Home Page へ
TeXのページへ, dviout/dviprt開発室, DVIwareとしてのdviout, dvioutにおけるトラブル, dvioutでのプレゼンテーション
このドキュメントの最新版


Windows95/98/Me/NT/2000/XP における

dviout のインストール


June 14, 2007

角藤氏によるパッケージ(Web2C 7.5.5+pTeX 3.1.9 -- またはそれ以降 -- に基づき、 source specialをサポート)を使った TeXのインストール手順 を既に述べました。 それを行った後で、ここの dviout for Windows のインストール手順を踏むと良いでしょう。

淺山和典氏によるパッケージ(ptx214-*.zip)を使って TeX をインストールする手順について、 別の項に述べました。
これは現在では古くなってしまった版で、現在ではより簡単にインストールできるようになっています。

ここでは、これらの TeX のインストール後の dviout for Windows と それで使われるフォントとのインストールについて述べます。

次のものも参考にされるとよいでしょう。

その他

以下に書かれた解説が分からない場合や、簡単にTeXのシステムとdviout for Windowsとをインストールしたい場合は、下記の書籍をお薦めします。

「LaTeX2e for Windows Another Manual, vol.1 Basic Kit 1999」, 乙部厳己, 江口庄英, ソフトバンク, 1998年
付属のCD-ROMでは、インストーラにより簡単に角藤版のTeXのシステムとdviout for Windowsなどがインストールできる。各種の関連プログラムなども収録されている。 また、dviout for Windowsについての詳しい解説もある。
 
「[改訂(第3)版]LaTeX2e 美文書作成入門」, 奥村晴彦, 技術評論社, 2000, 2001, 2002, 2004年
LaTeXの解説書として定評がある。dviout for WindowsやTeXのシステムを収録したCD-ROMが付属しており、インストールの解説がある。
 
「日本語LaTeX2eインストールキット」 中野賢, 淺山和典, 内山孝憲, アスキー出版局, 1997年
Windows95/NT用(TeXは淺山版), Macintosh用, UNIX(Intel CPU)用のbinaryなどを収録したCD-ROM(各1枚で、計3枚)が付属しており、これらをコンピュータにインストールすることが主目的の書籍。プログラムは発行時点のものなので、版が若干古いが、インストーラが付属している。
 
「LaTeX組版ハンドブック」 大友康寛,翔泳社,2005年
EasyTeXおよび角藤版のTeXのシステムとdviout for Windowsなどがインストールできる(インストーラ付属)。

内容

0,まずインストールする
1. dviout for Windowsが使うフォント
2. 印刷方式とフォント
3. 関連プログラムとフォントのインストール
4. dviout for Windowsのインストール
5. dviout for Windowsを使う
6. dviout for Windowsのアンインストール
7. dviout for Windowsの機能
8. エディターとの連係
9. いくつかのヒント

dvioutにおける小ヒント集

dvioutでのプレゼンテーション

DVIwareとしてのdvioutより

dvioutにおけるトラブル

DVIファイルのフォーマット


0.まずインストールする

この節は、次節以降の1−4のインストールの解説を読まずにとにかく急いでインストールしたい方のためのものです。
バージョンアップの場合も同じです。

1. 角藤氏のパッケージによるTeXのシステムがインストールされているとします。

2. 自動インストール形式のdvioutのパッケージをダウンロードします。 3. ダウンロードしたファイル tex???w.exe または t????w.exe を管理者権限で実行します。 4. インストール先を指定するダイアログが表示されるので、[OK を押してファイルを展開します。 5. 以下の表示が出るので、「はい(Y)」を選びます。
Font Path is not set.
Install fundamental parameters?
6. デフォルトの解像度と用紙タイプの設定画面になりますので、必要なら変更後 [>Next] を押します。 7. 次の Register the location of Font Files において、以下のようにフォントの所在を設定し、[>Next] を押します。
  1. [Guess] を押す
    標準的な日本語TeX環境が検知されました.
    それにあった標準設定を選択します.
    と表示された場合は、[はい(Y)]を選択します。 一方、以下のように表示された場合は、[いいえ(N)] を選択します。
    (Y)es: Guess TEXROOT/TEXPK/L from fonts in DISK
    (N)o : Set default value for TEXROOT/TEXPK/L
  2. TEXROOT: および TEXPK: が設定されたことを確認します。
8. 最後の Register Programs において、以下のようにフォントの生成プログラムなどを設定し、[Finish] を押します。
  1. [gen:] を押し、以下に [はい(Y)] を選択すると、フォントの生成プログラム mktexpk が設定されます。

               Automatic search?

  2. Ghostscript がインストールされている場合は、[gsx:] を押して、Automatic search? に [はい(Y)] を選択し、dvioutからGhostscriptが呼び出せるように設定します。
  3. 以下の2つの項目にチェックがついていることを確認します。
  4. Relate DVI file (.dvi) to dviout for Windows
    Register dviout on Window's menu: Start->Program
9. 下部に注意書きが表示され、dvioutのインストールは終了ですが、以下のようにBaKoMaのTrueTypeフォントをインストールすることを推奨します。
  1. BaKoMa TrueType フォントの自動インストールプログラム FixBKM.msi (乙部氏による)を、適当なフォルダにダウンロードします。
  2. このプログラムを実行すると、BaKoMa TrueType フォントのインストールが完了します(既存のBaKoMaフォントの削除と新規のインストールが行われます)。
10. EPS画像以外のBMP/JPG/PNG/EMFなどの画像を取り込むための設定 11. dviout の機能や設定、疑問点については、 5節以下やメニューバーの Help から [Help Topics], [Troubles in dviout], [Tips on dviout] などを参照してください。 12. 初期設定がうまく行かなかったり,変更したいとき 先頭に戻る


1.dviout for Windowsが使うフォント

dviout for Windowsは、LaTeXやpLaTeXなどによって作成されたdviファイルを元に、出力するのに必要なフォントの文字の画像データをファイルなどから読んで、表示(preview)や印刷を行います。

一般に、表示には印刷より低解像度のフォントを用いますが、dviout for Windowsは、高解像度のフォントをgray scaleを使って低解像度でも見やすく変換して表示することが出来ます。 そのため、フォントのインストールには、印刷にどのような解像度のフォントを用いるかが基本になり、それはプリンタの解像度と合致していなければなりません。

dviout for Windowsは、各種のフォント形式をサポートしていますが、普通用いられる代表的なものについて述べます。

なお、dvioutとそれが使うフォントについては、詳しくは関連文書

をご覧下さい。

1.1. PK形式フォント(各文字の画像イメージデータをPK形式に圧縮したもの)

TeXのシステムにはフォントの文字の画像データを生成するためのプログラム(メタフォント)が備わっていて、生成の仕方を記述したソースファイルを元に文字の画像データを作成することが出来ます。

Knuthが作成したComputer Modenシリーズ(CM)のフォントやLaTeXのフォント(斜めの線や円弧など)、それからAMS(American Mathematical Society)のフォント(CMの若干の拡張、数学記号、ドイツ文字、ロシア文字)はこのメタフォントのソースで記述され、TeXでは最も標準的に使われています。

メタフォントから解像度に応じた文字データのビットマップ画像ファイル(フォントグリフファイル)を生成するには時間がかかるため、予め生成してPK形式に圧縮したものを通常用います。 ただし、dviファイルの出力に必要なPK形式フォントが無くても、対応するメタフォントソースとメタフォントプログラムがあれば、dviout for Windowsは、その場でメタフォントを起動してPK形式フォントを作成することができ、作成したものを使用すると共に再度使うときのためにディスク上に置いておきます(フォントの自動生成機能)。

このようなPK形式のフォントグリフファイルは、たとえばcmr10(Computer Modern 10 point)の300dpiのものは、通常 cmr10.300pk というファイル名になっています。ただし、300dpiの解像度の場合でも、異なるサイズの文字も用いるため、cmr10.360pk や cmr10.432pk なども、場合に応じて使われます。

解像度だけでなくて、プリンタの特性等に応じて変えられるパラメータも指定できるので、それぞれのプリンタに最適なパラメータでフォントグリフファイルは生成されています(たとえば、縦横の線と斜めの線との濃さの違い等)。

