情報数学セミナー

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開催情報 木曜日 16:50~18:35 数理科学研究科棟(駒場) 128号室
担当者 桂 利行

2019年11月28日(木)

16:50-18:35   数理科学研究科棟(駒場) 122号室
水上民夫 氏 (長浜バイオ大学、フロンティアファーマ)
AIを使ったデジタル細胞画像処理 ~「細胞の見える化」技術の開発~ (Japanese)
[ 講演概要 ]
蛍光顕微鏡は、細胞の生死や分化状態などを観察するための基盤的な研究機器である。しかし細胞の蛍光標識や励起光照射によるダメージにより継続的な細胞観察ができないという問題がある。この問題を解決するために、私たちはディープラーニングの敵対的生成ネットワークを利用し、「細胞の見える化」技術を開発した。本技術では、蛍光標識した教師細胞画像とそれに対応する明視野細胞画像の関係性を精緻に学習させたモデルにより、通常顕微鏡の明視野細胞画像から95%以上の正解性で細胞の生死が識別でき、さらに、細胞数や面積等の計測が可能となっている。
また、通常顕微鏡の明視野画像がリアルタイムに蛍光画像に変換され、細胞の性状を蛍光標識等の実験作業なしに観察できる「細胞の見える化顕微鏡」の開発にも成功している。
本講義では、生命科学において新たに登場したこれらのテクノロジーを紹介した後、数理科学人財と産業ニーズの結合を促す意義と方策を議論したい。