東京確率論セミナー

過去の記録 ~07/24次回の予定今後の予定 07/25~

開催情報 月曜日 16:00~17:30 数理科学研究科棟(駒場) 126号室
担当者 佐々田槙子、中島秀太(明治大学)
セミナーURL https://sites.google.com/view/tokyo-probability-seminar23/2024年度

過去の記録

2024年07月08日(月)

16:00-17:30   数理科学研究科棟(駒場) 126号室
15:15〜 2階のコモンルームでTea timeを行います。ぜひこちらにもご参加ください。
坂川博宣 氏 (慶應義塾大学)
Maximum of the Gaussian interface model in random external fields (日本語)
[ 講演概要 ]
相分離の界面モデルの一つとして格子上のGauss型界面モデル(離散Gauss自由場)を取り上げ,そこにランダムな外場(化学ポテンシャル)を加えた(ランダムな)Gibbs測度の下での最大値について考える.特に,外場の確率変数の末尾確率の挙動に応じて最大値の挙動が変わることを示し,その主要項を特徴付ける.

2024年06月24日(月)

16:00-17:30   数理科学研究科棟(駒場) 126号室
15:15〜 2階のコモンルームでTea timeを行います。ぜひこちらにもご参加ください。
中野史彦 氏 (東北大学)
Temperley - Lieb 演算子の持ち上げとRazumov - Stroganov 予想について (日本語)
[ 講演概要 ]
Razumov - Stroganov 予想とはリンクパターン上の生成する線型空間上のあるハミルトニアンの基底状態に対応するFPLの個数が現れるという予想で、2010年に解決されたが、O(1)-loop model, 交代符号行列を介して2次元統計力学の模型や組み合わせ論との様々なつながりがあり、今も注目されている。Temperley - Lieb 演算子の持ち上げを用いたRS予想のより平易な証明について議論する。

2024年06月17日(月)

15:40-17:45   数理科学研究科棟(駒場) 126号室
講演とTeaTime の開始時間が早くなっています。15:00〜 2階のコモンルームでTea timeを行いますので、ぜひそちらにもご参加ください。
植田健人 氏 (東京大学) 15:40-16:40
非整数ブラウン運動で駆動される確率微分方程式の数値解の漸近展開 (日本語)
[ 講演概要 ]
本研究は非整数ブラウン運動(fBm)で駆動される確率微分方程式の数値解に対する極限定理(漸近誤差)に関する研究である。このfBmおよびそれによって駆動される方程式は非マルコフな時系列モデルとして用いられ、その数値解に対する極限定理は数学的興味のほか、数値シミュレーションの誤差の推定への応用が期待される。数値解の極限定理は駆動するfBmが1次元か否か、また1次元ならドリフト項が存在するか否か、さらにfBmのハースト指数、そして対象とする数値解法によって定理の主張も適用できる証明法も異なり、そのために条件ごとに様々な先行研究が存在する。このうち、本研究は1次元かつドリフト項が存在する場合に誤差分布の導出と正当化を行ったものであり、一般の数値解法に適用できる。同範囲の先行研究では高次ミルシュタイン法、クランク-ニコルソン法に対してハースト指数が1/3より大きい場合に関して漸近誤差を特定できるが、本研究では高次ミルシュタイン法の漸近誤差を任意のハースト指数に対して完全に決定するとともに、クランク-ニコルソン法に対してもハースト指数が1/4以上の場合に漸近誤差を特定している。なお、本講演では導出した誤差分布を視覚的に観察し、漸近誤差への直観的な理解を深められるよう、漸近誤差に対する数値実験の結果を詳しく説明する。
竹内裕隆 氏 (慶應義塾大学) 16:45-17:45
Homogenization results for reflecting diffusions in a continuum percolation cluster (日本語)
[ 講演概要 ]
アブストラクト: ランダム媒質の研究において均一化は重要な問題の一つである. 均一化はいくつかの定式化が知られている, 本講演ではランダム媒質上の確率過程に関する極限定理であるquenched invariance principleと, その精密化である局所中心極限定理を考える. この様な定式化について, 離散的なモデルの場合には多くの結果が知られている. 連続的なモデルに関しても, random environment 上の拡散過程に関する結果は多く知られている. 一方拡散過程が反射壁を持つ場合に関しては, 境界の影響等により問題が複雑化するためquenchedな結果は知られていなかった. 本講演では連続パーコレーションが幾何的な条件を満たす場合, その上の反射壁を持つ拡散過程に関してquenched invariance principleと局所中心極限定理が成り立つという結果を紹介する.