TeXによるdviファイルの作成は(フォントグリフファイルは必要有りませんが)各文字の大きさなどを記述したフォントメトリックファイルを元になされます。このフォントメトリックファイルは、メタフォントによってフォントグリフファイルと同時に作成されますが、解像度などに依らないものです。拡張子は .tfm となっていて、cmr10の場合は、cmr10.tfm がフォントメトリックファイルです。

PKフォントファイルにも各文字の大きさなどが書かれてあるので、dviout for WindowsではPK形式フォントを使う場合、対応するフォントメトリックファイルは必要としません

メタフォントのソースで記述されたフォントでなくても、フォントメトリックファイルとフォントグリフファイルがあれば、それをTeXで用いることが出来るので、PostScriptフォント(この場合は、フォントグリフデータを作るのに、メタフォントでなくGhostscriptが使われます)なども、dviout for Windows で用いることが出来ます。
これらの仲介をするのは、バーチャルフォントの仕組み(Knuthによって仕様が決められたもの)といくつかの支援プログラムですが、ここではその説明を省略します。

1.2. TrueTypeフォント(Windows95/98/Me/NT/2000/XP で通常用いられるフォントの形式)

TrueTypeフォントもフォントグリフファイルではなく、やはり文字のビットマップ画像データの生成のためのデータが記述されているものですが、メタフォントで生成するより高速に生成出来るので(よってより精度は低い)、普通は必要なときにフォントグリフを生成し、不要になればそのフォントグリフデータは残さず消してしまいます。

特に Windows95/98/Me/NT/2000/XP は TrueTypeフォントをサポートしており、文字のフォントグリフを得るのはWindows側に任せることができます。さらに、フォントグリフを処理しなくても、直接指定したサイズと位置で、画面やプリンタに出力できます。

Windowsでは文字には通常TrueTypeフォントを使用するため、Windows専用のプリンタでは、TrueTypeフォントの文字を直接出力すると、フォントグリフなどの画像データで出力するより、高品位で遙かに高速となることがあります。特に最近のカラー対応のインクジェットプリンタではこの傾向が見られます。

アスキーのTeXは、もともと既に存在していた和文フォントを元に設計され、それに対応するフォントメトリックファイル(欧文の場合のtfmファイルに対してjfmファイルと言われるが、拡張子は同じ .tfm である)が作成されました。欧文文字の場合はフォントのデザインや文字毎に各文字の大きさが異なっていますが、和文フォントでは漢字については文字の幅が一定である、などの違いからフォントのデザインが異なっても、同じ内容のフォントメトリックファイルを用いることが多くあります。

以上の理由で、dviout for Windowsでは、和文フォントにはWindowsのTrueTypeフォントを用いるのが普通です。TrueTypeフォントにも文字幅などのデータが書かれていますが、その精度は良くないので、dviout for Windows は対応する(拡張子が .tfm の)フォントメトリックファイルを必要とします。

Windowsでは、TrueTypeフォントの方が扱い易いので、CMなどのフォントをTrueTypeフォントに変換したものも存在します。こちらを用いれば、「解像度毎に異なったフォントグリフファイルを用意する必要がない」という利点もあります。ただし、「プリンタの特性に応じて文字の画像データを変える」というほど精巧な仕組みにはなっていません。

1.3. プリンタ内蔵フォント(LIPS III/IV, ESC/Pageのレーザプリンタ)

LIPS III/IV あるいは ESC/Pageのレーザプリンタに特化し、最適化を行ったプリンタドライバをdviout for Windowsは備えています。また、レーザプリンタ内蔵の和文フォントを印刷に使うことができます。

先頭に戻る

2. 印刷方式とフォント

dviout for Windowsは様々な印刷方式をサポートしています。主に3つに分けられます。

2.1. Windowsのプリンタドライバを用いる

2.1.1. TrueTypeフォントのフォントグリフを得ず、Windowsのプリンタドライバに任せて出力

dviout for Windowsのデフォルトの印刷方式(Option → Setup Parameters... → Graphic → color specials: auto mode(p2))で、印刷の際に patch2 を指定するのと同等です。

Windowsに特化したプリンタの場合、TrueTypeフォントを用いると、高品位で高速な印刷が期待できます。

私が使用しているインクジェットのカラープリンタでは

となるので、なるべくTrueTypeフォントのみ用いるようにしています。

このとき、PK形式フォントの文字は、Windowsのプリンタドライバによって文字毎に張り付けられます。Windowsのドライバによっては、PKフォントの文字が多いと負担が大きくなります。

特にPostScript用のプリンタドライバの場合はそのドライバーにバグが多いようなので、PKフォントの文字を使ったり、画像ファイルを張りこむ場合は、次の方式の方が無難です(「白抜き文字が印刷されない」「画像がうまく取り込めない」などの現象の回避のため)。

2.1.2. 各文字のフォントグリフを用いて1ページの画像データを合成し、それをWindowsのプリンタドライバを用いて出力

Option → Setup Parameters... → Graphic → color specials: auto mode(rep) とすると(Ver.3.08.1以降)このような印刷方式になります。

印刷の際に replace を指定するのと同等です。 Ver.3.07までは、これがデフォルトでした。

2.2. dviout for Windows内蔵のプリンタドライバを用いる

2.2.1. ESC/Page および LIPS III/IV に特化された内蔵のプリンタドライバ

これらのレーザプリンタの場合は

などの機能をサポートするとともに、多くのオプションパラメータを指定することができ、高速かつ高品位な印刷が可能です。

但し、プリンタ側のパネルでの設定がおかしいと正しく印刷されません。またプリンタの内蔵メモリーがその解像度と比較して少ない場合に問題が生じます(ページプリンタなので、プリンタ側に1ページの画像データを作成するのに足る十分なメモリーが必要)。

2.2.2. 外部のプリンタ設定ファイルを参照するdviout内蔵のドライバ

プリンタのコントロールコードに応じた設定ファイル(拡張子のデフォルトは .CFG)を参照して印刷するもので、MS-DOS版のdviprtからの印刷方式。ESC/P, NEC PC-PR, NEC NMなどは設定ファイルを内蔵しているので、外部の設定ファイルを参照しなくてもよい。

2.3. 他の印刷プログラムを呼び出す

コンソール版のdviprtや、dvipsk, dvi2ps などの TeX の印刷プログラムを呼び出すことができます。印刷範囲などの種々のパラメータを渡すことができます。

先頭に戻る

3. 関連プログラムとフォントのインストール

3.1. TrueTypeフォントのインストール

和文には通常 TrueType フォントを用いますが、既に述べたように、欧文フォントにもTrueType フォントを用いると、良い点が沢山あります。

PKフォントを使ってWindowsのPostScript driverによって印刷する場合は、 デフォルトの印刷方式でなく auto mode(rep) を使う方がよい。

必要な欧文フォントの全てがTrueTypeフォントで提供されているとは限りませんが、標準的に使われる CMフォント と AMSフォント には、フリーに提供されている BaKoMaフォントがあります。
それは以下のようにしてインストール(すなわちWindowsのシステムへの登録)できますが、dviout for Windowsのパラメータで、それを使うかどうかの指定をします。

まず、BaKoMaのTrueTypeフォントのパッケージ bakoma.lzh(WindowsXPなどでも正常にアクセス出来るように、コードテーブルのバグを修正したもの)を、lha などで適当なディレクトリに展開しておきます。

Windowsのデスクトップから

スタート → 設定 → コントロールパネル → フォント → ファイル → 新しいフォントのインストール

で、展開したフォントのあるフォルダに移動し、全てを選択すれば登録されます。

このとき、「フォントフォルダーにコピーする」をチェックをしていた場合は、展開したフォントは全て削除してかまいません。チェックをはずしていた場合は、展開したフォルダーに置いたままで使うことになります。

より詳しくは 乙部氏の解説記事 をご覧ください。
なお、自動インストールを行うプログラム(含フォント)FixBKM.msi があり、これを使うと簡単です。

3.2. PKフォントのインストール

TeXのシステムはメタフォントも含めて既にインストールされていて、フォント生成のプログラムmktexpk(古いものでは、MaKeTeXPK)が正常に動作する状態になっているとします。

欧文フォントに対して、TrueTypeフォントを用いる場合も、全てがTrueTypeとして存在しているかどうか分かりません。TrueTypeフォントまたは必要なPKフォントが存在しないフォントも (対応するメタフォントのソースが有れば、あるいはVirtual fonts経由で適当な方法で)PKフォントを自動的に作成して使うことが出来るように設定することにします。

印刷のときの実際の解像度が 300dpi としましょう。 (プリンタの仕様を注意深く調べて解像度を得てください)。 MS-DOSプロンプト(スタート → プログラム → MS-DOSプロンプト)から

mktexpk cmr10 300 300 300/300

を実行します(解像度が 300dpi と異なるときは、上の 300 をその値に変えます)。

既にPKフォントが存在していれば

^r/fonts/pk/cx/public/cm/cmr10.300pk exists.

