古典解析セミナー

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担当者 大島 利雄, 坂井 秀隆

2010年06月25日(金)

16:30-18:00   数理科学研究科棟(駒場) 122号室
廣惠一希 氏 (東京大学)
Euler transform and Weyl groups of symmetric Kac-Moody Lie algebras (JAPANESE)
[ 講演概要 ]
Fuchs型連立常微分方程式にEuler変換(middle convolution)を施して新たなFuchs型方程式が得られるが, 特にrigidな既約方程式はこの変換でサイズ1の方程式に帰着されることがN.Katzによって示されている.
またW.Crawley-Boeveyによれば, Euler変換はKac-Moody Lie環のルートの単純鏡映に対応し, Katzの定理はrigidな既約方程式と実ルートの対応に換言される.
今回の講演では大島利雄によって整備された単独高階方程式のEuler変換の理論を用いて, Euler変換とルートの鏡映との関係を不分岐な不確定特異点をもつ場合に拡張する. そしてEuler変換と方程式が, 対称Kac-Moody Lie環のWeyl群と, その作用を保つルート格子の商格子の元に対応することを紹介したい. 商格子の核は一般に自明ではないが, Fuchs型や不確定特異点が高々1つの場合には自明となり既存の対応の自然な拡張になっている.