数理科学概論 I(文科生)
授業の目標,概要
文科生向けに一変数関数の微分法の基本的な考え方から始めて, 二変数関数の偏微分法の基礎と応用ならびに重積分に関する基礎的な内容を扱う科目である. 社会科学に関連する題材を織り交ぜ,数学的な概念を把握することに重点をおいて講義する. 講義内容はおおむね授業計画に記載されている通りであるが,担当教員によって順序は異なることがある. この科目を履修した後に,より進んだ内容を理科生向け総合科目「微分積分学続論」で学ぶことができるが,そのためには「数学II」「数理科学概論II」もあわせて履修しておくことが望ましい.
授業計画
- 一変数関数の微分法:
一変数関数の微分法について,その基本的な考え方を学ぶ. - 二変数関数:
二変数関数について,そのグラフの形状を考察することによって関数の様子を把握する. 特に,グラフの等高線によって,二変数関数と平面上の曲線との関係を理解する. - 偏微分法:
二変数関数の偏微分係数を理解し,その基本的な計算手法を学ぶ. また,応用として二変数関数の極値問題の取り扱いを学ぶ. - 未定乗数法:
二変数関数の勾配ベクトルの幾何学的意味を理解し,条件 f(x,y) = 0 の下での関数 g(x,y) の最大値最小値を求めるラグランジュの未定乗数法を学ぶ. - 重積分:
区分求積法によって重積分とは何かを理解し,一変数関数の積分の繰り返しに帰着させて計算する手法を学ぶ.