東京無限可積分系セミナー
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開催情報 | 土曜日 13:30~16:00 数理科学研究科棟(駒場) 117号室 |
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担当者 | 神保道夫、国場敦夫、山田裕二、武部尚志、高木太一郎、白石潤一 |
セミナーURL | https://www.ms.u-tokyo.ac.jp/~takebe/iat/index-j.html |
2024年10月30日(水)
15:30-16:30 数理科学研究科棟(駒場) 号室
オンライン開催
在田晋一 氏 (東京大学)
Dirac作用素に対するRellich型の定理について (日本語)
オンライン開催
在田晋一 氏 (東京大学)
Dirac作用素に対するRellich型の定理について (日本語)
[ 講演概要 ]
本講演では空間次元を3 とし,遠方で減衰するポテンシャルと正の質量を持つDirac作用素に対するRellichの定理について,現在行っている研究を紹介する.Dirac作用素はある意味でラプラシアンの1/2 乗とみなすことができる作用素であり,相対論的な粒子の運動を記述することができるため,物理学において重要な研究対象である.Rellichの定理とは,固有方程式を満たすが$L^2$に属さない函数(これを一般化固有函数という)の減衰度の閾値を与える定理である.
減衰ポテンシャルを持つDirac作用素に対する$L^2$固有函数の非存在は[1]などで知られている.本研究では彼らの結果をAgmon-Hörmander空間上へと拡張することを目標としている.Dirac作用素に対し代数的な計算をすることでSchrödinger作用素に対する固有方程式に帰着させることができるため,[2]の重み付き交換子の手法に基づいて証明することができると考えている.
[1] 伊藤宏, 山田修宣, ディラック作用素のスペクトルについて, 数学68, 381-402 (2016)
[2] Ito, K., Skibsted, E., Radiation condition bounds on manifolds with ends, J. Funct. Anal. 278, 108449,
47 (2020)
本講演では空間次元を3 とし,遠方で減衰するポテンシャルと正の質量を持つDirac作用素に対するRellichの定理について,現在行っている研究を紹介する.Dirac作用素はある意味でラプラシアンの1/2 乗とみなすことができる作用素であり,相対論的な粒子の運動を記述することができるため,物理学において重要な研究対象である.Rellichの定理とは,固有方程式を満たすが$L^2$に属さない函数(これを一般化固有函数という)の減衰度の閾値を与える定理である.
減衰ポテンシャルを持つDirac作用素に対する$L^2$固有函数の非存在は[1]などで知られている.本研究では彼らの結果をAgmon-Hörmander空間上へと拡張することを目標としている.Dirac作用素に対し代数的な計算をすることでSchrödinger作用素に対する固有方程式に帰着させることができるため,[2]の重み付き交換子の手法に基づいて証明することができると考えている.
[1] 伊藤宏, 山田修宣, ディラック作用素のスペクトルについて, 数学68, 381-402 (2016)
[2] Ito, K., Skibsted, E., Radiation condition bounds on manifolds with ends, J. Funct. Anal. 278, 108449,
47 (2020)