というように表示され(^r は、たとえば c:/usr/local/share/texmf のようなフォルダ名です)、存在していない場合はPKフォント cmr10.300pk が作成されます(なお、古いTeXのシステムでは mktexpk でなく maketexpk とします。これは以下も同様です)。これがうまくいかない場合は、以下を参照するほか、TeXのインストールチェックをしてみましょう。

正常に終了した場合は、さらに

mktexpk cmr10 300 300 300/300
mktexpk cmr10 360 300 360/300
mktexpk lcircle10 300 300 300/300
mktexpk lcircle10 360 300 360/300
mktexpk msam10 300 300 300/300
mktexpk msam10 360 300 360/300

を実行します(なお、AMSのフォントを使用しない場合は、masm10 を含む最後の2行は必要有りません)。この 360 は 300 の1.2倍の解像度を表し、TeXではこのような解像度比のフォントをよく用います。

印刷の際の解像度が 300dpi でなくて、たとえば 400dpi であったなら、上記の300を400に、その1.2倍の360を480に修正して実行してください。いま作成された(あるいは既に存在していた)フォントは、dviout for Windowsのインストールの際に、フォントの所在を自動設定するのに参考にされますので、忘れず実行してください。

3.3. 関連プログラムのインストール

Ghostscript
PostScript画像を取り込んだり、PostScriptフォントを用いる場合に必要です。 TeXのインストール手順 の項に Ghostscript のインストール手順も書いてあります。

インストールした場合、正常に動作するかどうかテストして下さい。
スタート → プログラム → MS-DOS プロンプト から

gswin32 article9.ps

を実行してみましょう(gsview ではありません)。

gswin32.exeへ のパスが設定されていないか、あるいは、環境変数 GS_LIB が 設定されていないと動作しません。両者とも autoexec.bat あるいは WindowsNT/2000/XP ではコントロールパネルで設定し、環境変数 PATH や環境変数 GS_LIB に書きます。

PostScript以外の BMP, WMF, JPEG, TIFF などの画像を LaTeX2eの グラフィックパッケージ で取り込むことがある場合は、dviout.exe をインストールしたディレクトリからみて Graphic\Latex2e\color.cfg Graphic\Latex2e\graphic.cfg という2つのファイルを、 TeX をインストールした texmf\tex\latex\config に、また Graphic\Latex2e\dviout.deftexmf\tex\latex\graphics にコピーします。これらは、デフォルトの dvips 用のものに対して上位互換です。

Susie plug-in
PostScript/BMP/WMF/PBM 以外の種々の画像ファイルを取り込むときに必要です。
これらを dviout for Windows のディレクトリ以外のディレクトリに入れた場合は、 (Option → Setup paranmeters → [Graphic] →) spi: に、そのディレクトリを指定します。

先頭に戻る

4. dviout for Windows のインストール

TeXのシステムがインストールされ、前項に書いたフォントのインストールも完了しているとします。

4.1. dviout for Windowsはそれ自身をアンストールすることなども考慮すると、 独自のフォルダを作ってそこにインストールするのが良いでしょう。たとえば、 c:\dviout というフォルダを作成して、そこにインストールすることにします。

dviout for Windowsのパッケージは、ここ Windows95/98/Me/NT/2000/XP/7/8/9/10 用の dviout をクリックして取得できます。 tex???w.zip という名前のファイル、または、実行形式の tex???w.exe です。

dviout for Windowsの実行ファイルのパッケージが tex315w.zip であったとすると、tex315w.zip を c:\dviout に展開し、 MS-DOSプロンプトから、あるいは、「スタート → ファイル名を指定して実行」で c:\dviout にあるプログラム dviout を実行します。
実行形式の場合は、インストールディレクトリを確認の後、以下になります

Install fundamental parameters?

と尋ねられるので、Yes を選択します(No と答えた後、dviout のメニューバーから Option → Install を選んでも同じです)。

4.2. 最初のダイアログ(Font resolution and Paper size)では、解像度を正しく設定することが重要です。

PKフォントのインストール の項で使った解像度を Resolution of font(dpi:) に設定します([Help] を押すと、解説が表示されます)。

Paper size: は A4 で Portrait(用紙の縦置き)がデフォルトですが、このままで 差し支えないでしょう(必要なら後でデフォルトを変更できます)。

4.3. 解像度を正しく設定したら、[> Next] を押して次の Register the location of Font Files に進み、フォントの所在の設定をします。

フォントの所在の推定機能を使うため、[Guess] を押します。 PKフォントのインストールのステップが完了していれば、(設定した解像度を元に)ハードディスクを全て検索して、自動的に TEXROOT: と TEXPK: とが設定されます。

フォントが2カ所で見つかると、どちらを使うかが尋ねられますので、正しく答えてください。PKフォントファイルの存在するフォルダーのみが問題です。

たとえば

TEXROOT: ^T\fonts
TEXPK: ^r\pk\cx\\^s.^dpk;^r\tfm\ptex\^s.tfm;^r\vf\\^s.vf

のようになります。

なお、角藤氏によるTeXのパッケージをインストールした場合は、

標準的な日本語TeX環境が検知されました.
それにあった標準設定を選択します.
と表示された場合は、[はい(Y)]を選択します。 一方、以下のように表示された場合は、[いいえ(N)] を選択します。
(Y)es: Guess TEXROOT/TEXPK/L from fonts in DISK
(N)o : Set default value for TEXROOT/TEXPK/L
すると、検索はスキップされ標準的設定となりますので(Ver.3.13.1以降:推奨)、次の4.4に進みます。

■ Virtual fonts で(PostScript のフォントを用いるときなどで)ps2pk または gsftopk を使って PK フォントを生成する場合、modeless というディレクトリの下に生成されたフォントが入るようになっていることがあります。この場合は TEXPK の設定に

TEXPK: ^r\pk\cx\\^s.^dpk;^r\tfm\ptex\^s.tfm;^r\pk\modeless\\^s.^dpk;^r\vf\\^s.vf

のように ^r\pk\modeless\\^s.^dpk を追加しておきます。

■ Windowsのシステムに登録されたTrueTypeフォントを使うには、その フォントメトリックファイル (拡張子は .tfm)を指定します。 ^r\tfm\ptex\^s.tfm は和文のTrueTypeフォントの指定にあたります。

■ 欧文のTrueTypeフォントもインストールした場合、特にBaKoMaのTrueTypeフォントを インストールした場合は、CM/AMSのフォントメトリックファイルの指定を優先するため、 その所在をたとえば

TEXPK: ^r\tfm\public\cm\^s.tfm;^r\tfm\ams\\^s.tfm;\^r\pk\cx\\^s.^dpk;^r\tfm\ptex\^s.tfm;^r\vf\\^s.vf

のように先頭に挿入します(1行に書きます)。面倒ならば

TEXPK: ^r\tfm\\^s.tfm;\^r\pk\cx\\^s.^dpk;^r\vf\\^s.vf

でもかまいません(後者は起動時のフォントサーチにより時間がかかりますが、dvioutを何度か使っているうちに、フォントの所在のキャッシュ機能が働いて、速度の差はなくなります)。
TrueTypeフォントとPKフォントが使用可能なとき、より前に該当する前者が優先されることになります。

BaKoMa以外の欧文TrueTypeフォント、たとえば WinTeX に付属していたもの、あるいはそれらを併用して使う場合は、後から若干の変更が必要です。

4.4. 以上の設定の後、[> Next] を押して次の Register Programs に進みます。

Relate DVI file (.dvi) to dviout for Windows
Register dviout on Windows' menu: Start → Program

にチェックがついています。前者は、DVIファイルをマウスの左ボタンでクリックしたときなどに dviout for Windows を起動してそのDVIファイルを表示するための設定で、後者はスタートメニューに dviout for Windows を入れるものです。 このままで良いでしょう。

[gen:] のボタンを押してください。足りないフォントがある時に、自動的にPKフォントを作成する設定をするため、mktexpk.exe を探します。

Automatic search?

