Seminar on Probability and Statistics

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Organizer(s) Nakahiro Yoshida, Teppei Ogihara, Yuta Koike

2006/05/24

16:20-17:30   Room #128 (Graduate School of Math. Sci. Bldg.)
津田 美幸 (統計数理研究所)
Bhattacharyya inequality for quantum state estimation I
[ Abstract ]
量子状態推定のBhattacharyya不等式の導出とその応用例を前後二回に分けて紹介する. 今回は, 一般的な形で問題設定を行い, 量子Cramer-Rao不等式と量子 Bhattacharyya不等式について述べる.
量子状態推定は量子力学系の未知の状態に関する統計的推定問題である. 古典的な統計モデルの推定問題との違いは, データを観測するための測定を, 量子力学的に可狽ネ範囲で, 選択する点にある. 実数または複素数でパラメトライズされたモデルに対しては, 不偏推定量の分散の最小化が基本的な問題である. ただしここでは, 複素パラメータz=x+iyの分散とは, (x,y)の二次元の共分散行列のトレースをさす. この問題に対しては Yuen and Lax (1973) 等により, パラメータの一階微分に基づいた量子Cramer-Rao不等式が導出されており, 量子ガウス状態の複素振幅θのUMVUEが知られている. 二階以上の微分に基づくBhattacharyya型の不等式は, Brody and Hughston (1998) により, ある特殊なモデルにおいて導入され, 漸近論へ応用された. ここではより一般的なモデルに適用可能な形で量子Bhattacharyya不等式を三種類定式化する.
[ Reference URL ]
https://www.ms.u-tokyo.ac.jp/~kengok/statseminar/2006/03.html