東京大学大学院数理科学研究科

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2020年度公開講座 『かたち、づくる』

本年度は新型コロナウィルスの感染防止のため、配信形式(オンデマンド型)で開催しました。

講義1:『空間回転』 古田幹雄(東京大学大学院数理科学研究科)

講演概要
右手の掌に板を水平に乗せたまま、腕を回してその板を右周りに2回転させると最初の状態にもどります。
講演ではすべての空間回転を表示する「地図」の「かたち」を用いてこの現象を考察します。
さらに i^2=-1を満たす数(虚数、複素数)や ij=-ji となる数(クォータニオン、4元数)を利用した回転の表示方法を説明し、先ほどの「かたち」とどのように関係するのかを伝えられたらと思います。
対象
中学生以上
講演動画
Part1『ふたつのトピック (1)「謎」 1+1=0, (2)回転を式で表す方法』(4分30秒)
Part2『右を向きたがるハリネズミを板に載せて二回りさせる』(6分22秒)
Part3『「回転の連続変形」のさらなる連続変形として現象をとらえる』(23分28秒)
Part4『様々な空間回転を一挙に見渡すための「地図」』(9分16秒)
Part5『ハリネズミは「地図」の端でワープする』(10分05秒)
Part6『「謎」へ向かう第一歩:平面回転の場合』(3分13秒)
Part7『「謎」の解明:空間回転の場合』(11分14秒)
Part8『平面回転は「複素数」の掛け算で表示できる』(16分07秒)
Part9『空間回転は「四元数(クオータニオン)」の掛け算で表示できる』(14分05秒)
Part10『空間回転の「地図」はクォータニオンの作る「3次元球面」でも作れる』(4分15秒)
Part11『ただし「3次元球面」の「地図」は空間回転全体と「二対一」の対応』(5分30秒)
Part12『(1)「2回転=0回転の謎」と(2)「二対一の地図」との関係』(7分23秒)
Part13『その先に広がる世界』(4分35秒)

講義2:『微分方程式のつくるかたち』 足助太郎(東京大学大学院数理科学研究科)

講演概要
微分方程式からは様々な「かたち」が定まる。あるものは見たままでわかりやすく、またあるものは見えづらい。
この講義では、微分方程式、とりわけ全微分方程式と呼ばれるものが定める「かたち」について述べる。
高校で扱う微積分について学んだことがあると、よりよく理解できる。
対象
高校生以上
講演資料
講演資料は以下のページから入手できます。
https://www.ms.u-tokyo.ac.jp/~asuke/aboutme/general.html
講演動画
Part1『微分方程式とは何か』(22分05秒)
Part2『二変数の全微分方程式』(49分45秒)
Part3『三変数の全微分方程式』(18分16秒)

講義3:『曲面のかたち、曲面がつくるかたち』 逆井卓也(東京大学大学院数理科学研究科)

講演概要
中学校や高校では関数 y=f(x) のグラフや 2 変数の方程式を満たす平面内の点の集合として曲線を扱ってきました。この講義ではひとつ変数を増やして曲面を考えてみましょう。
前半 (Part 1, 2)は曲面がどのようなものかについて、曲面片と呼ばれる局所的な「地図」を用いて説明し、繋がり方の観点から閉曲面の分類について紹介します。手を動かしながら曲面のかたちを探ってみて下さい。微分に関する知識があるとよく理解できると思います。
後半 (Part 3) は曲面の幾何構造を考えて、それらがつくる図形を考察します。リーマン面のモジュライ空間と呼ばれる空間を紹介することを目標としているため、細部を理解しようとすると複素関数論などの数学の専門的な知識が必要になりますが、ここでは、おはなしを聞くというつもりで視聴していただければと思います。
対象
高校生以上(ただし大学3、4年生向けの進んだ内容を含む)
講演動画
Part1『曲面のかたち』(38分44秒)
Part2『曲面のつながり方』(13分43秒)
Part3『曲面がつくるかたち』(49分06秒)

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