2024年06月10日(月)

16:00-17:30   数理科学研究科棟(駒場) 126号室
15:15〜 2階のコモンルームでTea timeを行いますので、ぜひそちらにもご参加ください。
後藤ゆきみ 氏 (学習院大学)
Phase Transition in a Lattice Nambu–Jona-Lasinio Model (日本語)
[ 講演概要 ]
量子色力学で重要な概念としてカイラル対称性の破れとそれに伴うフェルミオンの質量生成があるが、その証明は困難が多い。その理解に格子上の量子色力学は成功していると見られているものの、数学的結果はいまだ限られている。
この講演では格子上のフェルミオンの定式化のひとつであるスタッガード・フェルミオンをもちいて、それらが4つのフェルミオンと相互作用する模型(lattice Nambu–Jona-Lasinio model)を考える。この模型は離散的なカイラル対称性しかもたないものの、質量が自発的に生成することと、それに伴う対称性の破れを証明できる。また、連続的なフレーバー対称性をもつ場合は南部・ゴールドストーン・モードと呼ばれるスペクトルにギャップのない無限系の基底状態が出現することを説明する。
本講演は高麗徹氏との共同研究にもとづく。

2024年05月27日(月)

16:00-17:30   数理科学研究科棟(駒場) 126号室
15:15〜 2階のコモンルームでTea timeを行いますので、ぜひそちらにもご参加ください。
野田涼一郎 氏 (京都大学)
測度付き抵抗距離空間上の確率過程の局所時間のスケール極限について (日本語)
[ 講演概要 ]
抵抗距離空間は電気回路の一般化であり,ディリクレ形式の理論により測度付き抵抗距離空間には確率過程が定まる.Croydon-Hambly-Kumagai (2017)は収束する抵抗距離空間が一様体積倍化条件を満たすならば対応する確率過程とその局所時間が収束することを示した.その後Croydon (2018)はより弱い条件である非爆発条件の下で確率過程の収束を示したが,局所時間の収束については未解決のままであった.本講演では非爆発条件及び距離エントロピーに関する適当な条件の下で確率過程とその局所時間の収束が従うこと,そしてこの結果の応用例について解説する.また同様の結果は離散時間マルコフ連鎖とその局所時間に対しても成立し,時間が許せばこの結果についても紹介する.

2024年05月20日(月)

16:00-17:30   数理科学研究科棟(駒場) 126号室
15:15〜 2階のコモンルームでTea timeを行いますので、ぜひそちらにもご参加ください。
西野 颯馬 氏 (東京都立大学)
2曲線間に制限されたパス空間上でのWiener測度に対する高階の部分積分公式 (日本語)
[ 講演概要 ]
2曲線間に制限されたパス空間上でのWiener測度に対する1階微分の部分積分公式は既に知られている。本講演では、この結果を高階微分の部分積分公式に拡張する。高階微分の部分積分公式においては、従来の1階微分の場合にはない非自明な境界項が追加で現れ、さらに、その証明において、Brownian excursionやBrownian house-movingと呼ばれる確率過程のランダムウォーク近似による構成方法が新たに必要となる。また、証明の中で、1次および2次の無限小確率の概念を導入する。この概念を導入することで、部分積分公式の各項に現れる数式に対して確率論的な解釈が可能となり、部分積分公式を整理する上で有益な概念であることを説明する。なお、本講演内容は、東京都立大学の石谷謙介氏との共同研究(arXiv:2405.05595)に基づく。

2024年05月13日(月)

16:00-17:30   数理科学研究科棟(駒場) 126号室
15:15〜 2階のコモンルームでTea timeを行いますので、ぜひそちらにもご参加ください。
Shuwen Lou 氏 (University of Illinois)
Brownian motion with darning and its related open problem (English)
[ 講演概要 ]
In this talk, I will discuss some existing results about Brownian motion with darning, including its HKE and discrete approximate by random walks, along with an open problem: What is the relationship between (a) subordinated BM with darning, and (b) the process obtained by darning together two subordinated reflected BM. This is an ongoing collaboration with Zhen-Qing Chen.

