情報数学セミナー

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開催情報 木曜日 16:50~18:35 数理科学研究科棟(駒場) 128号室
担当者 桂 利行

2023年11月09日(木)

16:50-18:35   数理科学研究科棟(駒場) 128号室
高島 克幸 氏 (早大教育)
同種写像暗号の数理 (Japanese)
[ 講演概要 ]
耐量子計算機暗号の一つである同種写像暗号は,楕円曲線間の同種写像を使った鍵共有や署名方式であり,CGLハッシュ関数,SIDH鍵共有,SQIsign署名などが基本的な方式として知られてきた.また、種数1の楕円曲線だけでなく,種数2曲線同種写像暗号の研究も進んでいる.本講演では,まず,それらの概要を報告するとともに,種数2 Richelot同種写像グラフに関する桂利行氏との共同研究成果も簡単に紹介する.
2022年に,Castryck–Decruに始まる一連の研究によって「補助点情報」を巧みに使ったSIDH 鍵共有に対する多項式時間攻撃法が発表された.種数1同種写像暗号に対するこれらの攻撃法においても,高次元アーベル多様体の同種写像が基本的な役割を果たしている.本講演後半では,種数2 Richelot同種写像を使ったCastryck–Decruの攻撃法を紹介して,Robertの8次元アーベル多様体を使った攻撃法にも簡単に触れる予定である.