数理人口学・数理生物学セミナー
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2023年03月24日(金)
10:00-11:00 オンライン開催
難波利幸 氏 (大阪公立大学)
ギルド内捕食系における予期せぬ共存と絶滅 (Japanese)
難波利幸 氏 (大阪公立大学)
ギルド内捕食系における予期せぬ共存と絶滅 (Japanese)
[ 講演概要 ]
3種以上の個体群からなる生物群集の動態には間接効果が大きな役割を果たす。3種の個体群からなる生物群集のモジュールでは,1捕食者-2被食者系と3栄養段階の食物連鎖ではカオスが,3種競争系ではヘテロクリニックサイクルが現れることなどが知られている。3種系の中でも,共通の資源を利用する2種の消費者の間に捕食-被食関係が生じるギルド内捕食系では,今なお,不明なことが多い。ギルド内捕食の基本モデルは,系の生産性が低いとき,高いときにはそれぞれ捕食者と中間の消費者が絶滅し,生産性が中間の時にのみ両者が共存することを予測するが,実証研究は高生産性環境での消費者の絶滅を支持しない。また,消費者は捕食者に食われるので,資源利用競争においては消費者が有利であることが共存の必要条件とされるが,本当にそうなのだろうか? 本講演では,捕食者にとっての資源と消費者の餌としての好適度を鍵に,これらの謎の解明に挑む。
3種以上の個体群からなる生物群集の動態には間接効果が大きな役割を果たす。3種の個体群からなる生物群集のモジュールでは,1捕食者-2被食者系と3栄養段階の食物連鎖ではカオスが,3種競争系ではヘテロクリニックサイクルが現れることなどが知られている。3種系の中でも,共通の資源を利用する2種の消費者の間に捕食-被食関係が生じるギルド内捕食系では,今なお,不明なことが多い。ギルド内捕食の基本モデルは,系の生産性が低いとき,高いときにはそれぞれ捕食者と中間の消費者が絶滅し,生産性が中間の時にのみ両者が共存することを予測するが,実証研究は高生産性環境での消費者の絶滅を支持しない。また,消費者は捕食者に食われるので,資源利用競争においては消費者が有利であることが共存の必要条件とされるが,本当にそうなのだろうか? 本講演では,捕食者にとっての資源と消費者の餌としての好適度を鍵に,これらの謎の解明に挑む。