20 年度前期「幾何学 IV/幾何 III/幾何学特論」(青山学院大学理工学部)関係ファイル






青山学院大学理工学部における授業の関係ファイルをここに置きます。
河澄の研究分野であるリーマン面の位相幾何学への導入であり広い意味での研究内容の紹介であること、および
東京大学理学部の学部生の教育に有益である(と信ずる)こと、
からこの場所で公開します。著作権はすべて河澄響矢に帰属します。


青山学院大学で 履修しておられる学生さんへの重要な注意:
この場所は単なるファイル置き場です。それ以外の情報はすべて aoyama-portal で確認してください。


講義概要:
非ユークリッド幾何学の代表的なモデルである2次元双曲幾何学とその発展を解説する。 講義では、まず、双曲平面を導入し、フックス群とリーマン面の関係を学習する。 その後、フックス群をすべて無駄なく集めた空間であるタイヒミュラー空間を定義する。 この講義での中心はタイヒミュラー空間の接空間である。 とくに接空間にヴェイユ-ピーターソン-ケーラー形式を導入し、 その位相的な抽出物であるゴールドマン括弧積を議論する。

達成目標:
2次元という親しみやすい対象の上での具体的な考察を通して、幾何学のさまざまな対象に慣れ親しむことを目標とする

事前に履修しておくことが望ましい科目とメッセージ:
線型代数、一変数複素解析および群論の基礎的な諸事項については習熟していることが望ましい。
しかし、この講義を通して勉強のモチベーションを得てもらえばよい。
いろいろな概念が出てくるが、おじけ付いてはいけない。 勉強のモチベーションを提供するのがこちらの目的である。

授業手書きノート pdf:


第1回: 一次分数変換の復習。
第2回: 測地線とメビウス変換。
第3回: 双曲距離と面積。
第4回: リーマン面。
第5回: 閉リーマン面のフックス群。
第6回: リーマン・モジュライ空間。
第7回: タイヒミュラー空間とフリッケ座標。
第8回: パンツ分解と双曲パンツ。
第9回: フェンチェル-ニールセン座標(その1)。
第10回: フェンチェル-ニールセン座標(その2)。
第11回: フックス群の無限小変形。
第12回: タイヒミュラー空間の接空間。
第13回: ヴェイユ-ピーターソン-計量。
第14回: ヴェイユ-ピーターソン-ケーラー形式。

Goldman bracket について何も解説できませんでしたが、
まずは Goldman の原論文
W. M. Goldman
Invariant functions on Lie groups and Hamiltonian flows
of surface group representations,
Invent. math., 85 (1986) 263--302,
をご覧ください。




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