談話会・数理科学講演会

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担当者 足助太郎,寺田至,長谷川立,宮本安人(委員長)
セミナーURL https://www.ms.u-tokyo.ac.jp/seminar/colloquium/index.html

2021年10月29日(金)

15:30-16:30   オンライン開催
参加登録を締め切りました(10月29日12:00)
柏原崇人 氏 (東京大学大学院数理科学研究科)
非定常な摩擦型・Signorini型境界条件問題の適切性について (JAPANESE)
[ 講演概要 ]
摩擦型およびSignorini型条件は,流体や弾性体の問題に現れる非線形境界条件の一種として知られている.時間に依存しない定常問題の場合,これらは楕円型変分不等式によって定式化され,偏微分方程式の解析および数値解析が多くなされてきた.一方で,非定常問題の場合は,解の存在・一意性といった偏微分方程式レベルでの基本的な解析がそれほど進んでおらず,先行研究も少ないように思われる.本講演の前半では,摩擦型型境界条件を課した非定常Navier-Stokes方程式に対して,L^2最大正則性のクラスに属する強解の構成法を紹介する.この手の研究で頻繁に使われるGalerkin法でなく,時間離散化法(Rothe法)を用いることがポイントである.後半では,ある修正を加えたSignorini型境界条件のもとで,線形弾性体方程式の解の存在と一意性が得られることを述べる.