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2024年度公開講座 『爆発の数学』
本年度は対面形式での開催となりました。
『研究科長挨拶』 平地 健吾(東京大学 大学院数理科学研究科)
- 講演動画
- 『研究科長挨拶』(5分34秒)
講義1:『代数多様体の爆発(Blow up)』 石井 志保子(東京大学 大学院数理科学研究科)
- 講演概要
- 「爆発」と聞くと,破壊や制御不能といったイメージを持つかもしれませんが,実は代数幾何学ではとても役立つ基本的な操作です.この操作を使うことで「特異点」と呼ばれる特殊な点を解消することができるのです.これが,1960年代に広中平祐先生が証明された「特異点解消定理」です.この定理のおかげで、代数幾何学は飛躍的に進展しました.広中先生は、この業績によりフィールズ賞を受賞されています.今回の講演では、特異点とは何か,という説明から始め,平面上で行われる「爆発」という操作を,数式とアニメーションを使ってわかりやすく説明し,特異点を持つ曲線がどのように特異点を解消していくのか,その過程を一緒に体験していただきます.
- 講演動画
- 『代数多様体の爆発(Blow up)』(45分57秒)
講義2:『爆発する曲率とアインシュタイン』 本多 正平(東京大学 大学院数理科学研究科)
- 講演概要
- リーマン幾何学では,①断面曲率,②リッチ曲率,③スカラー曲率と呼ばれる三大曲率があり,この順に情報が落ちている.本講演では②は爆発しないが,①が爆発するかもしれない現象を調べる.そうするとなぜかアインシュタイン4次元空間がどれくらいあるのかがわかる.この話題は5次元以上では謎に包まれている.
- 講演動画
- 『爆発する曲率とアインシュタイン』(59分53秒)
講義3:『方程式の解の爆発と4次元の幾何学』 今野 北斗(東京大学 大学院数理科学研究科)
- 講演概要
- 解きたい方程式があったとき,明らかに解を持つ簡単な方程式から,本当に解きたい方程式までを,連続的なパラメータで結んでみます.このパラメータの途中で解が爆発してしまうと,本当に解きたかった方程式まで届きません.爆発がなければ,「数学的帰納法の連続版」のような議論で,本当に解きたかった方程式が解けることがあります.このような議論と,解が実際に爆発してしまう議論とを組み合わせることで,数学的に存在し得る4次元空間の形(トポロジー)に制約がかかることがあります.そのような議論の一端をご紹介します.
- 講演動画
- 『方程式の解の爆発と4次元の幾何学』(1時間00分05秒)
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