談話会・数理科学講演会

過去の記録 ~10/03|次回の予定|今後の予定 10/04~

担当者 会田茂樹(委員長),池祐一,今井直毅,林修平
セミナーURL https://www.ms.u-tokyo.ac.jp/seminar/colloquium/index.html

2026年10月16日(金)

15:30-16:30   数理科学研究科棟(駒場) NISSAY Lecture Hall号室
平良 晃一 氏 (東京大学大学院数理科学研究科)
ローレンツ多様体上のダランベルシアンに関するスペクトル理論 (日本語)
[ 講演概要 ]
ヒルベルト空間上の線形作用素のスペクトルは,行列の固有値の概念を無限次元空間へと一般化としたものと考えられ,解析学や幾何学の立場から様々な研究が行われている. 例えば,リーマン多様体上のラプラシアンやディラック作用素のスペクトルに関して,固有値の漸近挙動を多様体の体積によって記述するWeyl則,ディラック作用素の零固有値と多様体上の特性類を結びつける指数定理などをはじめとして,今も活発に研究が続けられている.
相対論の舞台となるローレンツ多様体上では,近年,量子論などへの応用を背景として,ダランベルシアンやディラック作用素のスペクトルに関する研究が少しずつ進められている.しかし,リーマン多様体の場合とは異なり,これらの微分作用素は楕円性を持たず,既存の手法が通用しない場面が多いため,自己共役性の判定のような基本的な問題ですら高度に非自明である.
本講演では,リーマン多様体とローレンツ多様体上の微分作用素のスペクトルについての既存の結果を概説し,時間が許せば講演者自身の結果についても紹介する.