Lie群論・表現論セミナー

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開催情報 火曜日 16:30~18:00 数理科学研究科棟(駒場) 126号室
担当者 小林俊行
セミナーURL https://www.ms.u-tokyo.ac.jp/~toshi/seminar/ut-seminar.html

2021年06月01日(火)

17:30-18:30   数理科学研究科棟(駒場) Online号室
トポロジー火曜セミナーと合同。オンライン開催。
北川 宜稔 氏 (早稲田大学)
On the discrete decomposability and invariants of representations of real reductive Lie groups (Japanese)
[ 講演概要 ]
群の既約表現を部分群に制限したときにどのように振る舞うかを記述する問題を分岐則の問題という。既約表現の制限は一般には既約ではなくなり、ユニタリな場合には直積分で記述される既約分解が存在する。この分解は、ユニタリ作用素のスペクトル分解の一般化とみなすことができ、一般には連続的なスペクトルと離散的なスペクトルが現れる。連続的なスペクトルが現れない場合、つまりユニタリ表現の離散的な直和になっている場合、その表現は離散分解するという。

離散分解する分岐則は技術的に扱いやすいというだけでなく、大きな群の表現の情報から小さい部分群の表現の情報が取り出しやすい状況になっており、以下のような応用が知られている。保型形式から別の保型形式を作り出す Rankin--Cohen ブラケットという作用素は、離散分解する表現から既約表現への絡作用素として得られることが知られており、近年でも多くの一般化が得られている。
また、等質空間の L^2 関数の空間の離散スペクトルを別の等質空間のものから構成するという結果にも用いられている。(T. Kobayashi, J. Funct. Anal. ('98))

本講演では、実簡約リー群の既約表現の制限の離散分解性について、小林俊行氏が提唱した離散分解性とG'-許容性の一般論と判定条件(Invent. math. '94, Annals of Math. '98, Invent. math. '98)を踏まえつつ、最近得られた結果を紹介したい。
表現の代数的な不変量である随伴多様体、解析的な不変量である wave front set、表現空間の位相、の三つを用いて離散分解性を記述する。