複素解析幾何セミナー

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開催情報 月曜日 10:30~12:00 数理科学研究科棟(駒場) 128号室
担当者 平地 健吾, 高山 茂晴

2016年10月31日(月)

10:30-12:00   数理科学研究科棟(駒場) 128号室
石井 豊 氏 (九州大学)
Henon 写像族のパラメータ空間におけるホースシュー領域について (JAPANESE)
[ 講演概要 ]
パラメータ $(a, b)$ を持つ平面からそれ自身への多項式写像の族 $f_{a, b} : (x, y)\rightarrow (x^2-a-by, x)$ は Henon 写像族と呼ばれ、非線形力学系の最も基本的なクラスとして多くの数学者や物理学者によって研究されてきた。この写像がなす力学系はパラメータ $(a, b)$ の取り方に大きく依存するが、ある部分パラメータ領域から $(a, b)$ を選ぶと、対応する Henon 写像は「ホースシュー」と呼ばれるカオス力学系の典型的なモデルになることが知られている。今からおよそ35年前に宇敷重広や Christian Mira らは、Henon 写像がホースシューになるようなパラメータ領域の境界がある滑らかな曲線で特徴付けられることを数値的に観察した。今回の講演では、この数値的観察に対する数学的に厳密な証明について説明する。その証明は、Henon 写像の相空間とパラメータ空間を共に複素拡張し、複素力学系や複素幾何のテクニックを精度保証計算と組み合わせることによって得られる。