数理人口学・数理生物学セミナー

過去の記録 ~03/28次回の予定今後の予定 03/29~


2015年04月15日(水)

14:55-16:40   数理科学研究科棟(駒場) 128演習室号室
大泉嶺 氏 (東京大学大学院数理科学研究科)
生活史と個体群動態の数理:~一回繁殖生物における個体差と環境収容力への影響~
(JAPANESE)
[ 講演概要 ]
生活史と個体群動態の関係は密接である.例えば、ネズミの個体数と象の個体数
が歴然としているのは、成熟年齢やサイズなど個体の持つ生活史の特性が、双方
とも異なる事に起因すると考えられている.しかし、それら個体の特性が個体群
動態に与える影響は十分に理解されているとは言い難い.構造人口模型はそれら
個体と集団を繋げる数理モデルとして注目されてきた.本研究は、齢構造とサイ
ズ構造、両方を考慮した構造人口模型を考える.具体的には、人口規模の増大が
種内競争により、個々のサイズ成長率の期待値を減少させる生育過程を考える.
また、この種をあるサイズに達したときに繁殖する一回繁殖生物と仮定する.こ
れらの仮定から生成された構造人口模型の定常状態を環境収容力と考え、サイズ
の成長率の分散(個体差)が環境収容力とそこでの個体群構造への影響を解析し
たい.