談話会・数理科学講演会

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担当者 足助太郎,寺田至,長谷川立,宮本安人(委員長)
セミナーURL https://www.ms.u-tokyo.ac.jp/seminar/colloquium/index.html

2010年07月02日(金)

16:30-17:30   数理科学研究科棟(駒場) 123号室
お茶&Coffee&お菓子: 16:00~16:30 (コモンルーム)。
宍倉光広 氏 (京都大学)
等角フラクタルのハウスドルフ次元と測度 (JAPANESE)
[ 講演概要 ]
自己相似なフラクタルや1次元複素力学系のジュリア集合などの「等角フラクタル」のハウスドルフ次元やハウスドルフ測度について解説する。カントールの3進集合やコッホ曲線など縮小的等角アファイン写像で定義される自己相似フラクタルについては、簡単にハウスドルフ次元を計算する公式がある。これは非線型な有理関数のジュリア集合についても、それが拡大的という条件をみたす場合にBowenの公式として拡張されている。この場合、リーマン球面全体にならないジュリア集合の面積(2次元ルベーグ測度)は0になる。これがいつでも成立するであろうという予想(複素力学系のAhlfors予想)があったが、これが最近BuffとCheritatにより否定的に解決された。講演では、ジュリア集合のハウスドルフ次元と測度にまつわる話題(たとえば指数関数のジュリア集合に関するKarpinskaのパラドックスなど)と、BuffとCheritatの証明の背後にある力学系の「くりこみ」というアイデアについて解説する。