東京名古屋代数セミナー

過去の記録 ~12/07次回の予定今後の予定 12/08~

担当者 阿部 紀行、Aaron Chan、伊山 修、行田 康晃、中岡 宏行、高橋 亮
セミナーURL http://www.math.nagoya-u.ac.jp/~aaron.chan/TNAseminar.html

過去の記録

2024年10月23日(水)

10:30-12:00   オンライン開催
行田 康晃 氏 (東京大学)
一般化マルコフ数とそのSL(2,Z)行列化 (Japanese)
[ 講演概要 ]
マルコフ数とは、マルコフ方程式 $x^2 + y^2 + z^2 =3xyz$の正整数解に現れる整数である。私は、共同研究者の松下浩大氏とともに、2021年から2022年にかけてこのマルコフ方程式を一般化し、次の形に拡張した。

$x^2 + y^2 + z^2 + k(yz + zx + xy) = (3 + 3k)xyz$ ($k$は非負整数)

この方程式を「$k$ 一般化マルコフ方程式」と呼び、その正整数解に現れる数を「$k$一般化マルコフ数」とする。私は、このクラスの方程式およびその解に関連する数が、古典的なマルコフ方程式やマルコフ数と同様の性質を保持していることを明らかにした。

今回の発表では、これらのマルコフ数および $k$ 一般化マルコフ数を $(1,2)$ 成分に持つ $2 \times 2$ 行列(特に $SL(2,\mathbb{Z})$の元)を導入する。そしてこの行列が、マルコフ数や一般化マルコフ数に備わる組み合わせ構造を保存することを説明する。さらにその応用として、スネークグラフの完全マッチングを利用して、既約分数から$k$一般化マルコフ数を計算する方法を紹介する予定である。

ミーティング ID: 871 0903 4557
パスコード: 788435
[ 講演参考URL ]
https://www.math.nagoya-u.ac.jp/~aaron.chan/TNAseminar.html

2024年06月28日(金)

16:30-18:00   オンライン開催
齋藤峻也 氏 (東京大学)
Classifying KE-closed subcategories (Japanese)
[ 講演概要 ]
圏の局所化や導来圏のt構造、傾加群とその変異など種々の理論と関連して、これまで様々な種類のアーベル圏の部分圏が導入・研究されてきた。とくに環を固定したとき、その加群圏にはどのような部分圏があり、それらはどのように分類されるのかという問題は環の表現論において活発に研究されてきた。可換環の場合には、様々な部分圏がプライム・スペクトラムを用いて分類できることや、一般のアーベル圏では異なるクラスの部分圏が一致してしまうことなどがこれまでの研究で明らかにされてきた。
本公演では、進行中の可換環上の加群圏におけるKE閉部分圏(=核と拡大で閉じる部分圏)の分類について話す。とくに良いクラスの可換環に対してはKE閉部分圏がプライム・スペクトラムを用いて分類できることや他のクラスの部分圏と一致してしまうことを紹介する。またこれらを示すうえで加群の自己準同型環の中心の考察が重要な役割を果たしており、その性質やKE閉部分圏の分類との関係について述べる。分類に関する予想や関連する問題についても述べたいと考えている。
本公演の内容は小林稔周氏(明治大学)との共同研究に基づく。

ミーティング ID: 890 0928 7250
パスコード: 360908
[ 講演参考URL ]
http://www.math.nagoya-u.ac.jp/~aaron.chan/TNAseminar.html

2024年06月21日(金)

