統計数学セミナー

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担当者 吉田朋広、荻原哲平、小池祐太
セミナーURL http://www.sigmath.es.osaka-u.ac.jp/~kamatani/statseminar/
目的 確率統計学およびその関連領域に関する研究発表, 研究紹介を行う.

2014年11月11日(火)

16:30-17:40   数理科学研究科棟(駒場) 052号室
寺田 吉壱 氏 (脳情報通信融合研究センター)
Local Ordinal Embedding
[ 講演概要 ]
Ordinal embeddingとは,対象間の非類似度の順序情報( d(i,j) < d(k,l) )の みが与えられた際に,順序情報を可能な限り再現するように対象をp次元のEuclid空間に埋め込む問題 である.Facebookのfriend networkのような非重み付きgraphが潜在的に幾何的な構造を もっていると考えれば,ordinal embeddingによりグラフの頂点を幾何的な構造を保持してp次元空間に埋 め込むことができる.本発表では,この問題に対して,先行研究であるgeneralized non-metric MDSやstructure preserving embeddingとは異なり,tuning parameterを必要とせず,計算量も少ない新たな方法 (Soft Ordinal Embedding; SOE) を提案する.次に,もし非重み付きgraphが潜在的なEuclid座標の近接情報によって構成され ているとした際に,(0,1)-近接行列のみから背後の座標を再現できるかという問題を考える.もしこの問題に対して肯定的な解を与える事ができれば,非重み付きgraphが従来の多変量データ解析に必要な情報を保持していると考えられる.本発表では,random geometric graphの観点からこの問題に対して解を与える事で,非重み付きgraphに対する機械学習の限界と可能性を示す.