2024年04月15日(月)

16:00-17:30   数理科学研究科棟(駒場) 126号室
15:15〜 2階のコモンルームでTea timeを行いますので、ぜひそちらにもご参加ください。
綾 朝弘 氏 (京都大学)
Quantitative stochastic homogenization of elliptic equations with unbounded coefficients (日本語)
[ 講演概要 ]
確率的均質化(Stochastic Homogenization)の分野において,解の収束を定量的に評価する研究が近年盛んに行われている.しかし従来の研究の対象は方程式のランダム係数が一様楕円性を持つ標本空間であり,非有界な係数を含む方程式での確率的均質化の定量的な結果は少ない.本講演ではsubadditive argument を非有界係数の場合に拡張することにより,非有界な係数を含む楕円型PDEの解の収束の速さを評価する.時間に余裕があれば関連する問題について紹介する.

2024年02月05日(月)

17:00-18:30   数理科学研究科棟(駒場) 126号室
16:15から2階のコモンルームでTea timeを行いますので、ぜひそちらにもご参加ください。
Sunder Sethuraman 氏 (University of Arizona)
Atypical behaviors of a tagged particle in asymmetric simple exclusion (English)
[ 講演概要 ]
Informally, the one dimensional asymmetric simple exclusion process follows a collection of continuous time random walks on Z interacting as follows: When a clock rings, the particle jumps to the nearest right or left with probabilities p or q=1-p, if that location is unoccupied. If occupied, the jump is suppressed and clocks start again.

In this system, seen as a toy model of `traffic', the motion of a distinguished or `tagged' particle is of interest. Starting from a stationary state, we study the `typical' behavior of a tagged particle, conditioned to deviate to an `atypical' position at time Nt, for a t>0 fixed. In the course of results, an `upper tail' large deviation principle, in scale N, is established for the position of the tagged particle. Also, with respect to `lower tail' events, in the totally asymmetric version, a connection is made with a `nonentropy' solution of the associated hydrodynamic Burgers equation. This is work with S.R.S. Varadhan (arXiv:2311.0780).

2023年11月27日(月)

17:00-18:30   数理科学研究科棟(駒場) 126号室
Stefan Junk 氏 (学習院大学)
Local limit theorem for directed polymer in (almost) the whole weak disorder regime (English)
[ 講演概要 ]
We consider the directed polymer model in the weak disorder (high temperature) phase in spatial dimension d>2. In the case where the (normalized) partition function is L^2-bounded it is known for that time
polymer measure satisfies a local limit theorem, i.e., that the point-to-point partition function can be approximated by two point-to-plane partition functions at the start- and endpoint. We show
that this result continues to hold true if the partition function is L^p-bounded for some p>1+2/d. We furthermore show that for environments with finite support the required L^p -boundedness holds in the whole weak disorder phase, except possibly for the critical value itself.

2023年11月20日(月)

17:00-18:30   数理科学研究科棟(駒場) 126号室
木上淳 氏 (京都大学)
Yet another construction of “Sobolev” spaces on metric spaces (日本語)
[ 講演概要 ]
距離空間上への”ソボレフ空間”の構成については、「Lipschitz連続な関数の局所Lipschitz定数を微分の代替物としてもちいる。」という発想のもと、Hajlasz, Cheeger, Shanmugalingam らによる Newtonian 空間などの理論が研究の主流となっている。ところが、最近のKajino-Muruganの研究により、Sierpinski Carpet などの多くの自己相似集合では、この方法が通用しないことがわかってきた。本講演では、Sierpinski carpet 等を含むコンパクトな自己相似集合上に””ソボレフ””空間を構成するための新しい方法について述べる。

2023年10月30日(月)

