数値解析セミナー

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開催情報 火曜日 16:30~18:00 数理科学研究科棟(駒場) 002号室
担当者 齊藤宣一、柏原崇人
セミナーURL https://sites.google.com/g.ecc.u-tokyo.ac.jp/utnas-bulletin-board/

2012年04月24日(火)

16:30-18:00   数理科学研究科棟(駒場) 002号室
本セミナーは、グローバルCOE事業「数学新展開の研究教育拠点」(東京大学)の援助を受け、GCOEセミナーして行われています。
https://www.ms.u-tokyo.ac.jp/gcoe/index.html

石川英明 氏 (半導体先端テクノロジーズ)
量子力学と数値解析 (JAPANESE)
[ 講演概要 ]
量子力学は、粒子が粒子性と波動性の両方を持つ現象を扱う力学である。運動す
る粒子はde Broglie波長$\\lambda=h/p$($h$はPlanck定数、$p$は運動量)
を持ち、その運動は確率 振幅に対するSchr{\\" o}dinger方程式に従う。
粒子の波動性は、粒子のde Broglie波長と同程度のサイズを持つ系
で顕著に表れる。そうした系の例は、原子や分子内の電子、半導体
超格子内の電子や正孔、等である。量子力学は物質の構造と性質を
ミクロな階 層で理解し、利用するための基礎を与える。
Schr{\\" o}dinger方程式の解法には、特殊関数を使って解析的に解く方
法や近似法がある。これらは量子力学の理解や定性的な議論に有用
である。しかしながら、解析解が得られる例は限られており、近似
法の適用範囲は意外と狭い。このため、数値解析が不可欠である。
ところで、世の中で扱われている現実の物質系に量子力学を適用し
て知見を得るためには、高い数値計算精度が必要である。高精度が
得られなかった既存の数値解析の手法を見直すことで、我々は、高
精度かつ単純、高速な新しい計算手法を発展させてきた。本講演で
は、これらの発展を述べる。始めに、量子力学の概要、量子力学と
数値計算との関係、数値計算への要請と課題を述べる。次に、高精
度な補間、数値微分、数値積分の計算手法を述べる。更に、一次元
の固有値問題と中心力場の動径固有値問題では、ポテンシャルを与
えてSchr{\\" o}dinger方程式の固有値と固有関数を計算するための高精
度数値解法とその応用例を述べる。原子構造計算では、多体系の
Schr{\\" o}dinger方程式に平均場近似 (Hartree近似等)を導入して得
られる2階連立非線形常微分方程式を解くために、ポテンシャル計
算とセルフ・コンシステント計算を高精度に行う方法とそれらの結
果について述べる。
[ 参考URL ]
http://www.infsup.jp/utnas/