16:30-18:00   オンライン開催
伊藤 大悟 氏 (UC Berkeley)
松井スペクトラムを用いた復元定理の再解釈 (Japanese)
[ 講演概要 ]
代数多様体X上の連接層の導来圏は多くの幾何学的情報を含んでいることが知られており,特にBondal-OrlovとBallard氏によってXがGorenstein (反)Fano多様体の場合は導来圏の三角圏構造からXを復元できることが示されている.一方で一般の代数多様体XについてもBalmer氏によって導来圏の三角圏構造と導来テンソル積によるモノイダル構造の組からXを復元できることが示されている.本講演では近年松井氏によって導入された三角圏の松井スペクトラムを用いることでBalmer氏による復元をモノイダル構造なしでどの程度理解することができるかという問いから出発し,この視点からBondal-OrlovとBallard氏の復元定理に完全な別証明を与える.この別証明をもとにこの復元定理のさらなる一般化やFavero氏によるいくつかの関連する復元定理の別証明や一般化に関しても解説する.またこの視点を採用することでFourier-Mukaiパートナーが複数存在する場合にどのように復元問題を考えることができるかについても双有理幾何との関係にも触れつつ時間が許す限り解説する.一部の内容は徳島大学の松井氏との共同研究(arXiv:2405.16776)に基づく.
[ 講演参考URL ]
http://www.math.nagoya-u.ac.jp/~aaron.chan/TNAseminar.html

2024年06月07日(金)

16:30-18:00   オンライン開催
柴田 大樹 氏 (岡山理科大学)
スーパー代数群の表現と奇鏡映について (Japanese)
[ 講演概要 ]
良く知られているように分裂簡約代数群の表現論は,原理的には付随するルート・データ(やワイル群)の言葉で記述することが可能であり,既約表現の分類や指標理論などの研究が今日に至るまで盛んに行われてきている.一方で,スーパー代数群は対称テンソル圏の理論で本質的な役割を果たす(Deligneの定理)ことは知られていたが,それ自体の構造論や表現論に関する研究はまだ始まったばかりであり,非スーパーのときと比べて十分理解されているとは言い難い.例えば「付随するルート系の言葉で既約表現のパラメータを記述せよ」という問いは基本的であるにもかかわらず,いくつかのスーパー代数群に対してしか解決されていない.その理由としては,スーパーの場合はルートやボレル部分群の振る舞いが特異であり,そのコントロールが難しいという点があげられる.

本講演では,スーパー代数群の定義から始めて,いくつかの具体例をそのルート系とともに見ていく.そして誘導表現を用いた既約表現の構成法を紹介し,現状でどこまで(既約)表現に関して分かっているのか,またどのような困難があるのかを具体例を見ながら解説する.その後に
Serganova らによって導入された(ワイル群のある意味の補完である)奇鏡映と呼ばれる操作が,スーパー代数群の誘導表現に対してどのように振る舞うかを解説する.

ミーティング ID: 858 1659 5222
パスコード: 692360
[ 講演参考URL ]
http://www.math.nagoya-u.ac.jp/~aaron.chan/TNAseminar.html

2024年03月14日(木)

10:30-12:00   オンライン開催
酒井 嵐士 氏 (名古屋大学)
Lattices of torsion classes in representation theory of finite groups (Japanese)
[ 講演概要 ]
多元環の表現論においてtorsion classは古くから重要な部分圏の1つである。特にtorsion classの包含関係から得られるtorsion classの束は近年盛んに研究されており、wide intervalやbrick labellingはさまざまな良い性質が知られている。本講演では有限群の表現論においてtorsion classの束を観察する。具体的には有限群とその正規部分群の群環上の有限生成加群の圏においてtorsion classの束をそれぞれ考え、表現の誘導と制限がこれらの間に良い対応を誘導することを紹介する。また小塩-小境による台tau傾加群と誘導関手に関する結果、有限群の表現論における基本的な結果であるCliffordの定理が上記の良い対応とどのように関連するかを説明する。本講演は東京理科大学の小境雄太氏との共同研究(arXiv:2312.07299)に基づく。
[ 講演参考URL ]
http://www.math.nagoya-u.ac.jp/~aaron.chan/TNAseminar.html

2024年01月11日(木)