16:00-18:50   数理科学研究科棟(駒場) 126号室
いつもと開始時間が異なります。この日は3つの講演があります。
Chenlin Gu 氏 (Tsinghua University) 16:00-16:50
Quantitative homogenization of interacting particle systems (English)
[ 講演概要 ]
This talk presents that, for a class of interacting particle systems in continuous space, the finite-volume approximations of the bulk diffusion matrix converge at an algebraic rate. The models we consider are reversible with respect to the Poisson measures with constant density, and are of non-gradient type. This approach is inspired by recent progress in the quantitative homogenization of elliptic equations. Along the way, a modified Caccioppoli inequality and a multiscale Poincare inequality are developed, which are of independent interest. The talk is based on a joint work with Arianna Giunti and Jean-Christophe Mourrat.
[ 参考URL ]
https://chenlin-gu.github.io/index.html
Lorenzo Dello-Schiavio 氏 (Institute of Science and Technology Austria (ISTA)) 17:00-17:50
Wasserstein geometry and Ricci curvature bounds for Poisson spaces (English)
[ 講演概要 ]
Let Υ be the configuration space over a complete and separable metric base space, endowed with the Poisson measure π. We study the geometry of Υ from the point of view of optimal transport and Ricci-lower bounds. To do so, we define a formal Riemannian structure on P_1(Y), the space of probability measures over Υ with finite first moment, and we construct an extended distance W on P_1(Y). The distance W corresponds, in our setting, to the Benamou–Brenier variational formulation of the Wasserstein distance. Our main technical tool is a non-local continuity equation defined via the difference operator on the Poisson space. We show that the closure of the domain of the relative entropy is a complete geodesic space, when endowed with W. We establish non-local infinite-dimensional analogues of results regarding the geometry of the Wasserstein space over a metric measure space with synthetic Ricci curvature bounded below. In particular, we obtain that: (a) the Ornstein–Uhlenbeck semi-group is the gradient flow of the relative entropy; (b) the Poisson space has Ricci curvature bounded below by 1 in the entropic sense; (c) the distance W satisfies an HWI inequality.
Base on joint work arXiv:2303.00398 with Ronan Herry (Rennes 1) and Kohei Suzuki (Durham)
[ 参考URL ]
https://lzdsmath.github.io
鈴木康平 氏 (Durham University) 18:00-18:50
Curvature Bound of the Dyson Brownian Motion (English)
[ 講演概要 ]
The Dyson Brownian Motion (DBM) is an eigenvalue process of a particular Hermitian matrix-valued Brownian motion introduced by Freeman Dyson in 1962, which has been one of the central subjects in the random matrix theory. In this talk, we study the DBM from a geometric perspective. We show that the infinite particle DBM possesses a lower bound of the Ricci curvature à la Bakry-Émery. As a consequence, we obtain various quantitative estimates of the transition probability of the DBM (e.g., the local spectral gap, the local log-Sobolev, and the dimension-free Harnack inequalities) as well as the characterisation of the DBM as the gradient flow of the Boltzmann entropy in a particular Wasserstein-type space, the latter of which provides a new viewpoint of the Dyson Brownian motion.
[ 参考URL ]
https://www.durham.ac.uk/staff/kohei-suzuki/

2023年09月25日(月)

17:00-18:30   数理科学研究科棟(駒場) 126号室
Jimmy He 氏 (MIT)
Boundary current fluctuations for the half space ASEP (English)
[ 講演概要 ]
The half space asymmetric simple exclusion process (ASEP) is an interacting particle system on the half line, with particles allowed to enter/exit at the boundary. I will discuss recent work on understanding fluctuations for the number of particles in the half space ASEP started with no particles, which exhibits the Baik-Rains phase transition between GSE, GOE, and Gaussian fluctuations as the boundary rates vary. As part of the proof, we find new distributional identities relating this system to two other models, the half space Hall-Littlewood process, and the free boundary Schur process, which allows exact formulas to be computed.

