本日
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2026年01月13日(火)
解析学火曜セミナー
16:00-17:30 数理科学研究科棟(駒場) 002号室
ザンペイソフ エルボル 氏 (東北大学)
Blow-up rate for the subcritical semilinear heat equation in non-convex domains (Japanese)
ザンペイソフ エルボル 氏 (東北大学)
Blow-up rate for the subcritical semilinear heat equation in non-convex domains (Japanese)
[ 講演概要 ]
We study the blow-up rate for solutions of the subcritical semilinear heat equation. Type I blow-up means that the rate agrees with that of the associated ODE. In the Sobolev subcritical range, type I estimates have been proved for positive solutions in convex or general domains (Giga–Kohn ’87; Quittner ’21) and for sign-changing solutions in convex domains (Giga–Matsui–Sasayama ’04). We extend these results to sign-changing solutions in possibly non-convex domains. The proof uses the Giga-Kohn energy together with a geometric inequality that controls the effect of non-convexity. As a corollary, we obtain blow-up of the scaling critical norm in the subcritical range. Based on joint work with Hideyuki Miura and Jin Takahashi (Institute of Science Tokyo).
We study the blow-up rate for solutions of the subcritical semilinear heat equation. Type I blow-up means that the rate agrees with that of the associated ODE. In the Sobolev subcritical range, type I estimates have been proved for positive solutions in convex or general domains (Giga–Kohn ’87; Quittner ’21) and for sign-changing solutions in convex domains (Giga–Matsui–Sasayama ’04). We extend these results to sign-changing solutions in possibly non-convex domains. The proof uses the Giga-Kohn energy together with a geometric inequality that controls the effect of non-convexity. As a corollary, we obtain blow-up of the scaling critical norm in the subcritical range. Based on joint work with Hideyuki Miura and Jin Takahashi (Institute of Science Tokyo).
日仏数学拠点FJ-LMIセミナー
15:15-17:15 数理科学研究科棟(駒場) 128号室
Thomas Karam 氏 (上海交通大学)
情報理論から純粋数学への寄与 (英語)
https://fj-lmi.cnrs.fr/seminars/
Thomas Karam 氏 (上海交通大学)
情報理論から純粋数学への寄与 (英語)
[ 講演概要 ]
講義の内容:1948年にシャノンによって創始された情報理論は、当初は通信工学を動機としていたが、その後、機械学習やニューラルネットワークなどを含む人工知能の主要なアプローチにおいて重要な役割を占めるまでに発展した。講義1では、シャノンエントロピーの起源と定義、およびその定義へと自然に導く2つのアプローチについて論じる。講義2では、ランダム変数のシャノンエントロピー以外の主要な中心的情報量の定義と、それらが満たす主要な恒等式と不等式を扱う。講義3では、これらの結果を特殊化することで、群の次元、線形空間の次元、集合の大きさに関する標準的な恒等式および不等式の多くを導く。
その後、講義4・5・6・7では、基本的な情報理論が純粋数学の各分野におけるいくつかの結果に対し、初めての証明や新たな示唆に富む証明を与えた方法をそれぞれ紹介する。確率論では、中心極限定理のエントロピーによる証明と、シャノンエントロピーと熱力学的エントロピーの根底にある類似性を取り上げる。
幾何学では、特にShearerの補題(1986)および射影による集合の大きさの制御を通じ、高次元幾何学への応用を探る。純粋組合せ論では、集合族の和集合閉性をめぐる有名なFrankl(1979)の予想に対するGilmer(2022)のブレークスルーに焦点を当てる。組合せ数論では、この分野の中心的問題の一つであるMartonの予想に対するGowers, Green, Manners, Tao(2024)による解決を概説する。
2025年の京都賞の対象となった「情報幾何」は第8講で触れます。そして、シャノン氏もおそらくそうしたであろうように、ニューラル ネットワークへのその実際的な応用をいくつか紹介して締めくくります。
[ 参考URL ]講義の内容:1948年にシャノンによって創始された情報理論は、当初は通信工学を動機としていたが、その後、機械学習やニューラルネットワークなどを含む人工知能の主要なアプローチにおいて重要な役割を占めるまでに発展した。講義1では、シャノンエントロピーの起源と定義、およびその定義へと自然に導く2つのアプローチについて論じる。講義2では、ランダム変数のシャノンエントロピー以外の主要な中心的情報量の定義と、それらが満たす主要な恒等式と不等式を扱う。講義3では、これらの結果を特殊化することで、群の次元、線形空間の次元、集合の大きさに関する標準的な恒等式および不等式の多くを導く。
