数理人口学・数理生物学セミナー

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2015年06月03日(水)

14:55-16:40   数理科学研究科棟(駒場) 128演習室号室
岩田繁英 氏 (東京海洋大学大学院海洋科学技術研究科)
回遊を伴う漁業資源の個体群動態と管理戦略
[ 講演概要 ]
我が国では回遊を伴う水産資源を広く利用している.イワシ類、マグロ類、サン
マ類、外洋性サメ類などが挙げられる.回遊により地域ごとに漁獲される水産資
源の年齢層は大きく変化する.特に我が国沿岸では同じ種を漁獲する場合であっ
ても未成魚を漁獲する地域と成魚を漁獲する地域が異なる場合が多い.しかし、
回遊による漁獲年齢の変化に注目した研究は少ない.本研究は、回遊と年齢構造
を考慮した個体群動態モデルを基本モデルとする.次にモデルから得られる個体
群動態に対する漁獲の影響を加えて管理戦略について考える.具体的には成魚と
未成魚の2齢、2生息地のモデルを仮定した個体群動態のもとで、回遊が漁獲に
与える影響や各年齢の漁獲がすべての生息地における総漁獲への影響を考える.
回遊は死滅回遊とそれ以外の回遊パターンを仮定して考える.最終的に重量、
単価を仮定しどのようなときにどんな管理戦略が適しているか紹介し議論を進める.