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2026年11月03日

菊地文雄名誉教授が令和8年秋の叙勲にて瑞宝中綬章を受章しました.

数理科学研究科名誉教授の菊地文雄先生が、令和8年秋の叙勲において、瑞宝中綬章を受章されました。

菊地文雄先生は、計算力学・数値解析学、とりわけ有限要素法の数学的理論とその応用において、世界に先駆けて数々の重要な研究成果を挙げられ、この分野の発展に大きく貢献されました。有限要素法は、偏微分方程式の数値解法として、科学技術の幅広い分野におけるコンピューターシミュレーションの基礎をなすものです。菊地先生は、その安定性・収束性の解析と実用的な計算法の開発の両面から、有限要素法の理論的基盤の確立に先駆的な役割を果たされました。 特に、1970年代初頭には、混合型・ハイブリッド型有限要素法の安定性と収束性を保証する条件を、欧米の研究とは独立に導き、さらにその条件を満たす具体的な有限要素を構成されました。また、平板や曲面構造の数値解析におけるロッキング現象の解明とその対処法についても重要な成果を挙げられました。1980年代には、3次元電磁場問題に対する有限要素法の開発に取り組まれ、特にその数学的正当性を保証する離散コンパクト性に関して世界に先駆けた研究成果を発表されました。これらの業績は、その後の有限要素法の理論と応用の発展に大きな影響を与えています。

教育面においても、有限要素法の数学的理論から実際のプログラミングまでを体系的に解説した優れた教科書を執筆され、数値解析学・計算力学の普及と後進の育成に大きく貢献されました。また、日本応用数理学会理事・評議員、日本計算工学会評議員などを歴任され、我が国の応用数学および計算科学の発展にも尽力されました。 これらの功績により、日本機械学会賞、石川賞、日本応用数理学会業績賞などを受賞され、2009年には日本応用数理学会フェローに選出されています。また、1999年に英国で開催されたInternational Congress on Industrial and Applied Mathematics (ICIAM)では、招待基調講演を行われました。

この度のご受章を心よりお祝い申し上げますとともに、今後のますますのご健勝とご活躍を祈念いたします。