Yes と答えれば、ディスクをサーチして自動的に見つけてくれます(No と答えて、フォルダを選択して指定することもできます)。 見つかると、たとえば

gen: `c:\usr\local\bin\mktexpk.exe --dpi ^d --bdpi ^D --mag ^M ^s

のように設定されます。` の後は mktexpk.exe のフルパス名で、その後の パラメータは、省略した ^s ^d ^D ^M という形式でもかまいません。 PKフォントのインストールのステップが終了していれば、問題なく設定されるでしょう。

たとえば、c:\ptex\bin\MaKeTeXPK.exe を使う場合は、

gen: `c:\ptex\bin\MaKeTeXPK.exe ^s ^d ^D ^M

と直接書き込んでもかまいません。

Ghostscript がインストールされている場合は、[gsx:] のボタンを押して、PostScript画像(EPSF)を取り込めるように設定しておきましょう。

4.5. 最後に [Finish] を押せば 基本設定は完了 ですが、その前に [< Back] で直前の設定に戻ることができます。 分からない部分があれば [Help] で調べてみてください。

ここで設定したパラメータは後から個別に変更が可能で、dviout のメニューバーから Option → Install を選択すれば、再度設定をやり直すこともできます。 また、最後に [Finish] でなくて [Cancel] を押せば、何も設定は行われません。

先頭に戻る

5.dviout for Windowsを使う

前項の基本設定が終了すれば、dviout for Windowsを使うことができます。

なお、以下のテスト結果が正常でない場合は、dviout のメニューバーから

Help → Troubles in dviout
あるいは
Help → Help Topics
を選んで、関係する項を参照してください。Q&Aの項など役に立つでしょう。

5.1. 表示のテストと調整
dvioutのメニューバーから、File → Open を選んで、dviout がインストールされたフォルダーにある HyperTeX のフォルダーに移って、hyper2 というDVIファイルを選択してみます。 これは、dviout を終了し、デスクトップから

スタート → プログラム → dviout → sample dvi file

を選択したのと同じです。 (必要なフォントが存在していない場合、自動生成が行われて)hyper2.dvi をプレビューすることができます。

hyperdvi と下線付きの青色に(デフォルトの場合)表示されている部分を、 マウスの左ボタンでクリックすると、hyperdvi.dvi という別の dvi ファイルに移動します。HyperTeX と呼ばれる機能です。

カーソルキーやマウス、スクロールバー(最も右にあるのはページスクロールバー)などを使って、紙面やページ間を移動することができます(IntelliMouseにも対応)。

dviout for WindowsのWindows内の紙面の大きさは、上部のルーペのボタンにより拡大/縮小できます(Display → Size → Magnify, Reduceでもよい)。また、Display → Contrast → Blacker, Whiter で、紙面のコントラストを変えることができます。

紙面のサイズやコントラストを変更した場合

Option → Setup Parameters → Display

を選択し(そこの Start: が現在の状態の設定で、直接変更も可能です)、[Save] を押し [Ok] で元に戻ると、現在の状態が次回の起動の時のデフォルトとなります。

(hyperdvi から、その最後のページの hyper2.dvi をクリックする、あるいは、上部の左から2つ目のボタンのクリック(or File → History)からの選択で)最初の文書に戻れます。 そこにあるいくつかの文書に HyperTeX の機能でジャンプしてみると良いでしょう。

5.2. 印刷のテストと調整

前項の最初の表示画面から test_a4.dvi をクリックし、test_a4.dvi を表示させて 印刷のテストをします。WindowsにPrinterの登録が正しくなされていて、プリンタの電源が入っていることを確認してください(ネットワークプリンタも可)。 A4用紙でテストします。

dviout 上部の左から3つ目のボタン(or File → Print)を選ぶと、印刷のダイアログが出てきますので、(複数のプリンタを使っていて、表示されているプリンタが、dviout からの印刷に使うものでない場合は、[Setup...]を選んで正しいものに変更した後) [OK]を押してください。

正しい位置に印刷されていることを確認してください。位置がおかしい場合の修正については、dviout の [Help] を見てください。

LIPSIII/IV, ESC/Page のプリンタを使用している場合は、dviout for Windows内蔵のドライバを使う方がよいでしょう。そのためには、メニューバーから

Option → Setup Parameters → Printer

のダイアログの右下の欄から、対応するプリンタの形式を選択します。さらに

dviprt is default.

のチェックをつけておきます。その後、[Save] 次に [Ok] を押し、先と同様に印刷を行います。印刷のダイアログで、dviprt にチェックがついていることを確認してください(これは、Windowsのプリンタドライバを使わない、ということを意味します)。

この印刷で印刷位置がずれているときは、位置補正が必要です。 ずれを mm 単位で計って、 再び Option → Setup parameters → Printer に移って、その10倍の値を Left: と Top: に設定し、[Save], [Ok] を押します。再度テストすると良いでしょう。

左に 5.12mm 上に 4.50mm 移動したいときは、Left: に 512、Up: に 450 を設定します。

dvi2ps などの他の印刷プログラムを使う場合の設定も、Option → Setup Parameters → Printer で行うことができます。そこで ? ボタンを押して、dviprt: の欄をマウスの左ボタンでクリックしてください。詳しい設定方法を見ることができます。場合によっては、標準出力をプリンタに出力に変更する付属の rawprt.exe が役に立ちます。

先頭に戻る

6. dviout for Windows のアンインストール

6.1. dviout for Windows(インストールした時のものとバージョンが異なっていても良い)を起動し、Option → Uninstall を選んで、Windows のシステム の registry に dviout が書き込んだデータを消去します(この過程では、ファイルの消去は一切行われません)。

6.2. この後、dvioutを再度起動することなく、dviout for Windowsをインストールしたフォルダーごと中身を消し去ります(ゴミ箱に入れる)。

6.3. dviout for Windowsは、Windows のシステムディレクトリなどにファイルをコピーすることはないので、上記の後、ゴミ箱を空にすればアンインストールが完了します。

なお、dviout for Windowsのバージョンアップの場合は、単にプログラムやデータの上書きで済みますので、アンインストールの必要はありません(アンインストールすると、パラメータの再設定が必要です)。 他の操作が必要な場合は、ドキュメントに書いてあります。

先頭に戻る

7. dviout for Windows Ver.3.18 の機能

7.1. 使用可能なTeX

7.2. 拡張機能

7.3. プレビュー機能

7.4. 印刷機能

7.5. 欧文フォント、および、NTTjTeXの和文フォント

7.6. フォントライブラリ

7.7. アスキーpTeX および NTTjTeX の和文フォント

7.8. その他の機能

7.9. 付属のユーティリティープログラム

chkfont
dvi/tfm/jfm/gf/pk/pkd/pxl/gth/far ファイルのフォント情報表示
bmc
BondingBox を記した *.bb ファイル生成(Suise plug-in対応)
画像ファイル情報の表示(Suise plug-in対応)
bmc を含む各種形式画像ファイルの相互変換(Suise plug-in, ABC output plug-in対応)
EPSFファイルからバイナリヘッダの除去
createBB
bmc の *.bb ファイル作成機能に対するグラフィック・インタフェース
dvispc
color push/pop, background, tpic pn などの specials のページ独立性が守られるようにDVIファイルを修正
DVIファイルの specials のリストアップ
DVIファイルと可読なテキストファイルとの間の相互変換
dviadd
任意のファイルをDVIファイルへ埋め込み・抽出する
 
etfdump
DVIファイルへの埋め込みフォント(dviout独自機能)の詳細情報表示
srctex
source specials をサポートしていないTeXで、それを可能にする
convedit
srctex の補助プログラム
rawprt
標準入力のデータをプリンタに出力するWindowsコンソールプログラム
propw
和文プロポーショナルフォントを含む和文フォントメトリックファイルの(自動)生成
ttindex
和文TrueTypeフォントのインデックスファイル生成
dviout内部でのTrueTypeフォント展開(和文フォント埋め込みなど)を用いる場合
optcfg
プリンタ・コンフィギュレーションファイル(Windows版では、通常使用しない)の生成

