「2次元トポロジー、その定量的アプローチ」
大阪大学大学院理学研究科数学専攻, 数学特別講義 VIIA = 特別講義 IIIB
2010 年 12 月 13 日(月)〜 17 日(金)
担当: 河澄響矢(東京大学大学院数理科学研究科)
13 日(月)16:30 - 17:30, B342, 談話会
14 日(火)〜 17 日(金)14:40- 4限, 5限, D401, 講義
◎授業の目的:
曲面の交叉形式を出発点として2次元トポロジーへの定量的アプローチを行う。
◎履修条件・受講条件:
群論、多重線型代数、位相空間論、基本群、ホモロジーの知識を前提とする。
◎講義内容:
いくつかの無限次元リー代数を通して2次元トポロジーを定量的に研究する試みを解説する。
境界成分1のコンパクト曲面のゴールドマン・リー代数が自由群のマグナス展開を通して形式的シンプレクティック幾何に直接的に関係すること
を解説する。応用として、曲面の基本群の群環上のデーン・ツイストの明示的記述および無限種数曲面のゴールドマン・リー代数の中心の決定を行う。
本集中講義の内容は主として久野雄介氏(広島大・学振 PD)と担当講師の共同研究に基づく。
◎授業計画:(汚くて恐縮ですが)手書きの講義準備ノートにリンクしてあります。
談話会「The logarithms of Dehn twists」
1. 曲面の交叉形式.
2. リー代数の復習.
3. ゴールドマン・リー代数.
4. 形式的シンプレクティック幾何
5. シンプレクティック展開.
6. 主定理.
7. デーン・ツイストの対数.
8. ゴールドマン・リー代数の中心について.
9. ゴールドマン・リー代数のホモロジー的解釈.
10. ホップ代数の相対ホモロジー. (ここまでは到達しないので、準備しません。あしからず。参考文献 arXiv:1008.5017
をご覧下さい。)
◎コメント:
受講者の理解度に応じて講義の進度や内容に若干の変更もありうる。
◎教科書:
特に指定しない
◎参考文献:
○W.M. Goldman, Invariant functions on Lie groups and Hamiltonian flows
of surface group representations, Inventiones mathematicae, 85, 263-302
(1986) のうち \S2. Homology with local coefficients および \S5. Lie algebras
of curves on a surface,
○ N. ブルバキ「リー群とリー環」(東京図書)第2章「自由リー環」,
○ D. Quillen, Rational homotopy theory, Annals of Mathematics, 90,
205-295 (1969) のうち Appendix A. Complete Hopf Algebras,
○ N. Kawazumi and Y. Kuno, The logarithms of Dehn twists, arXiv:1008.5017
(2010),
○ N. Kawazumi and Y. Kuno, The Chas-Sullivan conjecture for a surface
of infinite genus, arXiv:
1009.4985 (2010) (註: v1 に証明訂正および情報追加しましたので v2 をご覧下さい。).
◎成績評価:
出席状況およびレポートなどにより総合的に評価する。
付録: 11年4月12日の幾何学 XH 講義ノート はこ
こです。
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