Seminar on Probability and Statistics

Seminar information archive ~06/24Next seminarFuture seminars 06/25~

Organizer(s) Nakahiro Yoshida, Hiroki Masuda, Teppei Ogihara, Yuta Koike

2008/05/22

16:20-17:30   Room #126 (Graduate School of Math. Sci. Bldg.)
逸見 昌之 (統計数理研究所)
信頼区間やP-値の最悪評価による感度解析法について-メタアナリシスにおける出版バイアスの問題に対する1つのアプローチ-
[ Abstract ]
メタアナリシスとは、目的を同じくする複数の研究から得られる統計的結果を統合し、より強い統計的 エビデンスを得るための統計解析のことで、近年特に、医学・健康科学の分野において盛んに行われて いる。しかしながら、メタアナリシスのために行われる研究結果の選択過程は、必ずしも無作為(ランダ ム)であるとは限らない。例えば、統計的に有意でない結果は有意である結果に比べて公表(出版)されに くいので、公表されている結果だけでメタアナリシスを行うと統合結果も有意になる、ということがしば しば起こる。研究結果を選択する過程で入り込むバイアスの原因はこの他にもいろいろあり得るが、この 問題は一般に「出版バイアス(publication bias)」の問題と呼ばれている。出版バイアスを調整するた めによく使われる一つの方法は、研究結果の選択のされ方を統計的にモデリングすることであるが、そ のためには研究の選択過程に対して、データそのものからは検証できない強い仮定が必要である。その ため、その仮定がデータ以外の背景情報から強く支持されないと、間違った結論を導く可能性がある。 そこで本講演では、できるだけ多くの場合に許容されるような弱い仮定の下で、(メタアナリシスの結 果としての)信頼区間やP-値の最悪評価を行い、それらにもとづいて最終的な統計的有意性の判断を行 う方法を提案する。この信頼区間やP-値の最悪評価は、選択されなかった研究の数という未知数にも 依存しているので一意には決まらないが、この値を現実的に可能性のある範囲で振らせることによって、 どの辺で統計的有意性に関する結論が変化するかを知ることができる。その意味で、提案する方法は感 度解析法となっている。この方法論は、選択関数の作るある関数空間上の最適化問題の結果にもとづい ているが、今回はその数理的部分についてもできる限り詳しくお話しする予定である。
[ Reference URL ]
https://www.ms.u-tokyo.ac.jp/~kengok/statseminar/2008/02.html