談話会・数理科学講演会

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担当者 足助太郎,寺田至,長谷川立,宮本安人(委員長)
セミナーURL https://www.ms.u-tokyo.ac.jp/seminar/colloquium/index.html

2015年11月27日(金)

16:50-17:50   数理科学研究科棟(駒場) 056号室
木田良才 氏 (東京大学大学院数理科学研究科)
従順群に関する最近の進展について (JAPANESE)
[ 講演概要 ]
群の従順性は、Banach-Tarski のパラドックスを理解する上で von Neumann により導入された概念である。その過程で未解決となった問題の一つが、非可換な自由群を含まない非従順群の存在を問うものであり、これは後に von Neumann-Day の問題と呼ばれるようになる。1980年頃にそのような群が構成されこの問題は解決されたが、最近 Nicolas Monod によりそのような群の例で全く異なるタイプのものが発見された。この新しい例は、区分的に PSL_2(R) の元であるような円周上の同相写像から成る群であり、従来のものに比べると格段に扱いやすいという利点をもっている。また、その非従順性の証明は群作用の従順性を応用するという新たな手法に基づいている。講演では、従順群の紹介からはじめ、非従順性の証明やその背景を中心として Monod の例を紹介したい。
[ 参考URL ]
https://www.ms.u-tokyo.ac.jp/~kida/