東京確率論セミナー

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開催情報 月曜日 16:00~17:30 数理科学研究科棟(駒場) 128号室
担当者 佐々田 槙子, 久保田 直樹 (日本大学), 阿部 圭宏 (学習院大学)

過去の記録

2019年01月28日(月)

16:00-17:30   数理科学研究科棟(駒場) 128号室
河本 陽介 氏 (福岡歯科大学)
ランダム行列に関する普遍的な点過程間の遷移関係とその力学版 (JAPANESE)
[ 講演概要 ]
ランダム行列に関する無限粒子系の点過程として、Bessel点過程、サイン点過程、Airy点過程がよく知られている。これらは最初、Gaussianランダム行列モデルの固有値のスケーリング極限として得られたが、その後様々なモデルのスケーリング極限としても得られるという普遍性が明らかになった。この意味で、上記3つの点過程はランダム行列に関する典型的なモデルといえる。さらに、この3つは互いにスケーリング極限で結びついており、Bessel点過程を親玉とした遷移関係が存在することが知られている。今回の講演では、この点過程間の遷移関係が、点過程に自然に付随する確率力学にも遺伝することを導き、確率力学のレベルにおいてもBessel干渉型確率微分方程式を親玉とする遷移関係があることを紹介する。また時間が許す限り証明についても述べたい。

2018年12月10日(月)

17:00-18:00   数理科学研究科棟(駒場) 号室
東京工業大学(大岡山) 本館 H112講義室での開催となります(いつもと時間・場所が異なりますのでご注意ください). 主催 :東京工業大学 量子物理学・ナノサイエンス先端研究センター
Nikolaos Zygouras 氏 (University of Warwick)
Random polymer models and classical groups (ENGLISH)
[ 講演概要 ]
The relation between polymer models at zero temperature and characters of the general linear group GL_n(R) has been known since the first breakthroughs in the field around the KPZ universality through the works of Johansson, Baik, Rains, Okounkov and others. Later on, geometric liftings of the GL_n(R) characters appeared in the study of positive temperature polymer models in the form of GL_n(R)-Whittaker functions. In this talk I will describe joint works with E. Bisi where we have established that Whittaker functions associated to the orthogonal group SO_{2n+1}(R) can be used to describe laws of positive temperature polymers when their end point is free to lie on a line. Going back to zero temperature, we will also see that characters of other classical groups such as SO_{2n+1}(R); Sp_{2n}(R); SO_{2n}(R) do play a role in describing laws of polymers in various geometries. This occurence might be surprising given the length of time these models have been studied.
[ 参考URL ]
https://warwick.ac.uk/fac/sci/statistics/staff/academic-research/zygouras/

2018年11月19日(月)

16:00-17:30   数理科学研究科棟(駒場) 128号室
Fabio Toninelli 氏 (University Lyon 1)
Two-dimensional stochastic interface growth (ENGLISH)
[ 講演概要 ]
I will discuss stochastic growth of two-dimensional, discrete interfaces, especially models in the so-called Anisotropic KPZ (AKPZ) class, that has the same large-scale behavior as the Stochastic Heat equation with additive noise. I will focus in particular on: 1) the relation between AKPZ exponents, convexity properties of the speed of growth and the preservation of the Gibbs property; and 2) the relation between singularities of the speed of growth and the occurrence of "smooth" (i.e. non-rough) stationary states.
[ 参考URL ]
http://math.univ-lyon1.fr/~toninelli/

2018年11月12日(月)

16:00-17:30   数理科学研究科棟(駒場) 128号室
Alejandro Ramirez 氏 (Pontificia Universidad Catolica de Chile)
Random walk at weak and strong disorder (ENGLISH)
[ 講演概要 ]
We consider random walks at low disorder on $\mathbb Z^d$. For dimensions $d\ge 4$, we exhibit a phase transition on the strength of the disorder expressed as an equality between the quenched and annealed rate functions. In dimension $d=2$ we exhibit a universal scaling limit to the stochastic heat equation. This talk is based on joint works with Bazaes, Mukherjee and Saglietti, and with Moreno and Quastel.
[ 参考URL ]
http://www.mat.uc.cl/~aramirez/