10:30-12:00   オンライン開催
藤田 遼 氏 (京都大学数理解析研究所)
量子Grothendieck環とその量子団代数構造について (Japanese)
[ 講演概要 ]
量子Grothendieck環は量子ループ代数の有限次元表現の成すモノイダル圏のGrothendieck環の1パラメータ変形であり、既約表現のq指標の決定アルゴリズムに関する予想(Kazhdan-Lusztig型予想)の定式化に用いられる。この予想はADE型の場合には箙多様体の幾何を用いて証明されるが、残りのBCFG型の場合は現時点で未解決である。近年、量子ループ代数の有限次元表現論において、団代数のモノイダル圏化が盛んに研究されている。本講演ではその量子アナローグとして、量子Grothendieck環が量子団代数の構造を持ち、到達可能な(=団単項式に対応する)既約表現に対して新たにKazhdan-Lusztig型予想が正しいことを説明する。これはDavidHernandez氏、Se-jin Oh氏、大矢浩徳氏との共同研究(arXiv:2304.02562)に基づく。
[ 講演参考URL ]
http://www.math.nagoya-u.ac.jp/~aaron.chan/TNAseminar.html

2023年12月26日(火)

15:00-16:30   数理科学研究科棟(駒場) ハイブリッド・002号室
ハイブリッドです。Zoomの詳細は参考URLをご覧ください。
Ivan Losev 氏 (Yale University)
t-structures on the equivariant derived category of the Steinberg scheme (English)
[ 講演概要 ]
The Steinberg scheme and the equivariant coherent sheaves on it play a very important role in Geometric Representation theory. In this talk we will discuss various t-structures on the equivariant derived category of the Steinberg of importance for Representation theory in positive characteristics. Based on arXiv:2302.05782.
[ 講演参考URL ]
http://www.math.nagoya-u.ac.jp/~aaron.chan/TNAseminar.html

2023年12月14日(木)

10:30-12:00   オンライン開催
Xiaofa Chen 氏 (University of Science and Technology of China)
On exact dg categories (English)
[ 講演概要 ]
In this talk, I will give an introduction to exact dg categories and then explore their application to various correspondences in representation theory. We will generalize the Auslander–Iyama correspondence, the Iyama–Solberg correspondence, and a correspondence considered in a paper by Iyama in 2005 to the setting of exact dg categories. The slogan is that solving correspondence-type problems becomes easier using dg categories, and interesting phenomena emerge when the dg category is concentrated in degree zero or is abelian.
[ 講演参考URL ]
http://www.math.nagoya-u.ac.jp/~aaron.chan/TNAseminar.html

2023年10月12日(木)

10:30-12:00   オンライン開催
任 鑫 氏 (関西大学)
q-deformed rational numbers, Farey sum and a 2-Calabi-Yau category of A_2 quiver (English)
[ 講演概要 ]
Let q be a positive real number. The left and right q-deformed rational numbers were introduced by Bapat, Becker and Licata via regular continued fractions, and the right q-deformed rational number is exactly q-deformed rational number considered by Morier-Genoud and Ovsienko, when q is a formal parameter. They gave a homological interpretation for left and right q-deformed rational numbers by considering a special 2-Calabi–Yau category associated to the A_2 quiver.

In this talk, we begin by introducing the above definitions and related results. Then we give a formula for computing the q-deformed Farey sum of the left q-deformed rational numbers based on the negative continued fractions. We combine the homological interpretation of the left and right q-deformed rational numbers and the q-deformed Farey sum, and give a homological interpretation of the q-deformed Farey sum. We also apply the above results to real quadratic irrational numbers with periodic type.
[ 講演参考URL ]
http://www.math.nagoya-u.ac.jp/~aaron.chan/TNAseminar.html

2023年08月24日(木)

