解析学火曜セミナー
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開催情報 | 火曜日 16:00~17:30 数理科学研究科棟(駒場) 156号室 |
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担当者 | 石毛 和弘, 坂井 秀隆, 伊藤 健一 |
セミナーURL | https://www.ms.u-tokyo.ac.jp/seminar/analysis/ |
2022年10月04日(火)
16:00-17:30 数理科学研究科棟(駒場) 126号室
対面・オンラインハイブリッド開催
深尾武史 氏 (京都教育大学)
前方後方拡散分方程式を動的境界条件に持つCahn-Hilliard方程式への粘性消滅法による接近 (Japanese)
https://forms.gle/nPfEgKUX2tfUrg5LA
対面・オンラインハイブリッド開催
深尾武史 氏 (京都教育大学)
前方後方拡散分方程式を動的境界条件に持つCahn-Hilliard方程式への粘性消滅法による接近 (Japanese)
[ 講演概要 ]
4階の偏微分方程式であるCahn-Hilliard方程式は相分離現象を記述する方程式としてよく知られている. J. W. Cahn, "Science during Paradigm Creation", (2011)によると時間後方問題となる難点が4階の項によって解決される点は現象解明の副産物であったようである. 近年, 前方後方問題への接近としてこのCahn-Hilliard方程式における粘性消滅法の考察がBui-Smarrazzo-Tesei, J. Math. Anal. Appl, (2014)やKagawa-Otani, J. Math. Anal. Appl, (2022)などで行われている. 本講演ではこれらの粘性消滅法の考えを時間微分を境界条件に含む, いわゆる動的境界条件で考察する. 講演の前半では研究動機と動的境界条件下でのCahn-Hilliard方程式についての先行研究を紹介しつつ, 抽象発展方程式の枠組みで適切性を論じる流れを解説する. 後半では動的境界条件下でのCahn-Hilliard方程式の1つとしてよく知られるGMSモデルを元に証明の大枠, すなわち一様評価と極限操作を解説し, 最後にLWモデルの場合との違いについて述べる. なお, 本講演はPavia大学のP. Colli氏とMilano工科大学のL. Scarpa氏との共同研究に基づく.
[ 参考URL ]4階の偏微分方程式であるCahn-Hilliard方程式は相分離現象を記述する方程式としてよく知られている. J. W. Cahn, "Science during Paradigm Creation", (2011)によると時間後方問題となる難点が4階の項によって解決される点は現象解明の副産物であったようである. 近年, 前方後方問題への接近としてこのCahn-Hilliard方程式における粘性消滅法の考察がBui-Smarrazzo-Tesei, J. Math. Anal. Appl, (2014)やKagawa-Otani, J. Math. Anal. Appl, (2022)などで行われている. 本講演ではこれらの粘性消滅法の考えを時間微分を境界条件に含む, いわゆる動的境界条件で考察する. 講演の前半では研究動機と動的境界条件下でのCahn-Hilliard方程式についての先行研究を紹介しつつ, 抽象発展方程式の枠組みで適切性を論じる流れを解説する. 後半では動的境界条件下でのCahn-Hilliard方程式の1つとしてよく知られるGMSモデルを元に証明の大枠, すなわち一様評価と極限操作を解説し, 最後にLWモデルの場合との違いについて述べる. なお, 本講演はPavia大学のP. Colli氏とMilano工科大学のL. Scarpa氏との共同研究に基づく.
https://forms.gle/nPfEgKUX2tfUrg5LA