先頭に戻る

8. エディターとの連係

TeXによって文書を作成中は、エディターとpreviewerの両方を立ち上げ

エディター → TeXを動かしてDVIファイルを作成 → preview → エディター

を繰り返すことが多いと思われます。この時に便利な機能のいくつかを述べます。

8.1. プレビューの自動更新機能

Option → Setup Parameters... → System → Auto Renew がチェックされている と、dviout で表示中のDVIファイルの更新に応じて、表示も更新されます。
具体的には、表示中のDVIファイルのTeXファイルをエディターで修正し、TeXを動か してDVIファイルを作成した後、dviout のプレビュー画面をクリックすると、更新 されたDVIファイルによって、プレビュー画面も更新されます。

Option → Continuous Renew をチェックすると,0.5秒間隔でDVIファイルの更新を常に監視し、それに応じてプレビュー画面も更新します。

8.2. source special

source special をサポートした TeX コンパイラを用いると、エディターと dvioutとの間で相互ジャンプが出来ます(dviout for Windows Ver.3.11から)。

8.2.1 source special をサポートしたDVIファイル
TeX コンパイラによって DVIファイル を作成する時、-src オプションを付加すれば source special のサポートされた DVIファイルが生成できます。たとえば

platex -src foo.tex

あるいは

latex -src=par,math mypaper

などとします。このときTeXコンパイラが source special 非対応の場合は

platex: unrecognized option `-src'

などというエラー表示がされて、DVIファイルは生成されません。 この場合でも付属のプログラムにより

srctex platex foo.tex

とすることにより、source special がサポートされたDVIファイルが生成 できます。

source special とは、DVIファイル中の段落の初めなどに挿入されるTeX の special で、挿入位置に対応するTeXのソースファイル名とソースにおけ る先頭からの行番号との情報を記したものです。

8.2.2 dviout からエディターへのジャンプ
dvioutからエディターを呼び出す手法は、 Option → Setup Parameters... → Common → src: に設定しておきます。

例えば、秀丸エディターの場合は

-src: c:\Program Files\Hidemaru\Hidemaru.exe^s/j%d "%s"

などとします(^s はパラメータとの区切り、%d は行番号、%s はファイル名)。
このとき、秀丸エディターには、その他 → 動作環境 → 排他制御 で 「秀丸で同じファイルを開く場合、ファイルを読み直しする」を設定しておき ます。

WinShell (Ver. 3以降)の場合は、WinShell で [オプション] → [主なTeX関連プログラムの設定] から、 右の [プログラム] のリストより「LaTeX」を選んで [コマンドライン] を

-src "%s.tex"

とし、dviout の設定は

-src: C:\Program Files\WinShell\WinShell.exe^s-c "%s" -l %d

などとします。

emacs, mule, meadowの場合は、 gnucilent を動かしておき

-src: gnuclientw^s +%d %s

と設定します。

なおgnuclientを動かすには、まずパッケージgnuserv.zipを展開して gnuclient.exe gnuclientw.exe gnudoit.exe gnuserv.exeを PATH の通った ディレクトリに、gnuserv.el は mule/meadow が探せる lisp ディレク トリにおき、M-x byte-compile-file などとして gnuserv.el を バイトコンパイルします。その後 $HOME/.emacs に

(require 'gnuserv)
(gnuserv-start)

の二行を追加します。

上記のいずれの場合も、dviout のプレビュー画面で

あるいは

エディターがDDEサーバの機能を持っていれば、dvioutとのDDE交信 で、より快適にdvioutからエディターを呼び出すこともできます。

8.2.3. エディターからdvioutへのジャンプ
たとえばエディターから

dviout foo "# 123 fo1.tex"

または Ver.3.4.1 以降の場合は

dviout -1 foo "# 123 fo1.tex"

というコマンドで dviout を呼び出すと、foo.dvi において TeXのソース テキストのうちの fo1.tex の 123行目付近に対応する部分が dviout のプ レビュー画面に表示されます(最初のパラメータ -1 は、 最初に起動された dviout に対するコマンドを示す)。 さらに Ver.3.13.3 からは

dviout foo "# 123/This book fo1.tex"

とすると(Ver.3.14.1 以降では、パラメータ -1 をつけるとよい)、 fo1.tex の123行目の文字列 This book を探し、 プレビュー画面でそれが含まれる部分を表示します。This book でなくて、この本 というような和文の文字列でもOKです。
View → Animation Cursor をチェックしておくと、該当箇所が明示されるので便利です。

このような呼び出しには DDEによる交信 がサポートされているので、エディターがDDEをサポートしている場合(たとえば秀丸)は、DDEを使う方が高速で快適です。

なお、dviout Ver.3.14.3 からは、ファイル名の部分 fo1.tex は、 相対パス名の他、絶対パス名でも指定できるようになり、パスの区切り記号は / でなくて \ も使えるようになりました。空白が混ざる場合は、'c:\My Documents\fo1.tex' のように、 '   ' で囲って指定します。

たとえば WinShell の場合は、[オプション] → [主なTeX関連プログラムの設定] から、右の [プログラム] のリストより「DVIView」を選び、[コマンドライン] を

-1 %s.dvi "# %l '%c.tex'"
と設定します。

8.3. 画像エディター呼び出し機能

dviout for Windowsは、表示された取り込み画像をマウスの左ボタンでダブルクリックすると、その画像ファイルに対応したグラフィック・エディターを呼び出す機能をもっています。
画像ファイルとそのエディターとの対応は、画像ファイルの拡張子に基づきます。

対応は Option → Setup Parameters... → Common → gsrc: で設定します。
設定された拡張子のみが有効です。たとえば
-gsrc: .ps.eps=Illustrator.exe^s"%s";.bmp=mpaint^s"%s"
とします。拡張子を最後の「.」の部分から書き(必要なら複数個並べる)、その後 「=」で対応するエディターの呼び出し方を書きます(呼び出し方は,前項の -src: と 同様の書式)。異なる呼び出し方のものは「;」で区切って書きます。

8.4. クリップボードやエディターへのコピー機能

文字列のクリップボードへのコピー
Shift+マウスの左ボタンクリックで、dviout のpreviewウインドウから文字列を 拾い出し、[Add] で追加し、必要なら編集してから [Copy] でクリップボードにコピ ーして、エディターに貼り付けて用いることができます。 ただし記号などには対応しておらず、 文字の種類によってはうまく行かないこともあります。
Help TeX
keyin.sty
dviout Ver.3.17 以降では、クリップボードに指定した文字列をコピーする dviout special がサポートされました。 .\HyperTeX にある keyin.sty を用いると、\keyin{......}{......} や \K{......\K} のコマンドが LaTeX のソースファイルで使用可能になります。
\keyin{<string1>}{<string2>}
では <string2> がホットスポットとなり、 クリックすると <string1> がクリップボードにコピーされます。 <string1> の中で空白を入れて" 0d 0a"のように書くと、改行が定義されます。
\K{<string>\K}
では <string> に対応するホットスポットのクリックで、 <string> がクリップボードにコピーされますが、 Kfalse というオプションをつけると、 \K{<string>\K} は単に <string> と解釈されます。
一方 Kverb というオプションをつけると、 タブや改行などもそのままクリップボードにコピー可能です。
たとえば
...
\usepackage{keyin}
...
\begin{document}
...
\keyin{\begin{equation}  0d  0a\end{equation}}{Equation}
...
\[
  \K{x_1+\cdots+x_n\K} = 1
\]
\end{document}
などとして使います。
\usepackage[Kfalse]{keyin}
とすれば、\K{x_1+\cdots+x_n} = 1 は単に {x_1+\cdots+x_n} = 1 と書いたのと同じことになります。
原稿作成中は \usepackage{keyin} として Help → Help TeX と同様の使い方で用い、 最終的には \usepackage[Kfalse]{keyin} とする (あるいは、最終原稿は \K{\K} を共に空白に置換する)と便利でしょう。
refcheckl.sty
Oleg Motygin 氏によるLaTeX2eパッケージ refcheck.sty (v1.9) を織田氏が改良したもの。dviout のクリップボードへのコピー機能に対応している。 LaTeX2e の参照ラベルが欄外に表示され、dviout のプレビュー画面でマウスの左ボタンクリックすると、その参照用のキーが { } で囲ってクリップボードへコピーされる。