10:30-12:00   オンライン開催
淺井 聡太 氏 (東京大学)
TF equivalence on the real Grothendieck group (Japanese)
[ 講演概要 ]
$A$を体$K$上の有限次元多元環とするとき、有限生成射影加群圏の実Grothendieck群$K_0(\mathsf{proj} A)_\mathbb{R}$は、Euclid空間と同一視できる。Baumann-Kamnitzer-Tingleyは、各元$\theta \in K_0(\mathsf{proj} A)_\mathbb{R}$に対し、商加群や部分加群に関する線型不等式を用いて、有限生成加群圏$\mathsf{mod} A$の半安定ねじれ対を定めており、これをもとに私は、$K_0(\mathsf{proj} A)_\mathbb{R}$上の同値関係「TF同値」を導入した。TF同値類の典型例として、ホモトピー圏$\mathsf{K}^\mathrm{b}(\mathsf{proj} A)$の2-term presilting complex $U$の直既約因子が定める錐$C^\circ(U)$が挙げられ、これを$U$のsilting coneと呼ぶ。TF同値の研究には、silting coneのみならず、その適切な近傍をとることが有効であり、私はやはり半安定ねじれ対を用いて、各2-term presilting complex $U$に対し、「区間近傍」と呼ばれる$C^\circ(U)$の開近傍$N_U$を定め、この$N_U$が様々な良い性質を満たしていることを証明した。この講演では、上記の概念について、じっくりと時間をかけて解説する。一部の内容は、伊山修氏(東京大学)との共同研究に基づく。
[ 講演参考URL ]
http://www.math.nagoya-u.ac.jp/~aaron.chan/TNAseminar.html

2023年07月14日(金)

10:30-12:00   オンライン開催
Michael Wemyss 氏 (University of Glasgow)
Local Forms of Noncommutative Functions and Applications (English)
[ 講演概要 ]
This talk will explain how Arnold's results for commutative singularities can be extended into the noncommutative setting, with the main result being a classification of certain Jacobi algebras
arising from (complete) free algebras. This class includes finite dimensional Jacobi algebras, and also Jacobi algebras of GK dimension one, suitably interpreted. The surprising thing is that a classification should exist at all, and it is even more surprising that ADE enters.

I will spend most of my time explaining what the algebras are, what they classify, and how to intrinsically extract ADE information from them. At the end, I'll explain why I'm really interested in this problem, an update including results on different quivers, and the applications of the above classification to curve counting and birational geometry. This is joint work with Gavin Brown.

Meeting ID: 863 9598 8196
passcode: 423160
[ 講演参考URL ]
http://www.math.nagoya-u.ac.jp/~aaron.chan/TNAseminar.html

2023年07月07日(金)

15:00-16:30   オンライン開催
浅芝 秀人 氏 (静岡大学・京都大学高等研究院・大阪公立大学数学研究所)
クイバー表現のパーシステンス加群への応用: 区間加群による近似と分解 (Japanese)
[ 講演概要 ]
位相的データ解析では,入力データーは,d次元ユークリッド空間内の有限個の点からなる集合"点雲" P の形で与えられ,各 r = 0, 1, ..., d に対して,パーシステントホモロジー群H_r(P)が計算される。これはある自然数nに対する,同方向A_n型クイバーQのある体k上の表現になっている。Gabrielの定理より,直既約表現の完全代表系は"区間"表現 V_I (I:= [a,b], 1 ≦ a ≦ b ≦ n)の全体で与えられる。Qの各表現Mに対して,d_M(I)をMの直既約分解におけるV_Iの重複度とすると,列d_M:= (d_M(I))_I は同型のもとでのMの完全不変量になっている。この重複度をkQのAuslander-Reiten quiver上にプロットした図をMのパーシステント図とよぶ。族(H_r(P))_r はPに関する重要な情報を保存し,応用研究で活用されるが,パーシステント図d_{H_r(P)}を用いて,これを解析することができる。次にPが他のパラメーター,例えば時間とともに変化する場合,この方法により2次元パーシステンス加群が定義され,さらに多次元に一般化される。これが位相的データ解析での代数的アプローチの主な研究対象になる。一般にm次元パーシステンス加群はm次元格子の形のクイバーQに関係式を入れた多元環上の加群と理解される。この場合1次元の場合と異なり多元環はほとんどワイルド表現型になるため,リアルタイムで直既約加群の重複度d_Mを計算しそれを比較するのは困難になる。上に述べたもとの意味の区間表現は,Q上の連結かつ凸な部分クイバーを台とする"区間加群"に一般化される。d_Mの代わりにMのこれら区間加群の直和によってMを近似することによりリアルタイム性を保証する方法が考えられる。この講演では2通りの意味の近似を提示しそれらの関係を与える。この講演は,エスカラ,中島,吉脇の各氏との共同研究に基づく。

ミーティングID: 844 0560 1675
パスコード: 381661
[ 講演参考URL ]
http://www.math.nagoya-u.ac.jp/~aaron.chan/TNAseminar.html

2023年05月16日(火)

15:00-16:30   オンライン開催
Antoine de Saint Germain 氏 (University of Hong Kong)
Cluster-additive functions and frieze patterns with coefficients (English)
[ 講演概要 ]
In his study of combinatorial features of cluster categories and cluster-tilted algebras, Ringel introduced an analogue of additive functions of stable translation quivers called cluster-additive functions.

