数理人口学・数理生物学セミナー

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2021年01月14日(木)

15:00-16:00   数理科学研究科棟(駒場) 号室
ZOOMによるウエビナー(要事前申し込み)
浅井雄介 氏 (国立国際医療研究センター 国際感染症センター)
COVID-19 流行時におけるチャーター便派遣の効果推定
[ 講演概要 ]
2019 年12 月に中国・武漢市において新型コロナウイルス(以下,SARS-CoV-2)による感染者が報告され,2020 年1 月にはSARS-CoV-2 感染者は武漢市だけでなく中国全土に広がり始めた.それを受け,日本政府は1 月末に武漢市へチャーター便を派遣,邦人566 名が帰国した.チャーター便による避難は有効だと考えられるが,感染症流行対策としての避難は日本においては今回が初めてであり,その効果に関してはいまだ議論がなされていない.
本研究では報告の遅れや行動変化といった感染症拡大に寄与する要因と,COVID-19 で特異的に現れるコンパートメントをSIR モデルに追加し,COVID-19 の流行を記述するモデルを構築した.さらに,湖北省における感染者数と武漢市における感染者数から,感染率,報告割合のパラメータを推定,チャーター便派遣以降の邦人感染者数をシミュレーションにより算出した.