その後、講義4・5・6・7では、基本的な情報理論が純粋数学の各分野におけるいくつかの結果に対し、初めての証明や新たな示唆に富む証明を与えた方法をそれぞれ紹介する。確率論では、中心極限定理のエントロピーによる証明と、シャノンエントロピーと熱力学的エントロピーの根底にある類似性を取り上げる。
幾何学では、特にShearerの補題(1986)および射影による集合の大きさの制御を通じ、高次元幾何学への応用を探る。純粋組合せ論では、集合族の和集合閉性をめぐる有名なFrankl(1979)の予想に対するGilmer(2022)のブレークスルーに焦点を当てる。組合せ数論では、この分野の中心的問題の一つであるMartonの予想に対するGowers, Green, Manners, Tao(2024)による解決を概説する。
2025年の京都賞の対象となった「情報幾何」は第8講で触れます。そして、シャノン氏もおそらくそうしたであろうように、ニューラル ネットワークへのその実際的な応用をいくつか紹介して締めくくります。
https://fj-lmi.cnrs.fr/seminars/
トポロジー火曜セミナー
17:00-18:00 数理科学研究科棟(駒場) hybrid/056号室
対面参加、オンライン参加のいずれの場合もセミナーのホームページから参加登録を行って下さい。
村上 聡梧 氏 (東京大学大学院数理科学研究科)
構造安定性を持たない可微分力学系の擬軌道追跡性について (JAPANESE)
https://park.itc.u-tokyo.ac.jp/MSF/topology/TuesdaySeminar/index_e.html
対面参加、オンライン参加のいずれの場合もセミナーのホームページから参加登録を行って下さい。
村上 聡梧 氏 (東京大学大学院数理科学研究科)
構造安定性を持たない可微分力学系の擬軌道追跡性について (JAPANESE)
[ 講演概要 ]
双曲型の可微分力学系とともに研究されてきた擬軌道追跡性(shadowing property)は、誤差を含む粗い軌道が真の軌道によって近似可能であることを示す力学系の性質であり、構造安定性などとも関連の深い重要な概念の一つである。今回の講演では、擬軌道追跡性が構造安定性を持たない可微分力学系においても成り立つ条件を離散、連続の両方の設定で与える。講演の前半では、Axiom A 微分同相写像に対して擬軌道追跡性を保証する条件を紹介する。特に、強横断性条件をホモロジー的に緩めたT^{s,u}条件やPetrov-PilyuginによるC^0横断性との関係を述べ、どのようなホモロジー的条件のもとでAxiom A微分同相写像が擬軌道追跡性をもつかを説明する。講演の後半では、連続力学系のchain recurrent set上での結果を紹介する。Robinson(1977)によって双曲型集合上では擬軌道追跡性が成立することが示された一方、Lorenz attractorのような孤立していない双曲特異点を持つsingular hyperbolic set上では成り立たないことが示されている(Wen, Wen 2020)。これに関連して、Arbieto et. al.によって孤立していない双曲特異点を持つchain recurrent集合上では擬軌道追跡性は成り立たないという予想が与えられた。今回はこの予想の反例を構成する。
[ 参考URL ]双曲型の可微分力学系とともに研究されてきた擬軌道追跡性(shadowing property)は、誤差を含む粗い軌道が真の軌道によって近似可能であることを示す力学系の性質であり、構造安定性などとも関連の深い重要な概念の一つである。今回の講演では、擬軌道追跡性が構造安定性を持たない可微分力学系においても成り立つ条件を離散、連続の両方の設定で与える。講演の前半では、Axiom A 微分同相写像に対して擬軌道追跡性を保証する条件を紹介する。特に、強横断性条件をホモロジー的に緩めたT^{s,u}条件やPetrov-PilyuginによるC^0横断性との関係を述べ、どのようなホモロジー的条件のもとでAxiom A微分同相写像が擬軌道追跡性をもつかを説明する。講演の後半では、連続力学系のchain recurrent set上での結果を紹介する。Robinson(1977)によって双曲型集合上では擬軌道追跡性が成立することが示された一方、Lorenz attractorのような孤立していない双曲特異点を持つsingular hyperbolic set上では成り立たないことが示されている(Wen, Wen 2020)。これに関連して、Arbieto et. al.によって孤立していない双曲特異点を持つchain recurrent集合上では擬軌道追跡性は成り立たないという予想が与えられた。今回はこの予想の反例を構成する。
https://park.itc.u-tokyo.ac.jp/MSF/topology/TuesdaySeminar/index_e.html
講演会
16:00-17:30 数理科学研究科棟(駒場) 123号室
佐藤信夫 氏 (国立台湾大学)
反復ベータ積分とその応用 (日本語)
佐藤信夫 氏 (国立台湾大学)
反復ベータ積分とその応用 (日本語)
[ 講演概要 ]
この講演では反復ベータ積分(iterated beta integral)を導入し、その応用について説明する。反復ベータ積分は、超対数関数(hyperlogarithm)と古典的なベータ積分の共通の一般化となる新たな反復積分のクラスである。反復ベータ積分の特に重要な性質は、そのパラメータのある種の変換に対する不変性である。この性質から、射影直線の異なる分岐被覆上の積分の間の関係式が得られ、その特別な場合として多重ゼータ値に対するZagier の2-3-2公式やその村上による類似、Zhaoの多重ゼータスター値に対する2-1公式、多重ゼータ値について成立する大野関係式、中心二項係数を含む多重ゼータ値の類似物を超対数関数の特殊値で表す公式など、種々の重要な公式が得られる。また既知の公式だけでなく、あるローソン曲面族の面積の級数表示に現れる多重オメガ値を交代多重ゼータ値で表示する公式など、本質的に新しい結果も得られる。講演ではこうした結果について紹介する。
この講演では反復ベータ積分(iterated beta integral)を導入し、その応用について説明する。反復ベータ積分は、超対数関数(hyperlogarithm)と古典的なベータ積分の共通の一般化となる新たな反復積分のクラスである。反復ベータ積分の特に重要な性質は、そのパラメータのある種の変換に対する不変性である。この性質から、射影直線の異なる分岐被覆上の積分の間の関係式が得られ、その特別な場合として多重ゼータ値に対するZagier の2-3-2公式やその村上による類似、Zhaoの多重ゼータスター値に対する2-1公式、多重ゼータ値について成立する大野関係式、中心二項係数を含む多重ゼータ値の類似物を超対数関数の特殊値で表す公式など、種々の重要な公式が得られる。また既知の公式だけでなく、あるローソン曲面族の面積の級数表示に現れる多重オメガ値を交代多重ゼータ値で表示する公式など、本質的に新しい結果も得られる。講演ではこうした結果について紹介する。


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