In the first part of this talk, we will define cluster-additive functions associated to any acyclic mutation matrix, relate them to mutations of the cluster X variety, and realise their values as certain compatibility degrees between functions on the cluster A variety associated to the Langlands dual mutation matrix (in accordance with the philosophy of Fock-Goncharov). This is based on joint work with Peigen Cao and Jiang-Hua Lu. In the second part of this talk, we will introduce the notion of frieze patterns with coefficients based on joint work with Min Huang and Jiang-Hua Lu. We will then discuss their connection with cluster-additive functions.

ミーティングID: 815 4247 1556
パスコード: 742240
[ 講演参考URL ]
http://www.math.nagoya-u.ac.jp/~aaron.chan/TNAseminar.html

2023年04月28日(金)

13:00-14:30   オンライン開催
オンライン開催の詳細は講演参考URLをご覧ください。
大谷 拓己 氏 (大阪大学)
Full exceptional collections associated with Bridgeland stability conditions (Japanese)
[ 講演概要 ]
The space of Bridgeland stability conditions on a triangulated category is important in mirror symmetry and many people develop various techniques to study it. In order to study the homotopy type of the space of stability conditions, Macri studied stability conditions associated with full exceptional collections. Based on his work, Dimitrov-Katzarkov introduced the notion of a full σ-exceptional collection for a stability condition σ.

In this talk, I will explain the relationship between full exceptional collections and stability conditions and some properties. I will also talk about the existence of full σ-exceptional collections for the derived category of an acyclic quiver.
[ 講演参考URL ]
http://www.math.nagoya-u.ac.jp/~aaron.chan/TNAseminar.html

2023年04月21日(金)

13:00-14:30   オンライン開催
オンライン開催の詳細は講演参考URLをご覧ください。
村上 浩大 氏 (東京大学)
Categorifications of deformed Cartan matrices (Japanese)
[ 講演概要 ]
In a series of works of Gei\ss-Leclerc-Schr\″oer, they introduced a version of preprojective algebra associated with a symmetrizable generalized Cartan matrix and its symmetrizer. For finite type, it can be regarded as an un-graded analogue of Jacobian algebra of certain quiver with potential appeared in the theory of (monoidal) categorification of cluster algebras.

In this talk, we will present an interpretation of graded structures of the preprojective algebra of general type, in terms of a multi-parameter deformation of generalized Cartan matrix and relevant combinatorics motivated from several contexts in the theory of quantum loop algebras or quiver $\mathcal{W}$-algebras. From the vantage point of the representation theory of preprojective algebra, we will prove several purely combinatorial properties of these concepts. This talk is based on a joint work with Ryo Fujita (RIMS).
[ 講演参考URL ]
http://www.math.nagoya-u.ac.jp/~aaron.chan/TNAseminar.html

2023年02月10日(金)

