東京名古屋代数セミナー

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担当者 阿部 紀行、Aaron Chan、伊山 修、行田 康晃、中岡 宏行、高橋 亮
セミナーURL http://www.math.nagoya-u.ac.jp/~aaron.chan/TNAseminar.html

2021年03月11日(木)

16:00-17:30   オンライン開催
オンライン開催の詳細は下記URLをご覧ください。
和地 輝仁 氏 (北海道教育大学)
相対不変式で生成されるゴレンスタイン環のレフシェッツ性 (Japanese)
[ 講演概要 ]
可換環論にアルチン次数環のレフシェッツ性の問題がある。これは、コホモロジー環が満たす性質を抽出した性質である。表現論的に興味のある環、例えば、複素鏡映群の余不変式環のほぼすべてがレフシェッツ性を持つことが証明されていたり、Schur-Weyl双対性に関わる環がレフシェッツ性を持つことも知られている。

他方、斉次多項式 F が与えられたとき、別の多項式を微分作用素と見て F に作用させることを考え、Fを消す多項式全体のなすイデアルによる剰余環を作ると、アルチンゴレンスタイン次数環が得られる。そこで、多項式 F が与えられたとき、こうして作られる環がレフシェッツ性を持つかどうかという問題が考えられる。

例えば、F が単項式や差積などの場合はレフシェッツ性が証明されているが、レフシェッツ性を持つための F の条件は一般には何も知られていない。この講演では、F が行列式、対称行列の行列式、パフィアン等の場合にレフシェッツ性が証明されることを紹介する。

これらのレフシェッツ性は概均質ベクトル空間の正則性との関係があり、また、証明に一般Verma加群を用いるなど、可換環論の問題ではあるが表現論が活用できることを中心に話したい。

この講演は、京都大学の長岡高広氏との共同研究に基づく。
[ 講演参考URL ]
http://www.math.nagoya-u.ac.jp/~aaron.chan/TNAseminar.html