応用解析セミナー

過去の記録 ~01/29次回の予定今後の予定 01/30~

開催情報 木曜日 16:00~17:30 数理科学研究科棟(駒場) 002号室
担当者 石毛 和弘

2014年07月24日(木)

16:00-17:30   数理科学研究科棟(駒場) 128号室
長澤 壯之 氏 (埼玉大学大学院理工学研究科)
メビウス・エネルギーの分解定理 (JAPANESE)
[ 講演概要 ]
結び目は位相幾何学の考察の対象である。連続変形で移り合うものは結び目型が同じであるという。20年以上まえに今井氏は、固定された結び目型の中で最も「均整」の取れた形は何かという微分幾何学的な考察を行った。すなわち、結び目の族に対しエネルギーを考察し変分問題を考えたのである。エネルギーが低いほど均整がとれているという考えで、種々のエネルギーを提唱しているが、いずれも結ばれ方がよく見えるように自己交叉を起こすと発散するように定義されている。
すなわち、特異性を持つエネルギー密度の主値積分で定義される。エネルギーが主値積分で与えられるため、変分公式の計算などでは解析的にはデリケートな扱いが必要とされた。

種々のエネルギーの中で、メビウス不変性を持つものがあり、メビウス・エネルギーと呼ばれた。本講演では、メビウス・エネルギーは、3つの部分に分解できる事を紹介する。第1の部分は正定値のエネルギーで、それによりメビウス・エネルギーの適切な定義域を特徴づけられる。第2の部分は、エネルギー密度に行列式構造があり、自己交叉以外からの特異性のキャンセレーションが見て取れる。第3の部分は絶対定数であり、変分問題としては無視できる。

この分解による3つの各部分のメビウス不変性は保たれており、微分幾何的にも興味深い。解析的には、この分解によってメビウス・エネルギーの変分公式とその評価が従来の計算法よりはるかに容易に求められるという利点がある。様々な関数空間上での第一・第二変分公式の評価を紹介する。