17:00-18:30   オンライン開催
オンライン開催の詳細は講演参考URLをご覧ください。
原 和平 氏 (University of Glasgow)
Silting discrete代数上のsemibrick複体とspherical objects (Japanese)
[ 講演概要 ]
Silting discrete代数は導来圏のt構造に関してある種の離散性を満たす有限次元代数であり,代数の表現論の分野で研究されている.(semi)brick複体は導来圏の対象であって,単純加群(の直和)が持つ性質を一般化した条件で定義される.本講演ではまず「silting discrete代数上のsemibrick複体は,実際にとある有界t構造の核として現れる部分Abel圏の単純対象の直和である」という分類結果について紹介する.実際はより強く,負の次数の自己Extが消滅するという条件で,ある有界t構造の核に含まれる対象が特徴づけられるという定理を証明し,semibrick複体の分類はその系となる. 後半では幾何学的な側面について紹介する.ある3次元フロップ収縮に対して,Donovan-Wemyssによって定義されたcontraction algebraという有限次元代数はsilting discrete代数の例を与える.このときbrick複体はSeidel-Thomasによって定義されたspherical objectの一般化として捉えることができ,代数幾何やシンプレクティック幾何において自己同値群の決定問題やBridgeland安定性条件の空間の連結性の問題と絡む,幾何学的にも重要な対象である.この背景をもう少し詳しく整理したのち,前半のsemibrick複体の分類結果で用いる手法がこの幾何学的状況にも拡張し,この分野の中心問題のひとつであるspherical objectの分類定理を導くことを紹介する.同様の手法は2次元Kleinian特異点の部分クレパント解消に対しても機能し,これら全ての状況で,null圏と呼ばれる導来圏の部分三角圏の有界t構造の分類や,Bridgeland安定性条件の空間の連結性などを導く.本講演の内容は全てMichael Wemyss氏との共同研究です.

ミーティングID: 872 4679 8561
パスコード: 124239
[ 講演参考URL ]
http://www.math.nagoya-u.ac.jp/~aaron.chan/TNAseminar.html

2023年01月20日(金)

10:30-12:00   オンライン開催
オンライン開催の詳細は講演参考URLをご覧ください。
狩野 隼輔 氏 (東北大学)
Tropical cluster transformations and train track splittings (Japanese)
[ 講演概要 ]
Fock-Goncharovは箙に対し、クラスター代数と呼ばれる組み合わせ構造を持つような概形であるクラスター多様体を定義した。
この概形は良い正値性を持つことから、半体値集合を考えることができる。
箙が点付き曲面の三角形分割から得られるとき、トロピカル半体値集合は曲面の測度付き葉層構造の空間の適切な拡張と同一視される。
クラスター多様体のトロピカル半体値集合はクラスター構造から定まるPL構造を持つが、一方で曲面の測度付き葉層構造の空間にはトレイントラックと呼ばれるグラフを用いたPL構造が定まることが知られている。
本講演では、Goncharov-Shenのクラスター多様体上のLandau-Ginzburgポテンシャル関数のトロピカル化を通してトレイントラックを翻訳し、2つのPL構造が同値であることを確認する。
またこれの応用として、一般の擬Anosov写像類が符号安定性と呼ばれる性質を持つことを説明する。

ミーティングID: 820 6834 6105
パスコード: 039914
[ 講演参考URL ]
http://www.math.nagoya-u.ac.jp/~aaron.chan/TNAseminar.html

2022年10月20日(木)

16:40-18:10   オンライン開催
オンライン開催の詳細は講演参考URLをご覧ください。
Martin Kalck 氏 (Freiburg University)
A surface and a threefold with equivalent singularity categories (English)
[ 講演概要 ]
We discuss a triangle equivalence between singularity categories of an
affine surface and an affine threefold.
Both are isolated cyclic quotient singularities.
This seems to be the first (non-trivial) example of a singular
equivalence involving varieties of even and odd Krull dimension.

The same approach recovers a result of Dong Yang showing a singular
equivalence between certain cyclic quotient singularities in dimension
2 and certain finite dimensional commutative algebras.

This talk is based on https://arxiv.org/pdf/2103.06584.pdf
[ 講演参考URL ]
http://www.math.nagoya-u.ac.jp/~aaron.chan/TNAseminar.html

2022年07月20日(水)

