連絡事項
採点基準は公表しない。
得られた解がすべての解を尽くすことを示す際に,問で指示された定義域が開区間であることと,そこではt≠0であることに留意する必要がある。
付随する斉次方程式についての問であるのに,もとの方程式を解いた答案が見られた。 変数分離法を用いないよう指示してあるのに変数分離法を用いた答案が見られた。
どういうわけかx(t)≡0となる解を別に答えている答案が見られた。例えば変数分離法などでは,必要に応じてx(t)=0となる場合を別に考察することがあり,また,問題によってはx(t)≡0のような解を別に答える必要があることもある。 しかし,この問題ではx(t)=0となる場合を別に考察する必要はないし,x(t)≡0となる解を別に答える必要もない。
得られた解が問の条件を満たす唯一の解であることを示していない答案については,程度に応じて減点した。
計算なしで答の書かれた答案については,たとえ結果が正しくても,点数は与えられない。
変数分離法で解く際に平方根を取る箇所があるが,そこで符号が負のものを忘れたために一部の解しか得られていない答案が見られた。 一方,平方根を考える際に,根号の中身は非負でなければならないが,これに気づかず,あり得ない関数を解として答えた答案も見られた。
直線R全体でなく一部の区間でしか定義されない関数を直線R上の解として答えた答案も見られた。
導関数の計算に際してx''とx'''を混同するミスが多かった。 日頃から丁寧に書くよう心がけるのが良いであろう。
はじめから微分作用素を用いて扱えば,計算は非常に簡単となり,しかも間違えにくい。 実際,右辺の関数は方程式(D-I)2x=0の解なので,方程式の両辺に(D-I)2を施すだけでよい。
微分作用素を用いた計算法については授業で扱ったが,有効に活用していただけなかったのは残念である。
問(1)の相流図は描けているが,問(2)の相流図が間違っている答案が多かった。 行列Pの定める変換による基本単位ベクトルの行き先の確認を怠り,固有ベクトルの張る直線だけに注目して安易に図を描いたためと思われる。
行列Aの定めるベクトル場を計算用紙に図示すれば,そこから相流を視覚的に読み取ることにより,そのような間違いに気づくことができたであろう。
固有ベクトルで張られた直線上の相流は,直線の方向ベクトルまたは直線の方程式を記入するなどして正確に描かなければならない。
絶対値のついた関数の導関数の計算で間違えた答案が多かった。 絶対値の中身の正負で場合分けして計算するだけのことだが,それを怠ったためと思われる。
説明が不足している答案については,書くまでもないから説明を省略したのか,説明できないから書かなかったのか,答案の文面からは区別がつかない。 前者であったとしても,きちんと理解しているのか,理解した気になっているだけなのか区別がつかない。 従って,説明が不足している答案については,たとえ答が正しくても点数が与えられないことがある。 また,注意事項に記した指示に反している答案については,程度に応じて減点した。 そのような答案は,自分ではきちんと書いたつもりであっても,採点者が文面から内容を正確に読み取れなくなっていることが多く,その場合には,たとえ答が正しくても点数が与えられないことがある。
この授業は2年理科生向けの常微分方程式の講義です。 文科生も履修できます。理科生についてはクラス指定により理科II・III類 1—2, 5, 7—11, 17 組が対象となります。
シラバスに書かれた授業の目標、概要は次の通りです。
種々の量の時間発展は,多くの場合,常微分方程式を用いて記述できる.また,電柱の間にぶら下がった電線の形状や屈折する光の経路をはじめ,さまざまな曲線の幾何学的性質を常微分方程式によって特徴付けることができる.常微分方程式は,自然科学や工学,社会科学などの多くの分野で重要な役割を演じている.この講義では,常微分方程式の理論的基礎を学ぶとともに,幾つかの重要な具体例を取り上げ,それぞれの方程式の解法と解の性質について解説する.これらの内容の理解には,微分積分学,および線型代数学で学んだ固有値・固有ベクトルに関する基礎知識が必要となる.したがって,本講義はこれらの知識の総合的応用篇であるとともに,進んで偏微分方程式論を学ぶための入門篇でもある.
授業のキーワード:常微分方程式、特殊解、一般解
変数分離形、一階線型常微分方程式
全微分方程式、べき級数、ジョルダン標準形
定数係数線型常微分方程式系
自励系、ベクトル場、積分曲線、平衡点
解の安定性、解の存在と一意性、逐次近似法
この講義は、木曜日の1限(8:30〜10:15)にオンラインで 行います。
この講義は常微分方程式のシラバスの授業計画 (下に転載) に基づいて行います。
この講義の成績は期末試験によって判定します。講義のなかで小テストやレポートなどを課すことがありますが、これは純粋に教育目的で行うものですので、その点数・評価は成績には影響しません。
成績判定方法は未定です。
成績はレポートと期末試験によって判定します。
この講義の参考書として、以下の書籍を挙げておきます。
書籍1は最近出版されたものですが、この授業の立場に近いと思います。書籍2は理工系向けの常微分方程式の伝統的な講義内容に沿った標準的な教科書です。書籍3では、常微分方程式を扱っている部分はわずかに第一章のみですが、理論的内容がうまく手短にまとめられています。書籍4は諸科学への非常に具体的な応用例を通じて微分方程式を学ぼうという興味深い本です。常微分方程式を徹底的に学んで極めたいという方には書籍5を薦めたいと思いますが、実際に読み通すには尋常ならざる努力を要する上に,基礎的な部分で複素関数論を用いているなど、予備知識があったほうが理解しやすい面が散見されるので、もう少し学習が進んでから取り組むほうがよいでしょう。 最後に、書籍6は古典的な入門書です。この講義を行うにあたり,特に講義の前半部分で参考にしました。
講義予定(夏学期)
講義の進行によっては、予定を変更する可能性があります。
注意事項
遅刻厳禁・私語厳禁です。
授業中の写真撮影は禁止です。
授業中の携帯電話・スマートフォン・パソコン等の使用を禁止します。
授業内容に関わる質問は授業中にお願いします。授業内容で理解できない点があれば、その場で手をあげて大きな声で質問してください。 板書の書き誤りに気が付いたら、その場ですぐに指摘してください。
授業計画
シラバスに書かれた授業計画を転載しますので、参考にしてください。
講義内容はおおむね以下の通りであるが,担当教員によっては順序や内容に一部変更が加えられる場合がある.
過去の連絡事項