8.5. DDE交信機能

dviout for Windows は、DDEのサーバ機能を持っていて、それによってエディタ からdvioutのパラメータを変更したり、dviout をコントロールしてdvioutのほ とんどすべての機能を使うことができます。詳しくは、dviout の On-line Help などを御覧下さい。

先頭に戻る

9. いくつかのヒント

疑問点について
dviout for Windowsの On-line HelpHelp → Help Topics)に数多くの情報があります。そのなかの Q&A は、今まで寄せられた質問などを参考に書かれています。まず、これらを参照してください。
 
また、付属の文書も参考になるかも知れません(たとえば、epsfdoc.dvi は、PostScriptなどの画像取り込みに関する例を含んだ解説文書です。sample.dvi は、主に dviout 固有の機能について、cmode.htmlDVIwareとしてのdviout は dviout の基本的動作について解説してあります)。

不具合については、dvioutにおけるトラブルも参照してください。

各種のWindows TrueTypeフォントを使う。
cmr10などのCMフォントやAMSフォントについて、BaKoMaのTrueTypeフォントを用いる方法は既に述べました。Windows上の各種TrueTypeフォントをTeXおよびdvioutで使えるように設定するため、乙部氏のパッケージ winttf.zip(古い版では、winttf.lzh)を用います。 これにより、Times New Romanなどの各種欧文フォント、各種(Windows付属、市販品、文字鏡、GT)和文フォントやMS P明朝をはじめとする各種和文プロポーショナルフォント(詰め組)が使えるようになります。インストール方法は、

MS-DOS Window(コマンド Window)で、TEXMF の上のディレクトリに移動します。
環境変数 TEXMFMAIN(それが存在しないときは TEXMF)が、c:/usr/local/share/texmf のときは

   cd c:\usr\local\share
   c:

古い winttf.lzh がインストールされていれば、それをすべて削除します。それは、
   texmf\fonts\tfm\windows
   texmf\fonts\vf\windows
   texmf\tex\latex\ttnfss
以下の全てのファイルです(フォルダごとゴミ箱に捨てる)。

dviout のパッケージ付属の font\winttf.zip を展開します。 それが、c:\dviout\font\winttf.zip であったなら

   unzip c:\dviout\font\winttf

とします(.\texmf\ 以下に多くのものが展開されます)。 なお、和文の詰め組みやぶら下げ用、あるいは、min10.tfm の不具合を修正した newmin.tfm などを用いるには(次項参照)、付属のパッケージ exjfonts.zip をここで インストールしておきます。

   unzip c:\dviout\font\exjfonts

dviout を起動して、Option → Setup Parameters... → [Font2] の [ftt:] ボタンを押して ftt: を以下のように設定します(^x は dviout のフォルダを表す)。

   ^x\map\ttfonts.map

[Save] で設定を保存し、dviout を再起動すれば、インストールしたものが使用可能になります。
詳細は、texmf\doc\ttnfss 以下のファイルやサンプルをご覧下さい。

いろいろな和文TrueType/OpenTypeフォントを使う
OpenTypeフォントは、Windows2000SP2,またはWindowsXP以降で用いてください。
アスキーのpTeXでは、デフォルトで MS 明朝とMS ゴシックのTrueTypeフォントが用いられます。

和文で平体・長体を使う
Ver.3.12.1 以降の dviout のパッケージの font\winttf.zip をインストールした後(前項参照)、同様に font\exjfont.zip をTeX のインストールディレクトリの texmf の上で展開します。例えば

    cd c:\usr\local\share
    unzip c:\dviout\font\exjfont


となります(texmf\ 以下に多くのものが展開されます)。
texmf\doc\exjfonts\ にあるドキュメントをご覧下さい。
 
和文のぶら下げ組版
行末に和文の句読点がある場合、それを行末からはみ出させる組版です(関連する不具合が修正された pTeX 2.1.10以降 が必要です)。
前項のように winttf.zip と exjfont.zip をインストールすると使用可能になります。
texmf\doc\exjfonts\burasage.txt を参照してください。

 
min10やjarticleの不具合を修正する
min10を使った場合の和文フォントにおける空きの異常、たとえば、「ちゃった」の「ゃ」と「っ」の詰まりすぎや、「‘国’」や「国).」の空き、などの不具合を解消します。
前々項のように winttf.zip と exjfont.zip をインストールすると、 これらの不具合を修正した min10 の修正版 newmin などが使えるようになります。

 
min8やgoth8などの不具合修正版を作る
newmin.tfm と newgoth.tfm は、それぞれ min10.tfm と goth10.tfm の不具合を修正したもので、min10.tfm, goth10.tfm と名前を付け替えて使用することができます。min8.tfm の不具合修正版を作るのは以下のようにします。

       tftopl newmin.tfm > min8.pl

として、修正版 min8.tfm の元になる PLファイル min8.pl を作ります。この min8.pl の先頭から 5 行目あたりの (DESIGNSIZE R 10.0) の 10.0 の部分をエディタで、変更するポイントサイズに修正します。8 point の場合は

     (DESIGNSIZE R 10.0)    →  (DESIGNSIZE R 8.0)

とします。最後に以下のようにすると、PLファイル min8.pl から修正版の min8.tfm が作成されます。修正版 goth8.tfm なども同様にして newgoth.tfm から作成できます。

     pltotf min8.pl

min*.tfm や goth*.tfm の修正版を従来のものと置き換えて使うためには、フォーマットファイル(texmf\web2c にある ptex.fmt や platex.fmt など)をこれらを使って再生成しておく必要があります。これによって DVIファイルを作成した場合、dviout や dvipsk などのDVIwareで出力する際は、修正版の min*.tfm や goth*.tfm でなくて、従来のものを使っていても同一の出力となるため(=出力段階での互換性)、出力の段階では従来の環境のままあっても、不具合が修正されたものが得られます。

なお、 newmin.lzh または newmin.zip を利用すれば,上記は不要です。


和文をプロポーショナルフォントで組む(詰め組)
付属の winttf.zip をインストールしてあれば、MS P明朝やMS Pゴシックなどのプロポーショナルフォントで組むことが出来ます(関連する不具合が修正された pTeX 2.1.11 以降 が必要です)。乙部氏の tumegumi.sty を使って、たとえば

\documentclass[a4paper,10pt]{jarticle}
\usepackage{tumegumi}
\begin{document}

としておけば、大きな文字を使った部分、\texttume{......} の中、および \tumeshape 命令によって、MS P明朝やMS Pゴシックを使って組まれます(cf. texmf\doc\ttnfss の tumegumi.tex, tumegumi.dvi)。

なお、詰めのメトリックはフォント毎に異なるので、詰め組用の tfm ファイルは使うフォントに応じて作成したものを使わなくてはなりません。 tumegumi.sty は、そのままでは MS P明朝(mspmin.tfm)やMS Pゴシック(mspgoth.tfm)専用です。

propw.exe を使うと、Windowsに登録された任意の和文プロポーショナルフォントの tfm ファイルを作成することが出来ます。pttfonts.map には多くの和文プロポーショナルフォントが登録されており、pttfonts.map が c:\dviout\map にインストールされていれば、texmf の上のディレクトリから

cd texmf\fonts\tfm\windows\wabun
propw c:\dviout\map\pttfonts.map

とすると、pttfonts.map に書かれていてWindowsに登録されている全ての和文の tfm ファイルが作成されます(propw.exe や pltotf.exe にパスが取っている必要があります)。pttfonts.map に新たなフォントを書き加えておけば、それに対応する和文 tfm も作成されます。

ImpressのTeX for Windowsで dviout を用いる
WinDvi.exe の代わりに dviout.exe を用いるには、dviout が動作する環境にしておいて、dviout.exe の名前を WinDvi.exe と変え、もともとの WinDvi.exe と置き換えます。次項も参照。

ImpressのWinTeXのTrueTypeフォントを用いる
 
存在しない和文フォントの代替機能を優先しない
DVIファイルにフォントや画像を埋め込む
Ver.3.12では、画像の他、フォントをDVIファイルに埋め込んでそれが利用できるようになりました。埋め込んだフォントは、TEXPK では、^F/ によって指定できます。例えば、^F/^s.^dpk などとします。埋め込んだ画像は、自動的に利用されます。