10:30-12:00   オンライン開催
オンライン開催の詳細は講演参考URLをご覧ください。
今村 悠希 氏 (大阪大学)
Grothendieck enriched categories (Japanese)
[ 講演概要 ]
Grothendieck圏は、入射的余生成子の存在や随伴関手定理の成立など、アーベル圏の中でも特に良い性質を持つことで知られる。通常Grothendieck圏は、生成子を持つ余完備なアーベル圏であって、フィルター余極限を取る関手が完全関手になるような圏として内在的な性質で以て定義されるが、加群圏の"良い部分圏"として実現できるという外在的な特徴づけ(Gabriel-Popescuの定理)も存在する。アーベル圏が自然なプレ加法圏(アーベル群の圏Ab上の豊穣圏)の構造を持つことから、Gabriel-Popescuの定理はAb-豊穣圏に対する定理だと思うことができる。本講演では、より一般のGrothendieckモノイダル圏V上の豊穣圏に対してGabriel-Popescuの定理の一般化を定式化し証明する。特にVとしてアーベル群の複体の圏Chを取ることによりGrothendieck圏のdg圏類似とそのGabriel-Popescuの定理が得られることも確認する。
[ 講演参考URL ]
https://www.math.nagoya-u.ac.jp/~aaron.chan/TNAseminar.html

2022年07月06日(水)

10:30-12:00   オンライン開催
オンライン開催の詳細は講演参考URLをご覧ください。
Nicholas Williams 氏 (東京大学)
Cyclic polytopes and higher Auslander--Reiten theory 3 (English)
[ 講演概要 ]
This continues part 2. In the third talk, we consider the relationship between the objects from the first two talks. We explain how triangulations of even-dimensional cyclic polytopes may be interpreted in terms of tilting modules, cluster-tilting objects, or d-silting complexes. We then proceed in the d-silting framework, and show how the higher Stasheff--Tamari orders may be interpreted algebraically for even dimensions. We explain how this allows one to interpret odd-dimensional triangulations algebraically, namely, as equivalence classes of d-maximal green sequences. We briefly digress to consider the issue of equivalence of maximal green sequences itself. We then show how one can interpret the higher Stasheff--Tamari orders on equivalence classes of d-maximal green sequences. We finish by drawing out some consequences of this algebraic interpretation of the higher Stasheff--Tamari orders.
[ 講演参考URL ]
https://www.math.nagoya-u.ac.jp/~aaron.chan/TNAseminar.html

2022年06月29日(水)

10:30-12:00   オンライン開催
オンライン開催の詳細は講演参考URLをご覧ください。
Nicholas Williams 氏 (東京大学)
Cyclic polytopes and higher Auslander--Reiten theory 2 (English)
[ 講演概要 ]
This continues part 1. In the second talk, we focus on higher Auslander--Reiten theory. We survey the basic setting of this theory, starting with d-cluster-tilting subcategories of module categories. We then move on to d-cluster-tilting subcategories of derived categories in the case of d-representation-finite d-hereditary algebras. We explain how one can construct (d + 2)-angulated cluster categories for such algebras, generalising classical cluster categories. We finally consider the d-almost positive category, which is the higher generalisation of the category of two-term complexes. Throughout, we illustrate the results using the higher Auslander algebras of type A, and explain how the different categories can be interpreted combinatorially for these algebras.
[ 講演参考URL ]
https://www.math.nagoya-u.ac.jp/~aaron.chan/TNAseminar.html

2022年06月22日(水)

17:00-18:30   オンライン開催
オンライン開催の詳細は講演参考URLをご覧ください。
Martin Kalck 氏 (Freiburg University)
Update on singular equivalences between commutative rings (English)
[ 講演概要 ]
We will start with an introduction to singularity categories, which were first studied by Buchweitz and later rediscovered by Orlov. Then we will explain what is known about triangle equivalences between singularity categories of commutative rings, recalling results of Knörrer, D. Yang (based on our joint works on relative singularity categories. This result also follows from work of Kawamata and was generalized in a joint work with Karmazyn) and a new equivalence obtained in arXiv:2103.06584.