2018年10月29日(月)

16:00-17:30   数理科学研究科棟(駒場) 128号室
Sunder Sethuraman 氏 (University of Arizona)
On Hydrodynamic Limits of Young Diagrams (ENGLISH)
[ 講演概要 ]
We consider a family of stochastic models of evolving two-dimensional Young diagrams, given in terms of certain energies, with Gibbs invariant measures. `Static' scaling limits of the shape functions, under these Gibbs measures, have been shown by several over the years. The purpose of this article is to study corresponding `dynamical' limits of which less is understood. We show that the hydrodynamic scaling limits of the diagram shape functions may be described by different types of parabolic PDEs, depending on the energy structure.
The talk will be based on the article: https://arxiv.org/abs/1809.03592
[ 参考URL ]
http://math.arizona.edu/~sethuram/

2018年10月22日(月)

16:00-17:30   数理科学研究科棟(駒場) 126号室
Trinh Khanh Duy 氏 (東北大学数理科学連携研究センター)
Limit theorems for random geometric complexes in the critical regime (ENGLISH)
[ 講演概要 ]
Geometric complexes (eg. Cech complexes or Rips complexes) are simplicial complexes defined on a finite set of points in a Euclidean space together with a radius parameter, which can be viewed as a higher dimensional generalization of geometric graphs. This talk concerns with random geometric complexes built over binomial point processes (collections of iid points). Like random geometric graphs, there are three regimes (subcritical(or dust, sparse) regime, critical (or thermodynamic) regime and supercritical regime) which are divided according the growth of the radius parameters in which the limiting behavior of random geometric complexes is totally different. This talk introduces some results on the strong law of large numbers and a central limit theorem in the critical regime.

2018年07月30日(月)

16:00-17:30   数理科学研究科棟(駒場) 126号室
早瀬 友裕 氏 (東京大学大学院数理科学研究科)
自由確率論によるランダム行列モデルのパラメータ推定 (JAPANESE)
[ 講演概要 ]
ランダム行列モデルにおいて, サンプル行列がひとつしかなければ, 経験尤度関数に基づいたパラメータ推定は様々な(現実的でない)仮定が必要です. 今回, 経験尤度ではなく経験固有値分布に基づいた,そのような仮定を必要としない手法を紹介します. ひとつのポイントは, 経験固有値分布をCauchy noiseで摂動させた分布を使うことです. この摂動された分布を使うのは, (自由確率論のFree Deterministic Equivalentという良い道具に基づき), それがなめらかでアクセス可能な密度を持つ分布でfittingされるからです.
加えて, 確率的主成分分析などに現れるランダム行列モデルのパラメータ推定, ランク推定に有効であること, 真の信号が極端に低ランクでなくても, 当手法が真のランクを推定することを紹介します.
[ 参考URL ]
https://www.ms.u-tokyo.ac.jp/~hayase/

2018年07月02日(月)

16:00-17:30   数理科学研究科棟(駒場) 126号室
世良 透 氏 (京都大学大学院理学研究科)
間欠力学系に関する種々の分布極限定理 (JAPANESE)
[ 講演概要 ]
間欠力学系とは,中立不動点を持つ一次元写像力学系のことである.この力学系は様々な非平衡系に現れる間欠現象のモデルとして,統計物理学などの観点から広く研究されてきた.間欠現象とは,ほぼ周期的かつ持続的な「安定状態」が,非周期的かつ一時的に生ずる「不安定状態」によって繰り返し中断される,という現象を指す.Lorenz(1963)は熱対流の微分方程式モデルを研究し,解軌道の数値プロットから間欠力学系を抽出した.Pomeau--Manneville(1980)は「熱対流の安定状態」を「間欠力学系の中立不動点」と見なして,間欠力学系を介してLorenzの熱対流モデルが持つ間欠性を考察している.

