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2009/06/24

15:30-17:00   Room #122 (Graduate School of Math. Sci. Bldg.)
柳尾 朋洋 (早大 基幹理工)
原子・分子集合体の集団運動における動的秩序と階層性
[ Abstract ]
小さな気体分子の化学反応から、結晶成長、さらにはDNAやタンパク質のような生体高分子の機能発現に至るまで、原子・分子集合体の集団運動と自己組織化の一般原理を明らかにすることは、現代科学の大変興味深い課題である。近年の実験技術の進歩により、これら原子分子系の集団運動の多くは、平衡状態から大きく離れた非平衡状態において発生し、動的な秩序を内包していることが明らかになってきている。本発表では、一例として原子クラスターの構造変化の集団運動を取り上げ、これらの集団運動が、「遅い自由度」と「速い自由度」の間の動的結合によって系統的に生み出される仕組みについて紹介する。あわせて、このような非平衡過程を記述する新たな反応速度論の試みについても紹介する。続いて、より複雑な分子系の例として、生物のDNAをとりあげ、ランジュバン動力学に基づく粗視化モデルを導入することによって、DNAが細胞中で階層的な秩序構造を形成するメカニズムの一端を明らかにする。