解析学紹介

 解析学関係の教員の研究分野は,問題領域で分ければ,複素解析学,微分方程式論,作用素環論,実関数論,表現論,確率論,と広い分野にわたってい る.微分方程式論はさらに,線形偏微分方程式論,非線形偏微分方程式論,可積分系,逆問題,等に大別される.また,手法で分けるならば,複素解析的手法, 特異積分作用素を含む実解析的手法,佐藤幹夫の代数解析的手法も含む超局所解析的手法,加藤敏夫や吉田耕作の流れを汲む関数解析的手法,変分法や不動点定 理を含む非線形解析の手法,確率微分方程式を含む確率論的手法,可積分系などの代数解析的手法,群の表現を用いる代数的手法,等々が挙げられる.これらの 分類は,決して明確な,あるいは排他的なものではなく,多くの場合複数の手法の組み合わせで,目的の問題を研究することになる.
 この事を念頭に置いて,このような構図の中で各教員がどのような位置にいるかを概観しよう.野口教授,平地教授,高山教授は複素解析的手法で値分布理 論,ベルグマン核,CR多様体,複素代数多様体などの研究を行っている.片岡教授,中村教授,下村准教授は超局所解析的手法や関数解析的手法で線形偏微分 方程式系やシュレディンガー 方程式の研究を行っている.非線形偏微分方程式の分野では,俣野教授,儀我教授が非線形発展方程式や,ナビア・ストークス方程式,自由境界値問題等の研究 を行っている.坂井准教授は,完全可積分系の手法でパンルヴェ方程式等の研究を行っている.山本教授は微分方程式論の手法を使って逆問題の研究を行ってい る.河東教授,緒方准教授は作用素環論およびその量子統計力学への応用の研究を行っている.新井教授は,ウェーブレット解析を用いて視覚と錯覚の研究を 行っている.大島教授,関口准教授は代数解析的手法によりリー群の無限次元表現やペンローズ変換の研究を行っている.確率論の分野では,舟木教授が確率過 程や統計力学の問題を,楠岡教授は数理ファイナンスの研究をそれぞれ行っている.
(文責 平地健吾)