2023年08月07日(月)

17:00-18:30   数理科学研究科棟(駒場) 123号室
いつもと教室が異なります.
Freddy Delbaen 氏 (Professor emeritus at ETH Zurich)
Approximation of Random Variables by Elements that are independent of a given sigma algebra (English)
[ 講演概要 ]
Given a square integrable m-dimensional random variable $X$ on a probability space $(\Omega,\mathcal{F},\mathbb{P})$ and a sub sigma algebra $\mathcal{A}$, we show that there exists another m-dimensional random variable $Y$, independent of $\mathcal{A}$ and minimising the $L^2$ distance to $X$. Such results have an importance to fairness and bias reduction in Artificial Intelligence, Machine Learning and Network Theory. The proof needs elements from transportation theory, a parametric version due to Dudley and Blackwell of the Skorohod theorem, selection theorems, … The problem also triggers other approximation problems. (joint work with C. Majumdar)

2023年07月10日(月)

17:00-18:30   数理科学研究科棟(駒場) 126号室
松井 千尋 氏 (東京大学大学院数理科学研究科)
孤立量子系の熱化と緩和 (日本語)
[ 講演概要 ]
近年,孤立量子系の熱化は統計力学分野において最も興味深い研究対象の一つであり,ミクロな観点からの熱化メカニズム解明に関する研究は目覚ましい進展を遂げている.現在,熱化のメカニズムとして最も有力なものは「固有状態熱化仮説」とよばれる仮説で,その主張は全てのエネルギー固有状態がマクロには熱平衡状態と区別できないというものである.
ほとんどの一般的な孤立量子系で反例が見つかっていない一方,多くの保存量をもつ可積分系では上記の仮説が成立しないことが知られている.
本講演では,可積分系の代表例であるXXZスピン鎖の緩和先について議論する.併せて,研究の動機の説明に必要な量子力学と統計力学の知識も簡単に説明する.

参考文献:
J. Phys. A: Math. Theor. 53 134001 (2020)

2023年06月26日(月)

17:00-18:30   数理科学研究科棟(駒場) 126号室
簗島 瞬 氏 (東京都立大学)
δ次元Bessel引越過程の構成方法,サンプルパス生成方法,および汎関数期待値の数値計算法について (日本語)
[ 講演概要 ]
本講演では,時刻1で初めて所定の値に到達するδ次元Bessel過程(以下,δ次元Bessel引越過程とよぶ)の弱収束による構成方法,サンプルパス生成方法,および汎関数期待値の数値計算法を紹介する.

近年,バリア・オプションの高次Greeks計算において,3次元Bessel引越過程が重要な役割を果たすことが示唆された.δ次元Bessel引越過程は,Williamsの分解の一部分としても現れるため,これまでもその存在は知られていた.しかしながら,この確率過程をバリア・オプションの高次Greeks計算で応用するためには,この確率過程の従来の数学的表現方法だけでは不十分であり,数値計算の観点でより使いやすい別の表現方法が必要となる.本講演ではそれらの別表現と,その別表現を利用した数値計算法を紹介する.

本講演ではまず,δ次元Bessel引越過程が,到達点を超えないよう条件付けられたδ次元Bessel橋の弱収束極限として得られることを説明する.次に,この弱収束の結果と逆関数法を組み合わせることで,3次元Bessel引越過程のサンプルパス生成が可能となることを実証する.更に,この弱収束の結果を用いることで,δ次元Bessel過程とδ次元Bessel引越過程の絶対連続性に関する結果が得られ,対応するラドン・ニコディム微分を用いることで,δ次元Bessel引越過程の汎関数期待値を高速に計算可能となることを説明し,その実証結果を紹介する.
本講演は,石谷謙介氏,林徳福氏との共同研究に基づく.

2023年06月05日(月)

17:00-18:30   数理科学研究科棟(駒場) 126号室
福山克司 氏 (神戸大学)
大きな公比を持つ等比数列の差異量の重複対数の法則について (日本語)
[ 講演概要 ]
1より大きい公比を持つ等比数列の小数部分は、ほとんどすべての初期値に対して一様分布することが知られている。その経験分布函数と一様分布の分布函数の差をsup ノルムで図ったものが差異量(discrepancy) である。ほとんどすべての初期値に対して差異量は0に収束するが、さらに重複大数の法則に従う。ここで上極限として現れる定数は公比の代数的性質を反映した量になっており、公比が有理数の冪根でない場合は定数は1/2 となり一様分布独立確率変数の差異量と同じ挙動となる。また、公比が有理数の冪根である場合はそれが何乗根であるかにかかわらず定数は有理数にのみ依存して定まる。この有理数の分子分母がともに奇数の場合には定数は容易に求まるが、偶数を含む場合は状況が複雑である。以前、定数を記述する公式を与え大きい有理数に対してこれを証明し、また小さい有理数で公式が成立しない例を複数与えた。この公式の成立の閾値に関してかなり精密な結果が得られたのでそれについて報告する。