また,間欠力学系は無限エルゴード理論などの観点からも研究され,Markov過程論のアナロジーから種々の分布極限定理が得られてきた.本講演では間欠力学系に関する分布極限定理として,中立不動点から離れた場所(不安定状態)への滞在に関するAaronson(1981)&(1986),Owada--Samorodnitsky(2015)の結果,および中立不動点近傍(安定状態)への滞在に関するThaler(2002),S.--Yano(2017+)の結果を紹介する.そしてこれらを統合・精密化した講演者の最近の結果について述べる.間欠力学系の滞在時間のスケール極限として,マルチレイ上を走る歪みBessel拡散過程の原点局所時間や各レイごとの滞在時間が現れる.証明の鍵は周遊理論およびTyran-Kaminska(2010)による定常増分過程の関数型極限定理である.

2018年06月25日(月)

16:00-17:30   数理科学研究科棟(駒場) 126号室
濱口 雄史 氏 (京都大学大学院理学研究科)
BSDEs driven by cylindrical martingales with application to approximate hedging in bond markets (JAPANESE)
[ 講演概要 ]
金利マーケットや商品先物市場では、フォワードカーブのランダムな時間発展挙動を連続関数空間上の無限次元確率過程として記述する手法が用いられる。このモデルでは形式的に非加算無限個の取引可能財が存在するため、ボンドの満期を表す区間上の符号付測度に値を取るポートフォリオを考えることとなる。本講演では、無限次元マーケットにおけるクレームのヘッジに関連して、無限次元マルチンゲール(連続関数空間上のcylindrical martingale)により駆動するリプシッツ型BSDEの解の存在と一意性を示す。さらに、この解が対応する有限次元BSDEの解によって近似できることを示す。これにより、無限次元マーケットにおけるクレームの形式的なヘッジ戦略が、有限次元部分マーケットにおけるFollmer-Schweizer分解、すなわち局所リスク最少戦略の極限として得られることが従う。

2018年06月18日(月)

16:00-17:30   数理科学研究科棟(駒場) 126号室
種村 秀紀 氏 (慶應義塾大学理工学部数理科学科)
相互作用をもつ無限個の剛体球の系 (JAPANESE)
[ 講演概要 ]
粒子間にハードコア相互作用があるとき、その粒子系は剛体球の系と見なすことができ、さらに各々の粒子が独立なブラウン運動により駆動されている場合は、Skorohod 型方程式の解として表すことができる。本講演では、粒子数が無限個であり、剛体球間に長距離相互作用がある場合に、対応する無限次元Skorohod 型方程式を導入し、その解の存在と一意性について議論する。

2018年06月04日(月)

16:00-17:30   数理科学研究科棟(駒場) 126号室
三竹 大寿 氏 (東京大学大学院数理科学研究科)
退化粘性ハミルトン・ヤコビ方程式の一意性集合 (JAPANESE)
[ 講演概要 ]
Hamilton-Jacobi (HJ)方程式の初期値問題の解の長時間挙動を考えた時に現れる定常問題を,加法的固有値問題と呼ぶ.この加法的固有値問題の粘性解は,一意性が成り立たないことがよく知られている.力学系におけるAubry-Mather理論と粘性解理論との関係を整理することで発展した弱Kolmogorov-Arnold-Moser (KAM) 理論において,Mather集合またはAubry集合上で一致する粘性解は一意的であることが証明された.つまり,これらの集合は,加法的固有値問題の粘性解の一意性集合の役割を果たす.
最適確率制御問題を考えると自然に現れる退化粘性HJ方程式は,粘性解理論においてより自然な枠組みとして考えることができるが,従来の弱KAM理論では,決定論的な力学系しか扱えないため,取り扱いが困難であった.この点に注目をして,講演者は偏微分方程式論の立場から取り組むことで,弱KAM理論を発展させてきた.本講演では,特に退化粘性HJ方程式の加法的固有値問題の一意性集合について,最近得られた結果について紹介する.
解析のポイントは,対応する一般化されたMather測度を非線形随伴法で構成する点にある.この点での解析手段は,偏微分方程式論において閉じている話題ではあるが,背景に最適確率制御の問題を抱えているため,確率論において一つの新しい題材を提供できればと思っている.なお,本研究はH. V. Tran氏(U. Wisconsin-Madison)との共同研究である.