さらに、Ver.3.12.3 からは、文字単位でのフォント埋め込み機能が使えるようになります(File → Font/Image Embedding)。必要な画像やフォントが(文字単位で)埋め込まれたDVIファイルを自動作成し、dvioutがそれを自動的に利用する機能です。文字表示もより高速になります。詳しくは On-line Helpなどを参照してください。埋め込み可能なデータは、以下のファイルから自動的に抽出されます。

     和文/欧文Windows TrueTypeフォント/tfm/jfm/vf/ovf/フォントマッピングファイル

たとえば、欧文フォントにBaKoMaのTrueTypeフォントを使って埋め込んでおくと、dvioutで表示や印刷のときに、欧文フォントが不要になります。PKフォントは、複数の解像度を与えて同時に埋め込むことができ、表示の際はその中から最適なものが選択されて、必要ならスケール変換されます。

和文TrueTypeフォントを埋め込んでおけば、そのようなフォントを持たない非日本語Windowsのもとでdvioutによって扱えます。

Windows標準の欧文TrueTypeフォントファイルやプロポーショナルTrueType和文フォントなどをVirtualフォントやtfm/jfmを用いて扱っている場合、Virtualフォントやtfm/jfmファイルの必要なデータのみ埋め込み、TrueTypeフォントは埋め込まないようにしておくと、DVIファイルのサイズの問題や埋め込みTrueTypeフォントの配布の問題を避けることができます。

この機能を利用すると、TeXのシステムやフォントの無い環境でも dviout のみあれば、DVIファイルの表示や印刷が可能になります(画像ファイルも埋め込めます)。

なお、dviout以外のDVIwareでは、画像やフォントが埋め込まれたDVIファイルを、従来通り(埋め込みは無視されて)扱えます。

関連して、initial.par というファイル名で、dvioutの初期化情報をdviaddを使ってDVIファイルに埋め込む機能を利用すると便利です。

DVIファイルにメモを入れる
Ver.3.12.4 以降では、(DVIwareの動作に影響を及ぼさずに)DVIファイルにメモなどのコメントを書き込むことが出来ます。dvioutのメニューバーからFile → Font/Image EmbeddingでOKを押し、List of Embedding Fonts/Images の下部のエディットボックスの最初の行に #rem と、その後にコメントを書き、OK押すと、書いたメモが埋め込まれます。例えば

#rem
これは、草稿です。
Aug. 24, 2001


と書いて、OK を押します。

Help → initial.par を選択すると、書いたメモが表示されます。詳しくは、On-line Helpの「DVIファイルへの埋め込み」を参照してください。
 
プレビューや印刷での用紙サイズを指定する
紙面の横と縦のサイズを、以下のようにTeXのソースのはじめのページに書いておきます。
    
      \AtBeginDVI{\special{papersize=36.4cm,25.7cm}}

あるいは、より一般に

      \AtBeginDVI{\special{papersize=\the\paperwidth,\the\paperheight}}

こうすると、dvioutのプレビューが途中ページからでも、実際の紙面サイズで初期化されます。また、この様式は dvips 互換です。dviout では、papaersize=A4L などと書くこともできますが、dvips では無効です。また、上記の前に \AtBeginDVI{\special{dviout `keep y}} と書いておけば、この文書を抜け出すと、元の紙面サイズに戻ります(詳しくは、On-line Help の dviout special を参照してください)。
 
Graphics Package

GhostScriptを使って作成されるPBM/BMP/BMCファイルのディレクトリを固定する
デフォルトでは、読み込むPostScriptファイルと同じディレクトリに作成されますが、Option → Setup Paramereters ... → [Graphic] の -gdat: にディレクトリ名を指定しておけば、そこに作成されます。複数のディレクトリ名を指定した場合など、より詳しくは On-line Helpの -gdat: の項を参照してください。
 
PSfrag
dviout for Windows Ver.3.11.4以降、PSfragに自動対応しました。そのためには 環境変数GS_LIBで指定されたGhostscriptのサーチパスに psfrag.proPSfrag package Ver.3.04 に含まれています)と ps2frag.ps を入れておく必要があります。このファイル等に関しては 松田さんの解説を参照して下さい(予め *.pfi を作成しておく必要は ありません)。

なお、このとき作成された *.pfi (たとえば、foo.pfi とします)を

dviadd foo.pfi dvi_file
として dvi_file に埋め込んでおけば、psfrag.pro のない環境でも、dviout による表示が可能です。
 
PSTriks
PSTricks は dvips用のものであり、一部のコマンドを除いて dviout は対応していません

プレビューやプリンターの種類で異なる設定を使う

バージョンアップ
dviout for Windowsは、上書きすることにより最新のものにバージョンアップできます。アンインストールすると、 設定済みのパラメータが引き継がれません。 通常は、単純に全てをそのまま上書きしてください (最小限 dviout.exe, dviout.hlp, dviout.cnt (and/or dvioute.hlp, dvioute.cnt)を置き換えれば、新しい版を使うことが可能)。

一方、TeXのシステムの大幅な変更があって、再度dvioutの初期設定を行いたいときは、上書き後、メニューバーから、Option → Install を選びます。

Ver.3.02 以降のデフォルトの変更は、以下の通りです。詳しくは、パッケージに付属の文書 readme.txt の「7.Ver.3.0 以降からのバージョンアップ」をご覧ください。


Ver.3.06: dviprt機能でのLIPS III/IV での印刷の印字位置を若干ずらした。
Ver.3.08: Windowsのプリンタドライバを用いる印刷がデフォルトになった(従来の版は、 Option → Setup Parameters → [Graphic] の auto mode (rep) に対応)。
Ver.3.12: 不足フォントの自動生成がオンデマンドになった(従来の版は、 Option → Setup Parameters → [Font2] の OnDemand(Fod:) が OFF に対応)。
Ver.3.15: ttfonts.map などのフォントマップファイルのデフォルトのフォルダが、 ^x から ^x\map に変更された (^x は、dviout.exe の存在するフォルダ)。
Ver.3.16: パラメータ dviprt が未定義の場合のdviprt機能のデフォルトを、 「dvipdfm による PDF への変換」に変更した。
 
デュアルブートシステムへのインストール
Windows95/98/Me系とWindowsNT/2000/XP系のデュアルブートシステムの場合、両方のOSから見えるディレクトリに dviout をインストールすれば、両方のOSから使うことが出来ます。両者のOSから見たときのドライブ番号が異なっていても問題ありません。dvioutの各種パラメータは、両者のOSで異なった場所(registry)に記録されるので、その設定は独立して行うことになります。

ユーザが複数の場合の共通設定と個別設定
Windows NT/2000/XP などで一箇所にインストールした dviout を複数のユーザが使う場合の設定です。このときは、共通の基本的設定を dviout.par というファイル名で、dviout をインストールしたディレクトリに入れておきます(Option → Non-default Parameters の出力が利用できる)。個人の設定は、個別の registry に記録され、dviout を起動すると dviout.par の読み込みの後、個人の registry の設定が上書きされます。

共通で使われるPKフォントを、ユーザから読み込みのみ可能なディレクトリに作成しておき、 それ以外のPKフォントが各ユーザ毎に個別の書き込み可能なディレクトリ場所に 自動作成されるようにするには、たとえば次のようにします。
角藤氏のTeXのパッケージ を使い d:\usera\pk に個人のPKフォントを作成する場合

1. dviout の gen: で、以下のように destination directory を指定します。   

    `C:\usr\local\bin\mktexpk.exe --dpi ^d --bdpi ^D --mag ^M --destdir d:/usera/pk ^s
    
2. dviout の TEXPK: に次を追加します。
    d:\usera\pk\\^s.^dpk
    
3. dvipsなどで各ユーザが作成したPKフォントを使うため、 環境変数 PKFONTS を次のように設定します。 最後のセミコロンを忘れてはいけません。
    PKFONTS=d:/usera/pk//;
    
dvioutの動作を制御する
dvioutの動作を制御するには、以下の方法があります。

例えば

-y=B5P      : 用紙サイズのパラメータ y の値を B5用紙でPortraitに設定
-OY=-1.5cm  : 縦方向の位置補正オフセットパラメータ OY の値を -1.5cm に設定
FP          : Alt+FP (メニューバーの File→Print: 印刷ダイアログへ)に対応
DV          : Alt+DNV(メニューバーの Display→conTrast→reVerse:画面反転)に対応
DL          : Alt+DSF(メニューバーの Display→Size→fuLl:画面フル表示)に対応
!P          : プレゼンテーションモードへ

