2023年度公開講座

東京大学大学院数理科学研究科
数物フロンティア国際卓越大学院

2023年度公開講座「統計と数学」

2023年11月25日(土)13:30~17:00(12:30開場) 
場所:東京大学駒場キャンパス 数理科学研究科棟・大講義室
最寄駅:京王井の頭線「駒場東大前」
アクセス:https://www.ms.u-tokyo.ac.jp/access/index.html

*対面形式とオンライン形式(Zoomウェビナー)併用のハイブリッド開催です.

*当日は,東京大学駒場キャンパスにて「第74回駒場祭」が開催中です.

講師:増田 弘毅,吉田 朋広,小池 祐太

プログラム

12:30
開場

13:30-13:35
副研究科長挨拶 平地 健吾(東京大学大学院数理科学研究科)

13:35-14:35

増田 弘毅(東京大学大学院数理科学研究科)
『ロジスティック回帰分析』

回帰分析とは,説明変数が目的変数にどのように影響を及ぼすかを調べる統計手法の総称です.とくに目的変数が2値のときはロジスティック回帰と呼ばれ,医療・製薬,工学,経済など幅広い分野で応用されています.その背後にある数理について数値実験を交えてお話しします.

講演資料

『ロジスティック回帰分析』

14:45-15:45

吉田 朋広(東京大学大学院数理科学研究科)
『極限定理』

確率分布とその近似は統計推測理論を構成するうえで不可欠な要素です.確率分布の概念から始め,中心極限定理とその統計学における役割について考察します.極限定理は確率過程へ拡張され、確率過程の統計推測の理論と相互に影響しあって発展しています.極限定理は,生存解析など日常的に用いられている統計手法を背後で支えています.近年,マリアバン解析(無限次元確率解析)によって極限定理の世界は広がり,さらには,極限定理を高精度にした漸近展開理論へ発展しています.このような,極限定理と統計理論が合流している様子にも触れたいと思います.

講演資料

『極限定理』

16:00-17:00

小池 祐太(東京大学大学院数理科学研究科)
『ブートストラップ法』

統計学では,推測や予測の不確実性を評価するために,データを多くの可能なシナリオからランダムに実現した結果の1つとして捉えます.ブートストラップ法は,実現したたった1つのシナリオから別のシナリオをシミュレートして,実現しなかった他のデータを「復元」することで不確実性を評価する方法です.ブートストラップ法の語源が「自分の靴の靴紐を自分で引っ張って宙に浮く」というホラ話に由来するように,1つのデータセットから起こらなかった他の可能性を復元するのは,一見すると魔法のように見えます.しかし,統計学のブートストラップ法は多くの場合にうまくいきます.その背後にある数理的なカラクリについてお話ししたいと思います.

講演資料

『ブートストラップ法』



*対象:高校生,大学生,教員,数学に興味のある一般の方.

*入場無料.

*対面形式で参加の方は,事前登録不要.

*オンライン形式で参加の方は,こちらから参加登録をお願いします.

*お問合せはこちらからお願いします.

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