に対するGowers, Green, Manners, Tao(2024)による解決を概説する。
2025年の京都賞の対象となった「情報幾何」は第8講で触れます。そして、シャノン氏もおそらくそうしたであろうように、ニューラル ネットワークへのその実際的な応用をいくつか紹介して締めくくります。
https://fj-lmi.cnrs.fr/seminars/
2026年01月15日(木)
応用解析セミナー
16:00-17:30 数理科学研究科棟(駒場) 002号室
小林徹也 氏 (東京大学生産技術研)
化学反応系が内包する離散幾何解析構造について (Japanese)
小林徹也 氏 (東京大学生産技術研)
化学反応系が内包する離散幾何解析構造について (Japanese)
[ 講演概要 ]
化学反応ネットワークの理論は、1880年代の化学熱力学と化学反応速度論の成立を起点に、以後100年にわたり化学や物理のみならず生化学やシステム生物学などでも広く活用され発展してきた。 その数学面に着眼すると、化学反応ネットワークはハイパーグラフ構造上の決定論的・確率論的なダイナミクスの具体事例となっており、力学系理論のみならず、グラフ理論や離散数学とも関連して深化してきた。更に近年では実代数幾何学や幾何解析との関連が見出されるに至っている。 本発表では、我々の貢献も含めたこの分野の近年の発展、特に化学反応ネットワークの離散幾何解析構造を紹介する。ユークリッド空間や連続多様体上の分布を扱う連続幾何解析に対して、反応ネットワークはハイパーグラフ上の非負密度の性質を扱い、連続幾何解析のある種の拡張として情報幾何学や一般化勾配流の理論と密接な関連を持つ。このような数理構造を扱うことで、多様な反応システムを扱えるだけでなく、反応システムの確率最適制御などが可能になる。 本発表では、この研究の発展として我々が開始した離散・連続幾何解析の統合と応用に関するプロジェクトについても概説する。
化学反応ネットワークの理論は、1880年代の化学熱力学と化学反応速度論の成立を起点に、以後100年にわたり化学や物理のみならず生化学やシステム生物学などでも広く活用され発展してきた。 その数学面に着眼すると、化学反応ネットワークはハイパーグラフ構造上の決定論的・確率論的なダイナミクスの具体事例となっており、力学系理論のみならず、グラフ理論や離散数学とも関連して深化してきた。更に近年では実代数幾何学や幾何解析との関連が見出されるに至っている。 本発表では、我々の貢献も含めたこの分野の近年の発展、特に化学反応ネットワークの離散幾何解析構造を紹介する。ユークリッド空間や連続多様体上の分布を扱う連続幾何解析に対して、反応ネットワークはハイパーグラフ上の非負密度の性質を扱い、連続幾何解析のある種の拡張として情報幾何学や一般化勾配流の理論と密接な関連を持つ。このような数理構造を扱うことで、多様な反応システムを扱えるだけでなく、反応システムの確率最適制御などが可能になる。 本発表では、この研究の発展として我々が開始した離散・連続幾何解析の統合と応用に関するプロジェクトについても概説する。
日仏数学拠点FJ-LMIセミナー
15:00-17:00 数理科学研究科棟(駒場) 056号室
Thomas Karam 氏 (上海交通大学)
情報理論から純粋数学への寄与 (英語)
https://fj-lmi.cnrs.fr/seminars/
Thomas Karam 氏 (上海交通大学)
情報理論から純粋数学への寄与 (英語)
[ 講演概要 ]
講義の内容:1948年にシャノンによって創始された情報理論は、当初は通信工学を動機としていたが、その後、機械学習やニューラルネットワークなどを含む人工知能の主要なアプローチにおいて重要な役割を占めるまでに発展した。講義1では、シャノンエントロピーの起源と定義、およびその定義へと自然に導く2つのアプローチについて論じる。講義2では、ランダム変数のシャノンエントロピー以外の主要な中心的情報量の定義と、それらが満たす主要な恒等式と不等式を扱う。講義3では、これらの結果を特殊化することで、群の次元、線形空間の次元、集合の大きさに関する標準的な恒等式および不等式の多くを導く。
その後、講義4・5・6・7では、基本的な情報理論が純粋数学の各分野におけるいくつかの結果に対し、初めての証明や新たな示唆に富む証明を与えた方法をそれぞれ紹介する。確率論では、中心極限定理のエントロピーによる証明と、シャノンエントロピーと熱力学的エントロピーの根底にある類似性を取り上げる。
幾何学では、特にShearerの補題(1986)および射影による集合の大きさの制御を通じ、高次元幾何学への応用を探る。純粋組合せ論では、集合族の和集合閉性をめぐる有名なFrankl(1979)の予想に対するGilmer(2022)のブレークスルーに焦点を当てる。組合せ数論では、この分野の中心的問題の一つであるMartonの予想に対するGowers, Green, Manners, Tao(2024)による解決を概説する。
2025年の京都賞の対象となった「情報幾何」は第8講で触れます。そして、シャノン氏もおそらくそうしたであろうように、ニューラル ネットワークへのその実際的な応用をいくつか紹介して締めくくります。
[ 参考URL ]講義の内容:1948年にシャノンによって創始された情報理論は、当初は通信工学を動機としていたが、その後、機械学習やニューラルネットワークなどを含む人工知能の主要なアプローチにおいて重要な役割を占めるまでに発展した。講義1では、シャノンエントロピーの起源と定義、およびその定義へと自然に導く2つのアプローチについて論じる。講義2では、ランダム変数のシャノンエントロピー以外の主要な中心的情報量の定義と、それらが満たす主要な恒等式と不等式を扱う。講義3では、これらの結果を特殊化することで、群の次元、線形空間の次元、集合の大きさに関する標準的な恒等式および不等式の多くを導く。
その後、講義4・5・6・7では、基本的な情報理論が純粋数学の各分野におけるいくつかの結果に対し、初めての証明や新たな示唆に富む証明を与えた方法をそれぞれ紹介する。確率論では、中心極限定理のエントロピーによる証明と、シャノンエントロピーと熱力学的エントロピーの根底にある類似性を取り上げる。
幾何学では、特にShearerの補題(1986)および射影による集合の大きさの制御を通じ、高次元幾何学への応用を探る。純粋組合せ論では、集合族の和集合閉性をめぐる有名なFrankl(1979)の予想に対するGilmer(2022)のブレークスルーに焦点を当てる。組合せ数論では、この分野の中心的問題の一つであるMartonの予想に対するGowers, Green, Manners, Tao(2024)による解決を概説する。
2025年の京都賞の対象となった「情報幾何」は第8講で触れます。そして、シャノン氏もおそらくそうしたであろうように、ニューラル ネットワークへのその実際的な応用をいくつか紹介して締めくくります。
https://fj-lmi.cnrs.fr/seminars/
2026年01月16日(金)
代数幾何学セミナー
13:30-15:00 数理科学研究科棟(駒場) 118号室
朝永龍 氏 (東京大学)
TBA
朝永龍 氏 (東京大学)
TBA
[ 講演概要 ]
TBA
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