2018年05月14日(月)

16:00-17:30   数理科学研究科棟(駒場) 126号室
村山 拓也 氏 (京都大学大学院理学研究科)
Chordal Komatu-Loewner equation for a family of continuously growing hulls (JAPANESE)
[ 講演概要 ]
Loewner方程式は,複素平面上の単連結な領域における単葉函数族の極値問題に古くから用いられてきた.近年では,統計力学模型のスケーリング極限を記述する確率的Loewner発展(SLE)の構成に応用され,函数論,確率論,数理物理と様々な分野にまたがって注目を受けている.本講演ではこの方程式を多重連結領域へと拡張したKomatu-Loewner方程式について紹介する.特に,先行研究の結果を「連続な」増大殻(hull)へ一般化することで,これまで上手く扱えなかった多重連結領域上の問題に対し新たなアプローチが得られる様子を概説する.

2018年05月07日(月)

16:00-17:30   数理科学研究科棟(駒場) 126号室
沙川貴大 氏 (東京大学工学部)
孤立量子多体系における熱力学第二法則
(JAPANESE)
[ 講演概要 ]
可逆な量子力学から不可逆な熱力学が如何にして創発するかは、19世紀以来の物理学の難問の一つである。本講演では、多体系の量子力学に基づいて熱力学を理解する研究の背景と、最近の我々の結果について紹介する。我々は、熱浴の初期状態がエネルギー固有状態で時間発展がユニタリの場合について、熱力学第二法則および「ゆらぎの定理」と呼ばれる関係式を厳密に証明した[1]。その際の重要な概念は、固有状態熱化仮説とLieb-Robinson限界である。本講演では、固有状態熱化仮説に関する我々の数値的な研究の結果[2]も合わせて紹介する。
[1] Eiki Iyoda, Kazuya Kaneko, and Takahiro Sagawa, Phys. Rev. Lett. 119, 100601 (2017).
[2] Toru Yoshizawa, Eiki Iyoda, Takahiro Sagawa, arXiv:1712.07289, accepted by Phys. Rev. Lett. (2018).
[ 参考URL ]
http://www.taksagawa.com

2018年04月23日(月)

16:00-17:30   数理科学研究科棟(駒場) 126号室
河備 浩司 氏 (慶應義塾大学経済学部)
Functional central limit theorems for non-symmetric random walks on nilpotent covering graphs (JAPANESE)
[ 講演概要 ]
ベキ零群を被覆変換群とするような有限グラフの被覆グラフのことをベキ零被覆グラフと呼ぶ。結晶格子(被覆変換群がアーベル群の場合)上のランダムウォークに関してはすでに多くの極限定理が, 離散幾何解析の枠組みで得られている。我々は以前にこれらの研究の延長としてベキ零被覆グラフ上の非対称ランダムウォークの汎関数中心極限定理を考察し,スケール極限として捉えたベキ零Lie群値拡散過程に, ランダムウォークの非対称性からくるドリフト項が現れることをいくつかの技術的な仮定の下で示した。この結果は難波氏が, 2016年7月の本セミナーで報告したが,その後, このドリフト項が実現写像のambiguityによらずに定まる事が分かっただけでなく, 従来の技術的な仮定の多くをはずすことにも成功した。時間があればラフパス理論との関連および証明の概略についても話したい。
本講演の内容は、石渡 聡 氏 (山形大) および 難波 隆弥 氏 (岡山大)との共同研究に基づく。

