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日時: 2024年5月31日(金) 15:30-16:30
会場: 数理科学研究科棟(駒場) 大講義室
酒井 拓史 氏(東京大学 大学院数理科学研究科)
巨大基数について (JAPANESE)
集合論は数学に現れる無限集合を調べる分野で,そこでは様々な無限基数が考えられています.これらのうち,自分自身より小さな基数に対して超越的な性質を持つ不可算基数は巨大基数とよばれます.これまでに多くの巨大基数が定式化されていますが,いずれもその名のとおり非常に大きな基数となり,その存在は集合論の標準的公理系 ZFC では証明できません.巨大基数の存在を主張する公理は巨大基数公理とよばれます.巨大基数は実数集合の濃度よりもはるかに大きくなりますが,巨大基数公理を仮定すると実数集合についての様々な命題が証明できるようになり,これは巨大基数の興味深いことのひとつです.この講演では,巨大基数理論の概要を紹介します.また,講演者が興味を持っている,小さな無限基数の巨大性についてもお話しします.