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2025年04月29日

神保道夫名誉教授が令和7年春の叙勲にて瑞宝中綬章を受章しました.

数理科学研究科名誉教授の神保道夫先生が、令和7年4月29日付けで発令された春の叙勲において、瑞宝章中綬章を受章されました。昭和62年の日本数学会秋季賞受賞(三輪哲二氏との共同受賞)、平成5年の日本学士院賞受賞、平成22年のウイグナー・メダル受賞、平成25年のダニー・ハイネマン賞理論物理学部門受賞(三輪哲二氏との共同受賞)に続く栄誉となります。

神保道夫先生は、数理物理学の様々な分野にわたり大きな研究成果を上げた世界的な指導的研究者の一人です。神保道夫先生の学術上の功績は多岐に渡りいずれも著しいものばかりですが、とりわけ、イジング模型とモノドロミー保存変形、ソリトン方程式の変換群、量子群の発見、可解格子模型と表現論に関するものなどが数理物理学の最先端を力強く切り拓いてきました。具体的には、パンルヴェ型の方程式の量子場の理論による記述、ソリトン方程式とカッツ・ムーディー・リー代数や弦理論・共形場理論などとの関係、神保道夫先生とドリンフェルトによって独立に導入され量子群の概念、そして、量子群を用いた可解格子模型の相関函数の積分表示の導出などが挙げられます。

教育において、神保先生は優秀な研究指導者であり、また緻密で考え抜かれた講義には非常に定評があります。数冊の啓蒙的数学書を著されましたが、いずれも多くの学生に親しまれている教科書です。ほかに、専門に進む人に入門的な知識を与えるための本も多く出版さています。

この度のご受章を心よりお祝い申し上げますとともに、今後の益々のご活躍を祈念いたします。