2018年01月29日(月)

16:00-17:30   数理科学研究科棟(駒場) 128号室
桑江 一洋 氏 (福岡大学 理学部 応用数学教室)
Radial processes on RCD${}^*(K,N)$-spaces (JAPANESE)
[ 講演概要 ]
測度距離空間上において「リッチ曲率が定数K以上かつ次元がN以下」という概念はBakry-Emery の曲率次元条件という定式化で確率論では80年代半ばから知られている。近年、最適輸送理論を用いた曲率次元条件CD(K,N)の概念がLott-Villani, Sturm 等によって提唱され、微分幾何学との相性がよい形で定式化されてきた。しかしながらこの概念はリーマン多様体だけでなく、フィンスラー多様体なども包含しておりラプラシンも非線形になり得る。Ambrosio-Gigli-SavareはCheegerエネルギーが2次形式になるという解析的な性質から空間がリーマン的という条件を定式化し、曲率次元CD(K,N)と合わせてリーマン的曲率次元といい、そのような空間をRCD(K,N)空間と呼んだ。講演では簡約型RCD空間(RCD*(K,N)と記す)と呼ばれる範疇で、同径過程が半マルチンゲールになることを紹介する。すでに最近のCavalletti-Milman の研究でRCD*(K,N)=RCD(K,N)が判明している。古典的には完備リーマン多様体においてKendall が1987年に同径過程をCut-locus 上の局所時間を用いた表現を導出しているが、我々の結果はKendall と同様の表現ではなく、リッチ曲率がK以上であることに準拠した新しい型の表現公式である。そのためには同径関数の参照点についての条件(R2)が必要になるが、その条件はリーマン多様体や非崩壊のリッチ極限空間アレキサンドロフ空間では満たされる。一般のRCD*(K,N)空間ではa.e. の参照点について条件(R2)が満たされることが証明される。

同径過程の表現式の証明の鍵となるのはGigli によるラプラシアンの比較定理とそのことに基づくラプラシアンの表現公式である。さらに参照点についての条件(R2)の下で表現公式に出現する測度が狭義の滑らかな測度になることを熱核の上からの大域的なガウス型評価を用いて示し、それに基づいて同径過程の表現式を全ての出発点について精密化した。

この講演は東北大学の桑田和正氏との共同研究に基づく。

2018年01月22日(月)

16:00-17:30   数理科学研究科棟(駒場) 号室
早稲田大学 西早稲田キャンパス 51 号館 18 階 06 室 での開催となります。
佐々田 槙子 氏 (東京大学大学院数理科学研究科)
ランダムな初期状態をもつ箱玉系とPitmanの定理 (JAPANESE)
[ 講演概要 ]
箱玉系は1990年に高橋-薩摩によって導入されたソリトン的なふるまいを示すセルオートマトンである。その後、箱玉系はKdV方程式や可解格子模型と密接に関係していることが明らかになり、様々な方向からの研究が行われ、また多くの拡張モデルも提案されてきた。箱玉系は$\{0,1\}^{\mathbb{N}}$上の有限個の粒子をもつ配置に対する決定論的な力学系として定式化できる。近年、P. Ferrariらが、$\{0,1\}^{\mathbb{Z}}$上の無限個の粒子をもつ配置に対して箱玉系の定義域を拡張し、ランダムな初期分布の元での系のふるまいの研究を行った。特に彼らは、期待値が$1/2$未満のベルヌーイ直積分布がこの箱玉系の不変分布となることを示し、さらに一般の不変分布について、よいミキシングのもとでは、ソリトンのサイズに応じた直積分解を持つことを示した。
本研究では、箱玉系の状態空間をシンプルランダムウォークのパスの空間に変換することで、無限個の粒子を持つ箱玉系について様々な解析を行った。まず、箱玉系が定義される配置を決定し、さらに系が可逆になるクラス、さらに可逆かつ不変になるクラスの決定を行った。さらに、$\{0,1\}^{\mathbb{Z}}$上の確率測度が不変分布になるための十分条件を与え、ベルヌーイ直積分布を含むいくつかのクラスの確率測度がこの条件を満たすことを示した。さらに、原点でのカレント、tagged particleの漸近挙動についても、いくつかの不変分布の元で解析を行った。さらに、シンプルランダムウォークに対する極限定理によって自然に現れる「$\mathbb{R}$上の箱玉系」を導入した。これは、ブラウン運動に対するピットマンの定理に現れる変換そのものである。$\mathbb{Z}$上の結果からの自然な拡張として、正のドリフト付きのブラウン運動が、$\mathbb{R}$
上の箱玉系の不変分布となることが示されるが、これにより両側無限の場合のピットマンの変換に対する不変分布であることも得られた。
本研究はDavid Croydon氏、加藤毅氏、辻本諭氏との共同研究である。

