数理人口学・数理生物学セミナー

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2014年05月07日(水)

14:50-16:20   数理科学研究科棟(駒場) 128号室
江夏洋一 氏 (東京大学大学院数理科学研究科)
感染個体の齢構造を持つ微分方程式系の漸近挙動とその周辺 (JAPANESE)
[ 講演概要 ]
多様化する生命現象を特徴付ける要素の長期継続的な挙動を調べるため,
数理モデリングを用いた定性的な理論構築は広く行われてきた. 本講演では, 感
受性個体, 感染個体, 回復個体等の数を変数とする感染症モデルの正値解の漸近
挙動に関する成果を報告し, 基本再生産数を用いた感染症の終局的流行規模の変
化を議論する. 特に, Magal, McCluskey, Webb (2010) によって定式化された感
染個体の齢構造 (感染齢) を含む SIR 感染症モデルにおいて, 感染伝達パラメ
ータが感染齢について単調増加である場合, 感染齢を持つ方程式系から離散的・
連続的な遅れをもつ微分方程式系を得ることが出来たアイデアを新たに紹介した
い. Lyapunov 汎関数法, 単調反復法や感染平衡解の周りでの線形化方程式系に
対する固有値解析をはじめとする遅延方程式系に対する近年の解析手法の応用事
例についても, 感染症モデルや糖尿病モデルなどと共に報告する.탞