応用解析セミナー

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開催情報 木曜日 16:00~17:30 数理科学研究科棟(駒場) 号室
担当者 石毛 和弘,宮本 安人,三竹 大寿,高田 了
セミナーURL https://www.ms.u-tokyo.ac.jp/seminar/applana/index.html

2026年01月15日(木)

16:00-17:30   数理科学研究科棟(駒場) 002号室
小林徹也 氏 (東京大学生産技術研)
化学反応系が内包する離散幾何解析構造について (Japanese)
[ 講演概要 ]
化学反応ネットワークの理論は、1880年代の化学熱力学と化学反応速度論の成立を起点に、以後100年にわたり化学や物理のみならず生化学やシステム生物学などでも広く活用され発展してきた。 その数学面に着眼すると、化学反応ネットワークはハイパーグラフ構造上の決定論的・確率論的なダイナミクスの具体事例となっており、力学系理論のみならず、グラフ理論や離散数学とも関連して深化してきた。更に近年では実代数幾何学や幾何解析との関連が見出されるに至っている。 本発表では、我々の貢献も含めたこの分野の近年の発展、特に化学反応ネットワークの離散幾何解析構造を紹介する。ユークリッド空間や連続多様体上の分布を扱う連続幾何解析に対して、反応ネットワークはハイパーグラフ上の非負密度の性質を扱い、連続幾何解析のある種の拡張として情報幾何学や一般化勾配流の理論と密接な関連を持つ。このような数理構造を扱うことで、多様な反応システムを扱えるだけでなく、反応システムの確率最適制御などが可能になる。 本発表では、この研究の発展として我々が開始した離散・連続幾何解析の統合と応用に関するプロジェクトについても概説する。