2017年12月04日(月)

16:00-17:30   数理科学研究科棟(駒場) 128号室
岡村 和樹 氏 (京都大学 数理解析研究所)
Some results for range of random walk on graph with spectral dimension two (JAPANESE)
[ 講演概要 ]
We consider the range of random walk on graphs with spectral dimension two. We show that a certain weak law of large numbers hold if a recurrent graph satisfies a uniform condition. We construct a recurrent graph such that the uniform condition holds but appropriately scaled expectations fluctuate. Our result is applicable to showing LILs for lamplighter random walks in the case that the spectral dimension of the underlying graph is two.

2017年11月27日(月)

16:00-17:30   数理科学研究科棟(駒場) 128号室
Antar Bandyopadhyay 氏 (Indian Statistical Institute)
Random Recursive Tree, Branching Markov Chains and Urn Models (ENGLISH)
[ 講演概要 ]
In this talk, we will establish a connection between random recursive tree, branching Markov chain and urn model. Exploring the connection further we will derive fairly general scaling limits for urn models with colors indexed by a Polish Space and show that several exiting results on classical/non-classical urn schemes can be easily derived out of such general asymptotic. We will further show that the connection can be used to derive exact asymptotic for the sizes of the connected components of a "random recursive forest", obtained by removing the root of a random recursive tree.

[This is a joint work with Debleena Thacker]

2017年11月13日(月)

16:00-17:30   数理科学研究科棟(駒場) 128号室
和田 正樹 氏 (福島大学 人間発達文化学類)
シュレディンガー形式における基本解の評価について (JAPANESE)
[ 講演概要 ]
シュレディンガー形式は、マルコフ過程に対応するディリクレ形式に摂動項を加えて得られる。本研究ではシュレディンガー形式における基本解を、元のマルコフ過程の推移確率密度関数(対応するディリクレ形式における基本解と同義)と比較することを目的としている。特に、摂動項が十分大きくなったとき(臨界的という)の基本解の挙動が、元のマルコフ過程の推移確率密度関数とどのように異なるのか、現時点で判明していることを紹介する。

2017年10月30日(月)

16:00-17:30   数理科学研究科棟(駒場) 128号室
伊藤 悠 氏 (京都産業大学 理学部数理科学科)
Integration of controlled rough paths via fractional calculus (JAPANESE)
[ 講演概要 ]
本研究は非整数階微積分に基づいたラフパス理論の研究である。非整数階微積分に基づいたラフパス理論の研究は、Y.Hu-D.Nualart(2009)に始まり、ラフ積分と呼ばれるラフパス理論における積分概念に特徴がある。通常のラフ積分は、補正されたRiemann-Stieltjes和の極限として与えられるが、非整数階微積分に基づいたものは、非整数階微分による明示的な表現式として与えられる。本講演では、M.Gubinelli(2004)が導入したラフ積分に対し、そのような表現式を導出するとともに、導出過程において、M.Zähle(1998)の議論が有効に働くことを説明する。

