数理人口学・数理生物学セミナー

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2017年04月06日(木)

17:00-18:00   数理科学研究科棟(駒場) 126号室
五島祐樹 氏 (筑波大学医学群医学類)
数理的立場から見た造血幹細胞移植における急性GVHDの発症機序 (JAPANESE)
[ 講演概要 ]
血液系腫瘍に対する主な治療法は化学療法と造血幹細胞移植である。特に後者は化学療法に不応な患者にとっての最終手段とも言える。しかしここで問題がある。それは一部の患者では、ドナー(造血幹細胞の提供者)の血球がレシピエント(患者)の主に肝臓、消化管、皮膚を攻撃することで激烈な炎症が生じることである。これはGVHD(Graft Versus Host Disease)と呼ばれる。この反応に関与している細胞は主にCD8陽性細胞とされるが、詳細なことは不明であった。しかし近年、CD226というCD8陽性細胞等に発現する分子が細胞障害に関わるということが分かってきていて、GVHDのバイオマーカーとしても期待されている*[1]。そこで今回、臨床試験で得られた血液中のCD226の経時的な変化を数理モデル(微分方程式モデル)で説明することで、分子細胞レベルの反応について1つの仮説を提案したい。

[1] Soluble DNAM-1, as a Predictive Biomarker for Acute Graft-Versus-Host Disease.Kanaya et al/PLOS ONE 2016