数理人口学・数理生物学セミナー

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2020年11月26日(木)

15:00-16:00   数理科学研究科棟(駒場) 号室
zoomによる遠隔セミナーです。視聴希望者は稲葉までご連絡ください。
中田行彦 氏 (青山学院大学理工学部物理・数理学科)
いくつかの再感染数理モデルについて (Japanese)
[ 講演概要 ]
個体の再感染を含む感染症数理モデルでは、周期的流行を含む複雑な感染症流行ダイナミクスや感染症の一時的流行と定着に関する閾値条件(Reinfection threshold)、感受性の不均一性が引き起こす時間遅れの流行現象(Nakata and Omori (2018,2019))などSIR型の感染症数理モデルでは見られない現象がこれまでに報告されている。感染個体が獲得する免疫の不均一性や減衰をはじめとする変容、また病原体の変化による免疫防御機能の相対的な変化、が引き起こす感染症流行ダイナミクスの理解に向けて、個体の再感染現象を記述する感染症数理モデルについて再検討する。簡単な数理モデルを用いて、個体の感染が複数回起こるような場合には、流行曲線の動態の理解には、時間と共に変動する人口レベルでの感受性変化の理解が重要であることを示す。またInaba (2017)によって一般的に定式化されたAron (1983)の数理モデルに関する最近の数理解析結果についても紹介する。