談話会・数理科学講演会

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担当者 足助太郎,寺田至,長谷川立,宮本安人(委員長)
セミナーURL https://www.ms.u-tokyo.ac.jp/seminar/colloquium/index.html

2021年07月30日(金)

15:30-16:30   オンライン開催
参加登録を締め切りました(7月30日12:00)。
望月 拓郎 氏 (京都大学数理解析研究所)
戸田方程式と調和束 (JAPANESE)
[ 講演概要 ]
$2$次元戸田方程式は、曲面論、可積分系、$tt^{\ast}$-幾何学、非可換ホッジ理論など、さまざまな題材との関係から興味深い研究がなされてきました。本講演では、Qiongling Liさんとの共同研究に基づいて、調和束の観点から戸田方程式の解の分類について概説します。

戸田方程式はリーマン面上の$r$-微分に対して定義されます。コンパクトリーマン面上の有理型な$r$-微分の場合には、調和束の分類理論(小林-ヒッチン対応)を用いて戸田方程式の解を分類できます。一般の$r$-微分の場合にはそのような議論を適用できないのですが、劣調和関数に関する古典的な結果を調和束の理論と組み合わせることで、ある種の超越的な孤立特異点を持つような$r$-微分の場合にも戸田方程式の解を分類できます。また、より一般の$r$-微分の場合も含めて、"完備"という漸近条件を課すと、解の存在と一意性が得られます。このような結果について紹介する予定です。