2023年05月15日(月)

17:00-18:30   数理科学研究科棟(駒場) 126号室
岡田いず海 氏 (千葉大学)
Capacity of the range of random walk (JAPANESE)
[ 講演概要 ]
We study the capacity of the range of a simple random walk in three and higher dimensions. It is known that the order of the capacity of the random walk range in n dimensions is similar to that of the volume of the random walk range in n-2 dimensions. We show that this correspondence breaks down for the law of the iterated logarithm for the capacity of the random walk range in three dimensions. We also prove the law of the iterated logarithm in higher dimensions. This is joint work with Amir Dembo.

2023年05月08日(月)

17:00-18:30   数理科学研究科棟(駒場) 126号室
新井裕太 氏 (千葉商科大学)
On the Chapman-Kolmogorov equation for LPP (JAPANESE)
[ 講演概要 ]
KPZ普遍クラスに属するいくつかのモデルにおいて,その推移確率等が複素積分形の関数で書き表せることが知られている.しかしながら,複素積分を用いた計算は複雑となることも多く,KPZ普遍クラスに属するモデルにとって重要な確率論的性質を証明するのが困難となっていた.近年,この問題を解決するものとして対称多項式等を用いた組合せ論的手法に注目が集まってきている.本講演では,最先端の組合せ論的アプローチを用いることで,KPZ普遍クラスの基礎的なモデルであるLast Passage Percolation(LPP)において, Chapman-Kolmogorov equationが容易に得られることを紹介する.

2023年04月24日(月)

17:00-18:30   数理科学研究科棟(駒場) 126号室
Charles Bordenave 氏 (Institut de Mathématiques de Marseille)
Mobility edge, the Poisson Infinite weighted tree of Aldous and Lévy Matrices (English)
[ 講演概要 ]
Anderson's 1958 paper on wave scattering in disordered media is still of central importance in contemporary mathematical physics. In this talk, we will present recent progress in understanding the phenomena of localization / delocalization of eigenwaves for some random operators. These operators are built on random trees introduced by Aldous and these are the scaling limits of heavy-tailed random matrices, the Lévy matrices. The focus will be put on the existence of a mobility edge, that is to say of かn abrupt transition between localization and delocalization of eigenwaves. It is a work in collaboration with Amol Aggarwal (Columbia) and Patrick Lopatto (NYU).

2023年04月17日(月)

17:00-18:30   数理科学研究科棟(駒場) 126号室
清水良輔 氏 (早稲田大学)
Construction of Sobolev spaces and energies on the Sierpinski carpet (Japanese)
[ 講演概要 ]
Sierpinski carpetをはじめとした特異的構造を有する「フラクタル」の上では、勾配作用素そのものを定式化することが難しく、一階のSobolev空間W^{1, p}や対応するエネルギー汎関数であるp-エネルギーといった解析的対象物を構成すること自体が非自明な問題となる。実際に、1990年代後半から爆発的に進展した「距離空間上の解析学」の手法はフラクタルのような異常拡散を有する空間とは相性が悪く、この理論が提供するSobolev空間は自明なものとなってしまう。一方で、p = 2の場合はDirichlet形式理論を通じた確率論的解釈があるという意味で特殊であり、「Sierpinski carpet上のBrown運動/Dirichlet形式」の構成はBarlow-Bass (1989)、Kusuoka-Zhou(1992)という2つのアプローチでなされた。本講演ではKusuoka-Zhou(1992)の構成法に立ち返り、全てのp > 1に対するSierpinski carpet上の``canonical''なSobolev空間W^{1, p}とp-エネルギーの構成法に関する講演者の結果について説明する。また、W^{1, p}の正則性(Sobolevの埋め込み)と、Ahlfors正則等角次元と呼ばれる「擬対称不変な次元」との関連についても述べる。本講演の一部はMathav Murugan氏(University of British Columbia)との共同研究に基づく。

