談話会・数理科学講演会

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担当者 足助太郎,寺田至,長谷川立,宮本安人(委員長)
セミナーURL https://www.ms.u-tokyo.ac.jp/seminar/colloquium/index.html

2007年11月09日(金)

16:40-17:40   数理科学研究科棟(駒場) 123号室
お茶&Coffee&お菓子: 16:10~16:40(コモンルーム)
吉川謙一 氏 (東京大学数理科学)
解析的捩率と保型形式
[ 講演概要 ]
70年代にRayとSingerは位相幾何学におけるReidemeister捩率の解析的類似を考察し,解析的捩率と呼ばれるスペクトル不変量を導入した. de Rham複体とDolbeault複体に対応して, 解析的捩率には実解析的捩率と正則解析的捩率の二種類の理論があり,80年代から現在に至るBismutの研究により両理論は長足の発展を遂げた.
一般論が整備された後で講演者が興味を持ったのは,解析的捩率を具体的に計算するという問題であった.既にRayとSingerは正則解析的捩率を導入した論文の中で楕円曲線の正則解析的捩率を計算し,それが楕円曲線の判別式のノルムで与えられることを示していた. この講演では「楕円曲線の解析的捩率はモジュライ空間上の保型形式で与えられる」というRay-Singerの主張がどのように高次元化されるのかを対合付きK3曲面とEnriques曲面の場合を中心に概観したい. 時間が許せば, その他の場合(三次元Calabi-Yau多様体やAbel多様体等)についても言及したい.