2017年10月23日(月)

16:00-17:30   数理科学研究科棟(駒場) 128号室
阿部 圭宏 氏 (学習院大学 数学科)
2次元離散トーラスの被覆時間の精密評価 (JAPANESE)
[ 講演概要 ]
2次元離散トーラス上を動く単純ランダムウォーク(SRW)を考えます. 被覆時間とはSRWがトーラスのすべての点を訪問し尽くすまでに要する時間です. 被覆時間の第1次オーダーはDembo-Peres-Rosen-Zeitouni(2004)が特定しました. 本講演では筆者が最近得た被覆時間の第2次オーダーの評価を報告します. 本研究は, 2次元トーラス上のBrown運動の被覆時間を第2次オーダーまで精密に評価したBelius-Kistler(2017)の研究の離散版にあたります. 本講演では主結果を述べた後, 対数相関をもつランダム場の研究の中における本研究の位置づけを述べます.

2017年07月10日(月)

16:00-17:30   数理科学研究科棟(駒場) 126号室
Mei Yin 氏 (University of Denver)
Phase transitions in exponential random graphs (ENGLISH)
[ 講演概要 ]
Large networks have become increasingly popular over the last decades, and their modeling and investigation have led to interesting and new ways to apply statistical and analytical methods. The introduction of exponential random graphs has aided in this pursuit, as they are able to capture a wide variety of common network tendencies by representing a complex global structure through a set of tractable local features. This talk with focus on the phenomenon of phase transitions in large exponential random graphs. The main techniques that we use are variants of statistical physics but the exciting new theory of graph limits, which has rich ties to many parts of mathematics and beyond, also plays an important role in the interdisciplinary inquiry. Some open problems and conjectures will be presented.

2017年07月03日(月)

16:00-17:30   数理科学研究科棟(駒場) 126号室
徐 路 氏 (九州大学 大学院数理学研究院)
Equilibrium fluctuation for a chain of anharmonic oscillators (JAPANESE)
[ 講演概要 ]
A chain of oscillators is a particle system whose microscopic time evolution is given by Hamilton equations with various kinds of conservative noises. Mathematicians and physicians are interested in its macroscopic behaviors (ε → 0) under different space-time scales: ballistic (hyperbolic) (εx, εt), diffusive (εx, ε^2t) and superdiffusive (εx, ε^αt) for 1 < α < 2. In this talk, we consider a 1-dimensional chain of anharmonic oscillators perturbed by noises preserving the total momentum as well as the total energy. We present a result about the hyperbolic scaling limit of its equilibrium fluctuation as well as some further discussions. (A joint work with S. Olla, Université Paris-Dauphine)

2017年06月19日(月)

16:00-17:30   数理科学研究科棟(駒場) 126号室
石谷 謙介 氏 (首都大学東京 大学院理工学研究科)
Computation of first-order Greeks for barrier options using chain rules for Wiener path integrals (JAPANESE)
[ 講演概要 ]
In this presentation, we present a new methodology to compute first-order Greeks for barrier options under the framework of path-dependent payoff functions with European, Lookback, or Asian type and with time-dependent trigger levels. In particular, we develop chain rules for Wiener path integrals between two curves that arise in the computation of first-order Greeks for barrier options. We also illustrate the effectiveness of our method through numerical examples.

2017年05月29日(月)

16:00-17:30   数理科学研究科棟(駒場) 126号室
中島 秀太 氏 (京都大学 数理解析研究所)
最速浸透問題での原点出発の無限測地線の数について (JAPANESE)
[ 講演概要 ]
本講演ではFirst Passage Percolationのgeodesicsについて、最近得られたcoalescenceと呼ばれる性質について述べる。その性質を用いて、infinite geodesics全体の数と原点出発に制限したときの数が一致すること、その系として原点出発のinfinite geodesicの数が定数であることを示す。

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