In the remainder of the talk, we will focus on the case of Gorenstein isolated singularities and especially hypersurfaces, where we give a complete description of quasi-equivalence classes of dg enhancements of singularity categories, answering a question of Keller & Shinder. This is based on arXiv:2108.03292.
[ 講演参考URL ]
https://www.math.nagoya-u.ac.jp/~aaron.chan/TNAseminar.html

2022年06月15日(水)

10:30-12:00   オンライン開催
オンライン開催の詳細は講演参考URLをご覧ください。
Nicholas Williams 氏 (東京大学)
Cyclic polytopes and higher Auslander--Reiten theory 1 (English)
[ 講演概要 ]
In this series of three talks, we expand upon the previous talk given at the seminar and study the relationship between cyclic polytopes and higher Auslander--Reiten theory in more detail.
http://www.math.nagoya-u.ac.jp/~aaron.chan/TNA/2021/Williams-Cyclic_polytopes_and_higher_AR.pdf

In the first talk, we focus on cyclic polytopes. We survey important properties of cyclic polytopes, such as different ways to construct them, the Upper Bound Theorem, and their Ramsey-theoretic properties. We then move on to triangulations of cyclic polytopes. We give efficient combinatorial descriptions of triangulations of even-dimensional and odd-dimensional cyclic polytopes, which we will use in subsequent talks. We finally define the higher Stasheff--Tamari orders on triangulations of cyclic polytopes. We give important results on the orders, including Rambau's Theorem, and the equality of the two orders.
[ 講演参考URL ]
https://www.math.nagoya-u.ac.jp/~aaron.chan/TNAseminar.html

2022年06月08日(水)

10:30-12:00   オンライン開催
オンライン開催の詳細は講演参考URLをご覧ください。
吉永 正彦 氏 (大阪大学)
超平面配置の特性準多項式 II (Japanese)
[ 講演概要 ]
n ベクトル空間内の (n-1) 次元(アフィン)部分空間のいくつかの集まりを超平面配置という。ルート系、コクセター群、配置空間など様々な文脈で自然に表れる対象である。超平面配置の重要な不変量の一つとして「特性多項式」が挙げられる。特性多項式は(実配置の)部屋数、(複素配置の)補集合のポアンカレ多項式、(有限体上の)点の数など様々な情報を持っている。本講演では、アフィンルート系のある種の有限部分配置を主な対象に、特性多項式の性質や計算方法を、特に 2007年に Kamiya-Takemura-Terao により導入された「特性準多項式」に焦点をあてて紹介する。特性準多項式は特性多項式の精密化であるだけでなく、当初から多面体のEhrhart理論(格子点の数え上げ理論)との密接な関係が示唆されていた。特性多項式よりは複雑で扱いにくい側面もあるが、その複雑さの中に、代数的トーラス内のトーラス配置の位相幾何的情報や多面体の対称性に関する情報が見えてくるという最近の研究を紹介したい。
[ 講演参考URL ]
http://www.math.nagoya-u.ac.jp/~aaron.chan/TNAseminar.html

2022年06月01日(水)

10:30-12:00   オンライン開催
オンライン開催の詳細は講演参考URLをご覧ください。
吉永 正彦 氏 (大阪大学)
超平面配置の特性準多項式 I (Japanese)
[ 講演概要 ]
n ベクトル空間内の (n-1) 次元(アフィン)部分空間のいくつかの集まりを超平面配置という。ルート系、コクセター群、配置空間など様々な文脈で自然に表れる対象である。超平面配置の重要な不変量の一つとして「特性多項式」が挙げられる。特性多項式は(実配置の)部屋数、(複素配置の)補集合のポアンカレ多項式、(有限体上の)点の数など様々な情報を持っている。本講演では、アフィンルート系のある種の有限部分配置を主な対象に、特性多項式の性質や計算方法を、特に 2007年に Kamiya-Takemura-Terao により導入された「特性準多項式」に焦点をあてて紹介する。特性準多項式は特性多項式の精密化であるだけでなく、当初から多面体のEhrhart理論(格子点の数え上げ理論)との密接な関係が示唆されていた。特性多項式よりは複雑で扱いにくい側面もあるが、その複雑さの中に、代数的トーラス内のトーラス配置の位相幾何的情報や多面体の対称性に関する情報が見えてくるという最近の研究を紹介したい。
[ 講演参考URL ]
http://www.math.nagoya-u.ac.jp/~aaron.chan/TNAseminar.html

12 次へ >