東京無限可積分系セミナー

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開催情報 土曜日 13:30~16:00 数理科学研究科棟(駒場) 117号室
担当者 神保道夫、国場敦夫、山田裕二、武部尚志、高木太一郎、白石潤一
セミナーURL https://www.ms.u-tokyo.ac.jp/~takebe/iat/index-j.html

2008年07月26日(土)

13:30-16:00   数理科学研究科棟(駒場) 117号室
星野歩 氏 (上智大理) 13:30-14:30
変形W代数とMacdomald多項式のtableau表示
[ 講演概要 ]
A型変形W代数の自由場表示を用いてA型Macdomald多項式のtableau表示を構成する。さらにD型変形W代数の自由場表示を用いて、第一基本ウェイトの正数倍のウェイトを持つD型Macdomald多項式のtableau表示を構成する。尚、本研究は白石潤一氏(東京大学)との共同研究である。
古川俊輔 氏 (理化学研究所) 15:00-16:00
Entanglement Entropy in Conventional and Topological Orders
[ 講演概要 ]
量子多体系の基底状態には、しばしば、個々の粒子の状態の直積では表せない構造、すなわち、エンタングルメントが現れる。これを、エンタングルメント・エントロピーという指標を用いて測ることにより、系のユニヴァーサリティを特徴づける重要な情報が得られることが近年、明らかにされてきた。セミナーでは、エンタングルメントについての基礎的な知識から始め、私が取り組んできた(いる)、次の二つのテーマについてご紹介したい。
(1)量子ダイマー模型におけるトポロジカル・エントロピー
トポロジカル秩序を持つ系においては、エンタングルメント・エントロピーに、背景のゲージ理論を特徴づける、負の定数項が含まれることが、Kitaevらによって予想された。我々は、Z2トポロジカル秩序を示すと考えられる量子ダイマー模型において、予想の数値的検証を行い、予想が精度よく成り立つことを示した。
Ref. S. Furukawa & G. Misguich, Phys. Rev. B 75, 214407 (2007).
(2)自発的対称性の破れとマクロスコピック・エンタングルメント
自発的対称性の破れを示す系においては、有限系の基底状態に、秩序を持った状態のマクロな重ね合わせ構造が見られる。この構造がエンタングルメント・エントロピーにも反映され、基底状態縮退度の情報を含む、正の定数項が現れることを示した。