東京無限可積分系セミナー

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開催情報 土曜日 13:30~16:00 数理科学研究科棟(駒場) 117号室
担当者 神保道夫、国場敦夫、山田裕二、武部尚志、高木太一郎、白石潤一
セミナーURL https://www.ms.u-tokyo.ac.jp/~takebe/iat/index-j.html

2007年06月16日(土)

13:30-16:00   数理科学研究科棟(駒場) 117号室
土岡俊介 氏 (京都大学数理解析研究所) 13:30-14:30
Lie theoretic structures for the generalized symmetric groups
[ 講演概要 ]
近年、Ariki, Brundan, Grojnowski, Kleshchev, Vazirani等によって、
modular表現論とKac-Moody Lie環/量子群といったLie theoreticな対象との関係が研究
されて来た。このうち対称群のmodular表現論については、

(1) 標数p>0において、対称群\\mathfrak{S}_nの(有限次元)表現のGrothendieck群の
(nを走らせた)直和には、Kac-Moody Lie環g(A^{1}_{p-1})のレベル1基本既約最高
weight表現の構造を入れることが出来る。

(2) 対称群の既約表現の同型類の直和には、量子群U_q(g(A^{1}_{p-1}))の
レベル1基本既約最高weight表現に付随する(Kashiwaraの意味での)結晶構造を
入れることが出来る。

と、その関係をまとめることが出来る。

講演者は以前、複素鏡映群(あるいは一般化対称群)G(m,1,n)のmodular分岐則の
研究において、(A^{(1)}_{p-1})^{\\otimes r}(ここでrはpとmから決まる自然数)
に付随する量子群との関係を示唆する結果を得たので、まずはそれを解説したい。
次に、G(m,1,n)における(1),(2)の対応物の構成する現在進行中の試みについて、
当日までに出来ているところを解説する予定である。

なお、G(m,1,n)の群環のq-変形と考えられているcyclotomic Hecke algebraにおいて、
qが1でない1の羃根の場合は既に(1),(2)の対応物が知られているので、時間が許せば
それとの比較についても解説したい。
渡辺文彦 氏 (北見工業大学) 15:00-16:00
Wirtinger 積分の構造について
[ 講演概要 ]
Wirtinger はガウスの超幾何函数 $_2F_1$ を一意化する目的でこれを
テータ函数の冪積の積分で表わす表示を1902年に得た.Wirtinger の発見以降,
この積分に関する組織的な研究は講演者の調べた限りではほとんど無いのであるが,
この積分を講演者は前述に因んで Wirtinger 積分と呼んでいる.
この積分は実質的には超幾何函数なのであるが,あえてこの事実を忘れテータ函数の
公式のみを用いて Wirtinger 積分のみたすさまざまな関係式を導出することが
できれば,それはテータ函数論の観点からのガウスの超幾何函数論の再構成と
見做すことができる.
実際,講演者はこの立場から超幾何函数の接続行列やモノドロミー行列,微分方程式の
再導出を最近おこなった.また,講演者がこの積分に注目しているもうひとつの
理由は,超幾何函数の新しい一般化の可能性が Wirtinger 積分に見えているという
ことである.
本講演では Wirtinger 積分と超幾何函数との関係および一般化の可能性について,
講演者のおこなった方法および得た結果を中心に,妄想を交えつつ解説する.
数学のスタイルは古典解析的である(真古典解析ではないが新古典的か).
小生は世間の情報にうといので,講演中などにWirtinger 積分の関連で
何らかの情報をご教示いただければ幸いです.