2019年01月28日(月)

16:00-17:30   数理科学研究科棟(駒場) 128号室
河本 陽介 氏 (福岡歯科大学)
ランダム行列に関する普遍的な点過程間の遷移関係とその力学版 (JAPANESE)
[ 講演概要 ]
ランダム行列に関する無限粒子系の点過程として、Bessel点過程、サイン点過程、Airy点過程がよく知られている。これらは最初、Gaussianランダム行列モデルの固有値のスケーリング極限として得られたが、その後様々なモデルのスケーリング極限としても得られるという普遍性が明らかになった。この意味で、上記3つの点過程はランダム行列に関する典型的なモデルといえる。さらに、この3つは互いにスケーリング極限で結びついており、Bessel点過程を親玉とした遷移関係が存在することが知られている。今回の講演では、この点過程間の遷移関係が、点過程に自然に付随する確率力学にも遺伝することを導き、確率力学のレベルにおいてもBessel干渉型確率微分方程式を親玉とする遷移関係があることを紹介する。また時間が許す限り証明についても述べたい。

2018年12月10日(月)

17:00-18:00   数理科学研究科棟(駒場) 号室
東京工業大学(大岡山) 本館 H112講義室での開催となります(いつもと時間・場所が異なりますのでご注意ください). 主催 :東京工業大学 量子物理学・ナノサイエンス先端研究センター
Nikolaos Zygouras 氏 (University of Warwick)
Random polymer models and classical groups (ENGLISH)
[ 講演概要 ]
The relation between polymer models at zero temperature and characters of the general linear group GL_n(R) has been known since the first breakthroughs in the field around the KPZ universality through the works of Johansson, Baik, Rains, Okounkov and others. Later on, geometric liftings of the GL_n(R) characters appeared in the study of positive temperature polymer models in the form of GL_n(R)-Whittaker functions. In this talk I will describe joint works with E. Bisi where we have established that Whittaker functions associated to the orthogonal group SO_{2n+1}(R) can be used to describe laws of positive temperature polymers when their end point is free to lie on a line. Going back to zero temperature, we will also see that characters of other classical groups such as SO_{2n+1}(R); Sp_{2n}(R); SO_{2n}(R) do play a role in describing laws of polymers in various geometries. This occurence might be surprising given the length of time these models have been studied.
[ 参考URL ]
https://warwick.ac.uk/fac/sci/statistics/staff/academic-research/zygouras/

2018年11月19日(月)

16:00-17:30   数理科学研究科棟(駒場) 128号室
Fabio Toninelli 氏 (University Lyon 1)
Two-dimensional stochastic interface growth (ENGLISH)
[ 講演概要 ]
I will discuss stochastic growth of two-dimensional, discrete interfaces, especially models in the so-called Anisotropic KPZ (AKPZ) class, that has the same large-scale behavior as the Stochastic Heat equation with additive noise. I will focus in particular on: 1) the relation between AKPZ exponents, convexity properties of the speed of growth and the preservation of the Gibbs property; and 2) the relation between singularities of the speed of growth and the occurrence of "smooth" (i.e. non-rough) stationary states.
[ 参考URL ]
http://math.univ-lyon1.fr/~toninelli/

2018年11月12日(月)

16:00-17:30   数理科学研究科棟(駒場) 128号室
Alejandro Ramirez 氏 (Pontificia Universidad Catolica de Chile)
Random walk at weak and strong disorder (ENGLISH)
[ 講演概要 ]
We consider random walks at low disorder on $\mathbb Z^d$. For dimensions $d\ge 4$, we exhibit a phase transition on the strength of the disorder expressed as an equality between the quenched and annealed rate functions. In dimension $d=2$ we exhibit a universal scaling limit to the stochastic heat equation. This talk is based on joint works with Bazaes, Mukherjee and Saglietti, and with Moreno and Quastel.
[ 参考URL ]
http://www.mat.uc.cl/~aramirez/

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