「群作用をもつ多様体上の大域解析における基本問題」
広島大学談話会, 2024年10月22日
幾何において対称性があると、その対称性は関数空間にも現れます。この対称性は表現論の言葉で定式化され、たとえば、古典的なフーリエ級数展開や球面調和関数展開は、このような群論的な視点から解釈することも可能です。一方、多様体がコンパクトではなく、対称性が可換性を持たない場合は、表現としては無限次元が必要になります。
この談話会では、SL(n, R)のような非可換性が高い群Gの対称性をもつ非コンパクトな多様体X上大域解析に関して、いくつかの基本的な問題の現状と、これらの問題が数学の種々の分野に現れる概念とどのようにつながっているかについてお話をしたいと思います。
© Toshiyuki Kobayashi