複素解析幾何セミナー
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開催情報 | 月曜日 10:30~12:00 数理科学研究科棟(駒場) 128号室 |
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担当者 | 平地 健吾, 高山 茂晴 |
2016年05月30日(月)
10:30-12:00 数理科学研究科棟(駒場) 128号室
大沢 健夫 氏 (名古屋大学)
レビ平坦面の幾何と$\overline{\partial}$-方程式 (JAPANESE)
大沢 健夫 氏 (名古屋大学)
レビ平坦面の幾何と$\overline{\partial}$-方程式 (JAPANESE)
[ 講演概要 ]
複素多様体上の局所擬凸領域がいつ正則凸になるかは複素解析における基本的な未解決問題である。現状は最終的な解決には程遠いが、射影空間やトーラスなどの場合にはよくわかっている。この問題に関しては、幾何学的な諸条件によって$\overline{\partial}$-方程式が解けたり解けなかったりする状況が詳しくわかってくると面白いのだが、その一つの成功例がレビ平坦面の理論である。レビ平坦面はコンパクトな複素多様体を実一次元分膨らませたようなもので、直積のような自明なものを除けば、トーラス上の非正則凸な擬凸領域の境界としてこのような構造が初めて現れた。以来、レビ平坦面の例が他にもいろいろあることが判明し、その結果分類問題が発生した。これも最終的な解決には程遠いのだが、幾つかの結果は$\overline{\partial}$-方程式の可解性に関する研究の果実となっており、「複素解析幾何らしさ」を持っている。集中講義のマクラとしてこの辺をサーベイしてみたい。
複素多様体上の局所擬凸領域がいつ正則凸になるかは複素解析における基本的な未解決問題である。現状は最終的な解決には程遠いが、射影空間やトーラスなどの場合にはよくわかっている。この問題に関しては、幾何学的な諸条件によって$\overline{\partial}$-方程式が解けたり解けなかったりする状況が詳しくわかってくると面白いのだが、その一つの成功例がレビ平坦面の理論である。レビ平坦面はコンパクトな複素多様体を実一次元分膨らませたようなもので、直積のような自明なものを除けば、トーラス上の非正則凸な擬凸領域の境界としてこのような構造が初めて現れた。以来、レビ平坦面の例が他にもいろいろあることが判明し、その結果分類問題が発生した。これも最終的な解決には程遠いのだが、幾つかの結果は$\overline{\partial}$-方程式の可解性に関する研究の果実となっており、「複素解析幾何らしさ」を持っている。集中講義のマクラとしてこの辺をサーベイしてみたい。