-mode=n     : mode を n に変更(n は、0 から 9 まで)
-wait=n     : n 1: 標準 0: テンポラリファイルを残す 2, 3: 警告を無視 
-y=B5P   -OY=-1.5cm   DV   !P   DL
: B5の縦置き用紙で縦方向に -1.5cm ずらし、白黒反転のプレゼンテーションモードで横幅いっぱいに表示する。

このように組み合わせたものを設定するには、以下のような方法があります。

  1. キーマクロに定義する
       "-y=B5P -OY=-1.5cm DV!PDL"   をパラメータ -macro: に設定  (5個のセットまで可能)
  2. dviout specials によって、DVIファイルに埋め込む
        \special{dviout -y=B5P -OY=-1.5cm DV!PDL}   のようにTeXのソースに書く
  3. HyperTeX として、DVIファイルに埋め込む
        \special{html:<a href="dviout: -y=B5P -OY=-1.5cm DV!PDL">}hot spot\special{html:</a>}   とTeXのソースに書く
  4. パラメータファイルを用いる(Option→Choose Paramaters など)
        y=B5P OY=-1.5cm Set=DV!PDL   とファイルに書く(キー入力などを表すシンボルの2文字の組の列は Set= に続けて書きます)
  5. DDE によって、他のプログラムから制御する
        [Function(-y=B5P -OY=-1.5cm DV!PDL)]   というXTYP_EXECUTEトランザクションコマンドを送る

Ver.3.14.3 のデフォルトのキーマクロは、以下のように5個が定義されています。
   !A!Zdy!pdl !A!N!Q!F;!A!T;!ADX;fn!b !A!Z!pdf !A!Z!pdl "-OX=0mm -OY=0mm !I"

インストールフォルダに関して注意することは?
dvioutをインストールするフォルダを作成して、その中でdvioutのパッケージを展開するのがよいでしょう。 バージョンアップdvioutのアンインストールが容易に行えます。

dvioutは、そのパス名に空白や全角文字の入った名前のフォルダにインストールしても正常に動作します。 しかし、dvioutを他のプログラムから呼び出す場合や、関連する他のプログラムで問題が生じる可能性がありますので、それを避けるのが無難でしょう。

dvioutのフォルダにパス(環境変数のPATHで与えられる)を通さなくても dviout自身は正常に動作します。 しかし、コマンドラインからの起動や他のプログラムから呼び出されることを考えると、パスを通しておくのがよいでしょう。

インストールフォルダやそのドライブ番号の変更
dviout自身は、そのインストール場所を移動してもそのまま動作します。 関連ファイルがありますので、dvioutのインストールフォルダごと移動すれば問題ありません (最小限 dviout.exe, dviout.hlp, dviout..cnt, dvioute.hlp, dvioute.cnt は同じフォルダに入れて下さい。ftt:は設定によっては要修正)。

OSからのリンク(DVIファイルのダブルクリックからのdvioutの起動と、スタート → プログラム からのdvioutの起動)を直す必要がありますが、dvioutを起動後 Option → Install で設定を変更せずに進んで最後の[Finish]ボタンを押せば、これらも修正されます。

TeXのシステムやGhostscriptなど関連するプログラムに移動があった場合は、 dvioutの対応するパラメータの修正が必要でしょう。具体的には

TEXROOT: TEXPK: (TeXのシステムの移動、^T を使ったデフォルト設定ならば修正不要)や gen:(フォント生成プログラム) ftt:(フォントマップファイル) gsx:(Ghostscript) spi:(Susie plug-in)  src: (エディタ)

などです。^T^x を使った指定ならば変更不要でしょう。Option → Setup Parameters... で各シートをチェックしてみましょう。

 
非日本語対応のシステムでpTeXのDVIファイルを取り込んでも、dvioutが終了しないようにする
TEXPK: のパラメータで、^s.tfm という項があれば、それを ^s^tfm に変更してください。
 
TeXに対応したスペルチェッカーMicroSPELLを使う
MicroSPELLは、MS-DOS上で動作する欧文用の汎用スペルチェッカーです(1991-1992に作成)。 MS-DOS上のエディター Vz, Mifes, Demax などと連携すると便利に使うことができましたが、MS Windows 上でも、付属のスペル修正プログラムから使用することができます。

たとえば、Windows NT/2000/XP 上で使うには、Windows のシステムディレクトリの system32 にある config.nt および config.wow

device=ansi.sys
の一行を書き加えてエスケープ sequence が使用可能なようにしておき
  spell -- [parameters] TEX_source_file
のように起動します(dmerge でインデックスファイルを作成しておく必要があり、付属の spell.doc の最初の部分を参照のこと)。 TeX向けの最も簡単な [parameters] としては、-i\ (TeX のキーワードを辞書に含めていれば、-t\)。

TeXの原稿に対して、以下の機能をもつMicroSPELLに匹敵するスペルチェッカーはみあたらないようなので、いずれ各種エディータとも連携するWindows版を作成したいと思っています(MS-DOS版よりは簡単に作成できるはず)。

詳しいドキュメントが付属していますが、TeXのソースのスペルチェックに関連して、いくつかの特長を挙げます。

 
メタフォントとプリンタとTEXPK
TeXを作ったKnuthは、組版システムTeXと共に、そこで使われるフォントの作成システムとしてMETAFONT、および、具体的なフォントとして Computer Modern Font Seriesを提供しました。METAFONTでは、フォントの各文字の描き方が記述され、プリンタに対応したビットマップ画像のフォントを作成します(具体的には、 cmr10.300pk などのような、PKフォントファイルの形のものに変換されてDVIwareで使われます)。

METAFONTシステムは、大変精巧に出来ており、プリンタの解像度だけでなく、その特徴に応じた調整が出来るようになっています。DVIファイル(DeVice Independent file)からの印刷結果もプリンタ依存性を出来るだけ無くすよう工夫されている、という訳です。

例えば、1 dot が円で描かれているとして、あるプリンタでは円の境界がはっきりしているが、別のプリンタではぼやけているとしましょう。1 dot 幅の横線に対し、両者が同じ太さ(= 濃さ)に見えるよう円の直径が調整されていたとすると、1 dot 幅の斜め線では後者の方がより太く見えるでしょう。METAFONTは、このようなプリンタによる差を吸収するため、横線と斜線との濃さを調整するパラメータを持っている、というのがその一例です。

現在提供されているMETAFONTのソースには、多くのプリンタ用のパラメータファイルが入っていて、実際にはどのプリンタ用のパラメータでフォントを作成するかを指定してフォントを作成することになります。解像度が最も重要ですが、現在のTeXのシステムでは、そのデフォルトのパラメータ指定が texmf.cnfMAKETEX_PK_MODE の項です。

    MAKETEXPK_MODE_300 = cx
    MAKETEXPK_MODE_360 = bjtenex


とあると、300 dpi 基準のフォントの場合、cx と名前がついたパラメータがデフォルトになります。通常cmr10のMETAFONTソースは、^T\fonts\source\public\cm\cmr10.mf となりますが、これを 300 dpi で 12 point (1.2倍のサイズ)で作成すると、それは ^T\fonts\pk\cx\public\cm\cmr10.720pk というPKファイルにする、というのが最近のやりかたです。360 dpi 基準で cmr10 の 10 point のフォントが、cmr10.360pk という同じ名前としても、^T\fonts\pk\bjtenex\public\cm\cmr10.720pk となるので区別できる、という仕組みです。

一方、PostScriptフォントから GhostScript や pstopk などを通じて作成されたフォントは、解像度の差しかないので、^T\fonts\pk\modeless\public\txr\rtxr.300pk というように、modeless というディレクトリの下に拡張されます。

このような細かな設定に TEXPK を対応させる場合は、デフォルトの TEXPK における ^r\pk\\^s.^dpk の部分を ^r\pk\cx\\^s.^dpk;^r\pk\modeless\\^s.^pk のように変えればよいことが分かります。

なお、プリンタの解像度が大きくなると、プリンタに依存した差は少なくなるので、METAFONTが設計された頃ほどはプリンタによる差を(高精度な印刷を除いては)、最近は区別しなくてよいのかも知れません。

先頭に戻る